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厚生労働省の勘定科目の説明 その他の固定資産 建物
(その他固定資産)建物
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
基本財産以外に帰属する建物及び建物付属設備をいう。
勘定科目説明の解説
基本財産とその他財産、公益事業用財産、収益事業用財産
社会福祉法人の保有する資産は、基本財産とその他財産、公益事業用財産及び収益事業用財産に区分されることになっています。
社会福祉法人審査基準 第2 法人の資産
2 資産の区分
法人の資産の区分は、基本財産、その他財産、公益事業用財産(公益事業を行う場合に限る。)及び収益事業用財産(収益事業を行う場合に限る。)とすること。
その他の固定資産について
社会福祉法人会計において、社会福祉法人の資産のうち、その他固定資産に計上されるものは、
審査基準に示されている「その他財産」、「公益事業用財産」及び「収益事業用財産」になりますね。
審査基準では、「基本財産は、法人存続の基礎になるもの」と表現されていることから、
基本財産以外の財産は、法人存続の基礎には位置づけられていない資産とも言えます。
もちろん、基本財産以外でも、とても金額の大きな固定資産もたくさんあります。どの区分の固定資産も法人存続にとって大切な財産です。
審査基準と社会福祉法人会計の資産の区分(固定資産部分)
審査基準の資産と、社会福祉法人会計の固定資産を表にすると、このようになります。
社会福祉法人審査基準 | 社会福祉法人会計基準 |
---|---|
基本財産 | 基本財産 |
その他の財産 | その他の固定資産(※) |
公益事業用財産 | その他の固定資産(※) |
収益事業用財産 | その他の固定資産(※) |
その他の固定資産について
基本財産の中に含める必要があるものは、社会福祉施設の用に供している建物(附属設備を含む。以下同じ)になります。
その他の固定資産の建物に計上するものは、基本財産以外の建物になります。
社会福祉施設である建物は、基本財産になります。
(社会福祉施設とは、第1種社会福祉事業を経営する施設になります。(社会福祉法第62条第1項))
また、
社会福祉施設以外の建物でも、法人が建物の重要性を考えて、定款で基本財産と定めている建物は、
その他の固定資産ではなく、基本財産になります。
社会福祉法人審査基準(第2 2(1))
イ 社会福祉施設を経営する法人にあっては、すべての施設についてその施設の用に供する不動産は基本財産としなければならないこと。ク イからキまで以外の財産であっても、法人が重要と認める財産は基本財産として差し支えないこと。
会計に計上する建物の金額について
建物自体は、イメージしやすいですね。
建物の科目に計上するものは、建物だけでなく、建物附属設備も含まれます。
社会福祉法人会計の勘定科目の建物に含まれるもの
- 建物
- 建物附属設備
建物
建物は、想像しやすいですね。
建物そのもの(本体)の金額になります。
建物附属設備
建物附属設備は、建物に附帯している設備関係です。
建物に備え付けられていて、取り外して使用したりはしないものと考えましょう。
例えば
冷暖房設備
天井に備え付けられている業務用のエアコン設備という感じです。家庭用のエアコンと比べてみましょう。
昇降用設備
エレベーターです。建物から取り外したりしないですね。
厨房設備です。
給食用の厨房などです。
消火設備です。
この他にも、給排水設備や様々な設備があります。
建物と建物附属設備を分けて考える
建物の科目には、建物と建物附属設備が含まれることになります。
科目の中の管理上は、建物と建物附属設備を分けて把握しておきます。
具体的には、固定資産管理台帳上では、建物と建物附属設備を資産ごとに分けて登録していきます。
建物本体と建物附属設備では、減価償却の計算を行う際の耐用年数が異なるためです。
建物本体は、構造(鉄筋コンクリート造りや木造造り)や用途に応じて耐用年数を決めていきます。
建物附属設備は、設備の種類ごとに耐用年数を決めます。
実際の運営においても、築10年〜15年くらい経つと、建物の中の設備に、改修や取替えの必要が出でくると思います。
施設の建設工事などでは、建物と建物附属設備の工事を分けて発注することは少なく、一体として工事をすることが多いです。
この場合、工事の見積書(請求書)などを基に、工事費を建物本体工事と建物附属設備、またその他の費用に適切に按分して、建物の金額、建物附属設備の金額、その他の金額を決めていきます。
会計実務での確認
会計ソフト上で、建物の科目の下に、補助科目として建物と建物附属設備に分けたり、固定資産台帳上で補助科目を持つと、管理上、分かりやすくなってきます。
簡単な説明です
その他の固定資産 建物
基本財産として法人運営の中心になる福祉施設以外の建物と、その建物に付随している設備のところ。
建物は、年月を重ねるので、建物と設備を分けて管理しておくことが大切になってくる。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
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勘定科目の解説の一覧
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マツオカ会計事務所のストーリー
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。