マツオカ会計事務所

受取手形|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と実務のポイント

受取手形

はじめに

受取手形は、
社会福祉法人では日常的に登場する勘定科目ではありません。

しかし、
取引内容によっては発生する可能性があり、
性質を理解していないと資金繰りや決算で判断に迷いやすい科目でもあります。

現金や預金とは異なる特徴を持つため、
基本的な考え方を整理しておくことが大切です。

「ホームページ利用上のご注意について」をお読み頂き、これらの条件にご同意の上ご利用ください。

🟦 「ホームページ利用上のご注意について」
https://office-matsuoka.net/goriyouchui





厚生労働省の勘定科目の説明

受取手形
事業の取引先との通常の取引に基づいて発生した手形債権
(金融手形を除く)をいう。
割引又は裏書譲渡したものは、受取手形から控除し、
その会計年度末日における期限未到来の金額を注記する。

出典:「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

この定義から分かるとおり、
受取手形は 通常の事業取引に基づいて発生したもの に限定されます。

金融機関が発行する金融手形は含まれません。


受取手形の基本的な性質

受取手形は、
将来の一定日に支払われることを約束した証書です。

小切手と異なり、

という特徴があります。

そのため、
支払期日までの間は、
資金として利用できない点に注意が必要です。


実務で気をつけたいポイント

① 支払期日までの資金繰り

受取手形は、
期日までは現金として使えないため、
資金繰りに影響を与えることがあります。

特に、
金額が大きい手形を受け取った場合には、
支払期日までの運転資金を
事前に確認しておくことが重要です。


② 裏書譲渡・割引を行った場合の扱い

受取手形は、

といった方法で利用されることがあります。

ただし、
いずれの場合も 手形が不渡りになった場合のリスク が残るため、
会計上は注意が必要です。

社会福祉法人会計では、

という取り扱いが求められます。


③ 相手先の信用確認

受取手形は、
相手先が期日に支払うことを前提とした取引です。

そのため、

などを踏まえ、
相手先の信用を確認しておくことが重要になります。


手形取引の今後の動き

近年、
紙の約束手形・小切手については、
廃止や電子化に向けた動きが進められています。

経済産業省は、
2026年度末を目途に紙の約束手形の利用廃止を目指す方針を示しており、
全国銀行協会でも電子的決済サービスへの移行が進められています。

今後は、
社会福祉法人においても、
手形取引そのものが減少していくことが想定されます。


現場でよく見かける状況

月次資料や契約書類を確認していると、
受取手形が長期間残るケースは多くありません。

一方で、
たまに発生した取引であるがゆえに、
処理方法や注記の扱いに迷うことがあります。

事前に基本的な考え方を整理しておくことで、
決算や監査の場面でも
落ち着いて対応しやすくなります。


まとめ

受取手形は、
社会福祉法人では発生頻度は高くないものの、
現金や預金とは異なるリスクを持つ科目です。

これらの特徴を理解したうえで、
発生時には慎重に対応することが
実務の安定につながります。

記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。


ホームページの各記事や事務所サービスのご案内

よく読まれている人気の記事(カテゴリー別)


マツオカ会計事務所作成の書籍・動画・規程

20年間の社会福祉法人・福祉事業者の支援と、11年間の地方公務員の行政事務で培ったノウハウを 書籍・動画・規程 として公開しています。
ご自身で学び、法人内で活かせるコンテンツをご用意していますので、ぜひご覧ください。

▶ マツオカ会計事務所が提供する書籍・動画・規程まとめページを見る

出版中の書籍


社会福祉法人専門 公認会計士・税理士による書籍のご案内

Amazonのページはこちら(試し読み機能あり)

Amazonの試し読み機能で、本の一部ご覧いただくことができます。

  1. 資金収支計算書 (第5版) 58ページ 1870円
  2. 事業活動計算書(第3版) 73ページ 1925円
  3. 貸借対照表 (第3版) 81ページ 1980円
  4. 経営組織(理事・監事や理事会・評議員会について) 57ページ 1760円
  5. 随意契約 45ページ 1650円
  6. 注記と附属明細書 109ページ 1980円
  7. 社会福祉法人会計簿記の特徴 52ページ 1870円
  8. 社会福祉法人会計基準の逐条解説 83ページ 1980円
  9. 利益と増減差額 ~その違いからわかること~ 47ページ 1815円
  10. 現金主義と発生主義、実現主義 67ページ 1980円
  11. 社会福祉法人の減価償却 58ページ 1870円

よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。

モバイルバージョンを終了