はじめに
社会福祉法人が、
事務所や事業所、駐車場、職員用住宅などの
不動産を賃借する際には、
契約条件として敷金や保証金を差し入れることがあります。
差入保証金 は、
このように 賃貸借契約に基づき担保として差し入れ、
将来返還される予定のある金銭 を整理するための勘定科目です。
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厚生労働省の勘定科目の説明
差入保証金
出典:「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
賃貸用不動産に入居する際に、
賃貸人に担保として差し入れる
敷金、保証金等をいう。
この定義から、
差入保証金は、
支払時点では費用とならず、
返還を前提とした資産 として整理されることが分かります。
差入保証金の性格
差入保証金は、
賃貸借契約における債務の履行を担保する目的で
差し入れられる金銭です。
契約終了時には、
未払賃料や原状回復費用等が控除されたうえで、
返還されることが一般的です。
このため、
賃借料や手数料のように費用処理するのではなく、
固定資産として管理 します。
敷金・保証金・礼金との違い
不動産賃貸借契約では、
次のような支払が生じることがあります。
- 敷金・保証金
退去時に返還が予定されている金銭
→ 差入保証金として資産計上 - 礼金
返還されない金銭
→ 支払時に費用処理
返還の有無が、
会計処理を判断する重要なポイントとなります。
貸借対照表上の区分
差入保証金は、
原則として その他固定資産 に区分して表示されます。
返還までに長期間を要することが多く、
法人の運転資金として自由に使用できない性格を持つため、
固定資産として整理されます。
返還時の会計処理
賃貸借契約が終了し、
差入保証金が返還された場合には、
返還された金額に応じて差入保証金を減額します。
原状回復費用等が差し引かれた場合には、
控除された金額について、
修繕費等として費用処理を行います。
管理上の留意点
差入保証金については、
- 契約内容(返還条件・控除内容)が整理されているか
- 契約期間や解約条件が把握されているか
- 残高が実態と一致しているか
といった点を、
定期的に確認しておくことが重要です。
複数の物件を借りている場合には、
物件ごとに管理台帳を整備しておくことが望まれます。
まとめ
差入保証金は、
- 不動産賃貸借契約に基づき差し入れる担保金であること
- 返還を前提とするため費用ではなく資産として計上すること
- 原則としてその他固定資産に区分されること
- 契約内容に基づく管理が重要であること
これらを整理して理解しておくことで、
賃貸借契約に関する支出と資産の区分を、
制度に沿って落ち着いて判断しやすくなります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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