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厚生労働省の勘定科目の説明 仮払金
仮払金
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
処理すべき科目又は金額が確定しない場合の支出額を一時的に処理する科目をいう。
勘定科目説明の解説
仮払いの必要性
職員さんに予め金額を渡し、必要となる支払に充ててもらい、残ったお金を戻してもらうという手続きは、日々の事業運営では必要になってきます。
科目説明の中では、2つの要件(表現)が用いられています。それぞれ分けて、事例を考えてみましょう。
1 処理する科目が確定しない場合
・科目を決定することが厚生労働省の科目説明(費用)で容易に判断することが難しく、検討や専門家に相談が必要となる場合
・複数の科目にまたがっており、どの科目を用いるか検討が必要な場合
・過去の事例(科目)を調べる必要がある場合
などが考えられますね。
2 金額が確定しない場合
・出張旅費などで、帰所するまで金額が確定しない場合
・催し、レクリエーションなどの費用で、終了するまで金額が確定しない場合
などがあります。
また、処理する科目が確定せず、金額も確定しないなど、どちらの要件にも該当する場合も考えられますね。
仮払金の手続き上のポイント
支出時の注意点
決裁をきちんと取ること
先に法人のお金を支出することになりますので、必要となる手続きとして、稟議をきちんと取りましょう。
稟議には、支払目的や時期、金額、担当者の氏名(お金を預かる人)などを明確に記載しておきましょう。
法人と個人のお金の混同を避けること
仮払では、法人のお金をいったん担当者(個人)に預ける形になります。
現金の科目説明にありますように、お金には、持ち主の名前は書いていません。
担当者個人の財布に法人のお金を入れますと、個人のお金と法人のお金が混ざってしまうことになりますね。
いったん、一つの財布の中で混ざってしまいますと、どれが法人のお金で、どれが個人のお金か分からなくなってしまいます。これが良くありません。
法人のお金と個人のお金が混ざらないように、お金の渡し方、預かり方についても工夫をする必要があります。
速やかに精算
勘定科目説明にあるように、仮払金は、「一時的に処理する科目」です。
科目が決まった場合や金額が確定した場合には、速やかに精算し、正しい科目(費用科目)に振替えを行いましょう。
速やかな精算や正しい科目への振替は2つの意味で大切です。
1 法人のお金の管理
一時的な支出の後に速やかに精算を行うことは、法人のお金の管理上大切です。
精算報告をきちんと行い、領収書や旅費の記録などと照合し、正しく支払が行われ必要な返金がなされたことを確認していきましょう。
精算漏れや、精算の遅れがないように注意しましょう。
2 費用の金額及び科目の確定
仮払金は、正しい科目に振替えが行われていない間は、事業活動計算書や資金収支計算書には反映されていないことになります。このことは、法人の事業の業績や、支払資金の状況が正しく表されていないことになります。
例えば、月次報告の際に仮払金の振替えがされた状態と、されていない状態では、月次報告の金額も変わってくることが想像できます。
会計実務での確認
正しい会計報告のためには、
- 仮払金の残高の管理を行い精算漏れや遅れがないようにする
- 正しい科目への振替を丁寧に行っていく
ことが大切なことが分かりますね。
簡単な説明です
仮払金
一時的に必要となるお金を手渡したりする形。支出の内容がハッキリと確定したときにはきちんと精算する。丁寧な手続きと運用を意識しましょう。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
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勘定科目の解説の一覧
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マツオカ会計事務所のストーリー
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。