マツオカ会計事務所

医薬品・診療/療養費等材料・給食用材料|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と実務のポイント

医薬品

はじめに

医薬品、診療・療養費等材料、給食用材料は、
社会福祉法人の会計では 棚卸資産(在庫) に分類される勘定科目です。

日常業務では、
「使うもの」「消費するもの」という意識が強く、
会計上の管理が後回しになりやすい一方で、
決算や監査では必ず確認される重要な科目でもあります。

在庫としての考え方を整理しておくことで、
日々の管理と決算処理の両方が落ち着いて進めやすくなります。

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厚生労働省の勘定科目の説明

医薬品
医薬品の棚卸高をいう。

診療・療養費等材料
診療・療養費等材料の棚卸高をいう。

給食用材料
給食用材料の棚卸高をいう。

出典:「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

いずれも共通して、
決算日時点で保有している在庫の金額を表します。

棚卸資産としての位置づけ

棚卸資産とは、
簡単に言えば 「在庫」 のことです。

決算日など、一定の日に、

を確認し、
その時点での価値を計算します。
この作業を 棚卸し といいます。

医薬品、診療・療養費等材料、給食用材料も、
この棚卸資産の考え方に基づいて管理されます。

各科目の性質と実務上のポイント

医薬品

医薬品は、
治療や医療行為に直接使用される薬品の在庫です。

といった点が重要になります。

数量だけでなく、
期限切れや使用不可のものが含まれていないか
を確認することが実務上のポイントです。

診療・療養費等材料

診療・療養費等材料には、
注射器、ガーゼ、衛生材料など、
一回ごとに使用される消耗性の医療材料が含まれます。

日々の使用量が多いため、

を把握し、
どれだけ購入し、どれだけ使用し、どれだけ残っているか
を記録で確認できるようにしておくことが大切です。

給食用材料

給食用材料は、
給食に使用される食材や調味料などの在庫です。

他の棚卸資産と同様に数量管理が必要ですが、
特に注意したいのが 衛生面 です。

といった点を踏まえ、
使用可能な状態にあるかどうかを確認する必要があります。

実務で共通して大切なこと

医薬品、診療・療養費等材料、給食用材料は、
いずれも 在庫の管理が重要な科目です。

実務では、

といった基本的な管理が求められます。

また、
在庫が「ある・ない」だけでなく、
使用可能な状態かどうか を確認する視点も欠かせません。

現場でよく見かける状況

棚卸の際に、

といった状況を見かけることがあります。

一方で、
定期的に実物確認が行われている法人では、
棚卸作業も決算も落ち着いて進んでいる印象があります。

まとめ

医薬品、診療・療養費等材料、給食用材料は、
社会福祉法人の会計において
棚卸資産としての管理が求められる科目です。

これらを意識することで、
日常業務から決算・監査まで、
実務が安定しやすくなります。

医薬品

診療・療養費等材料

給食用材料

記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。


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