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厚生労働省の勘定科目説明 基本財産 投資有価証券
(基本財産)投資有価証券
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
定款等に定められた基本財産として保有する有価証券をいう。
勘定科目説明の解説
有価証券と(基本財産)投資有価証券、(その他固定資産)投資有価証券
法人が保有する有価証券について、貸借対照表上、計上する科目は3つあります。
流動資産
- 有価証券
固定資産
- 基本財産 投資有価証券
- その他の固定資産 投資有価証券
それぞれの勘定科目説明は下のようになっています。
有価証券
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
債券(国債、地方債、社債等をいい、譲渡性預金を含む)のうち貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に満期が到来するもの、又は債券、株式、証券投資信託の受益証券などのうち時価の変動により利益を得ることを目的とする有価証券をいう。
(基本財産)投資有価証券
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
定款等に定められた基本財産として保有する有価証券をいう。
(その他の固定資産)投資有価証券
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
長期的に所有する有価証券で基本財産に属さないものをいう。
(基本財産)投資有価証券
上の3つの科目説明から
基本財産の投資有価証券は、
定款で基本財産と定めた、債券(国債、地方債、社債等をいい、譲渡性預金を含む)、株式、証券投資信託の受益証券
と考えることができますね。
社会福祉法人の審査基準には、
基本財産の管理運用は、安全、確実な方法で、元金が確実に回収できること
が求められています。
有価証券を取得(購入)する場合
法人が自ら購入する有価証券で、基本財産とすることができるものは元本の確保ができるものに限ります。
安全、確実な債券と言えば、国債を思い浮かべますね。
(日本銀行です)
社会福祉法人の審査基準には、下のような規定があります。
社会福祉法人審査基準 第2 法人の資産
3 資産の管理
(1)基本財産(社会福祉施設を経営する法人にあっては、社会福祉施設の用に供する不動産を除く。)の管理運用は、安全、確実な方法、すなわち元本が確実に回収できるほか、固定資産としての常識的な運用益が得られ、又は利用価値を生ずる方法で行う必要があり、次のような財産又は方法で管理運用することは、原則として適当ではないこと。
① 価格の変動が著しい財産(株式、株式投資信託、金、外貨建債券等)
② 客観的評価が困難な財産(美術品、骨董品等)
③ 減価する財産(建築物、建造物等減価償却資産)
④ 回収が困難になるおそれのある方法(融資)
有価証券の寄付を受ける場合
有価証券を寄付として受け入れて、寄付者のご意思などにより基本財産として定款に定める場合には
株式についても基本財産をすることが可能になります。
株式でもご寄付を受えたものであれば、基本財産にできるという考え方になります。
社会福祉法人の審査要領に下のように規定されています。
社会福祉法人審査要領 第2 法人の資産
(8) 法人が株式を保有できるのは、原則として、以下の場合に限られる。
ア 基本財産以外の資産の管理運用の場合。ただし、あくまで管理運用であることを明確にするため、上場株や店頭公開株のように、証券会社の通常の取引を通じて取得できるものに限る。ふ
イ 基本財産として寄付された場合。これは、設立時に限らず、設立後に寄附されたものも含む。
基本財産 投資有価証券 まとめ
以上のことから、基本財産の投資有価証券に計上するものは、下のように考えます。
基本財産 投資有価証券
定款に基本財産と定めている
・元本の回収が確実な債券
または
・ご寄附を受けた株式
会計上のポイント
評価益と評価損
基本財産で株式を保有する場合には、時価による評価が必要になり、時価の変動による評価益や評価損が生じることになります。
事業活動計算書の「サービス活動外増減の部」には、
基本財産評価益と基本財産評価損の科目が儲けられており、決算においては、時価評価を行って、評価損益を計上することになります。
年度末には
株価の確認が必要になってきます。
簡単な説明です
基本財産 投資有価証券
定款に基本財産と定めた有価証券。安全、確実なものでなければならない。株式の場合には、基本的にご寄付としていただいたもの。
法人の維持存続ための大切な有価証券なので、長期に保有することが前提にあり、ずっと大事に残しておきたい有価証券です。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
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マツオカ会計事務所のストーリー
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。