マツオカ会計事務所

評議員会の招集手続きの確認  指導監査の準備 社会福祉法人会計・法人運営

評議員会

社会福祉法人の評議員会の招集手続き

社会福祉法人では、決算時(5月~6月頃)に、定時評議員会を開催します。

また、令和5年度は、理事、監事の改選期になります。

理事、監事の選任・解任は、評議員会の決議事項になります。理事、監事の選任を行った6月の定時評議員会が適正に開催されたかが問われます。


まずは、評議員会の招集手続きを確認していきましょう。

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評議員の招集

評議員会の開催時期

評議員の開催時期については、社会福祉法で以下のように定められています。

社会福祉法の規定を受けて、法人の定款において、下の例のような定めがあると思います。

社会福祉法

(評議員会の運営)
第四十五条の九 定時評議員会は、毎会計年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。

法人の定款(例)

第11条 評議員会は、定時評議員会として毎年度○月(「毎会計年度終了後3ヶ月以内」)に1回開催するほか、必要がある場合に開催する。

ほとんどの法人さんで、6月末までに定時評議員会を開催することになります。

評議員会を招集する理事会決議

評議員会を招集するために、まず、評議員会を招集(開催)するという決議を行うことになります。

理事会の決議

この決議は、理事会で行います。

こちらも、社会福祉法の規定とともに、法人の定款で規定されています。確認してみて下さい。

社会福祉法 第四十五条の九


3 評議員会は、第五項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。

法人の定款(例)

(招集)第12条 評議員会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき理事長が招集する。

理事会の決議事項

理事会で決議を行う内容は、下のようになります。

決議の内容

  1. 評議員会の日時及び場所
  2. 評議員会の目的である事項(議題)
  3. 評議員会の目的である事項の議案

理事会で決議する事項は、社会福祉法が準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に規定されています。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

(評議員会の招集の決定)
第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 評議員会の日時及び場所
 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項
 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。

開催日時

 開催日時と開催場所を決議します。

議題と議案

議題とは、テーマと考えたら分かりやすいです。

「理事の選任について審議します」という感じです。

議案は、具体的な提案ですね。

「理事に〇〇さんを推薦します」というイメージです。

基本的には、評議員会に提案する議題と議案の両方を、理事会で決議します。

招集(通知)の通知時期について

評議員会の招集通知は、評議員会の日の1週間前までに通知を発送する必要があります。(定款で定めている場合には、定款で定めた日になります)

通知は、書面または電磁的方法(メールなど)で行います。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

(評議員会の招集の通知)
第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。
 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

(招集手続の省略)
第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。

評議員会の招集手続きの確認事項

理事会の議事録には、評議員会の開催(招集)について

・開催日時、場所
・議題
・議案

が決議された記録があるか

評議員会の日の1週間前までに招集通知が発出(発送)された記録を残しているか。

・書面なら郵送簿など
・メールなら発信履歴など


理事会の議事録、招集通知の発送通知(記録)が残っているか確認しておきましょう。

マツオカ

郵送簿などを作成されていない法人さんもあるかもしれません。郵便の発送記録を形にして残していきましょう。

次回はこのテーマです。

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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、
平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。


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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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