マツオカ会計事務所

勘定科目の解説「1年以内返済予定リース債務」社会福祉法人会計

リース債務

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厚生労働省の勘定科目の説明  1年以内返済予定リース債務

1年以内返済予定リース債務
リース債務のうち、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に支払の期限が到来するものをいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

勘定科目説明の解説 1年以内科目

リース取引

リース取引については、
有形リース資産
無形リース資産
の回でも、お伝えしていますね。

リース取引の会計処理

原則的な方法と簡便な方法

社会福祉法人会計では、リース取引については、原則的な方法と簡便な方法(重要性が乏しい場合)での会計処理があります。

区分原則的な方法簡便な方法①(※)
会計処理固定資産の取得の会計処理に準じる賃貸借処理
用いる勘定科目・有形リース資産・無形リース
・減価償却費
・支払利息
・リース債務(1年以内含む)
賃借料や
リース料(費用)
1年以内返済予定リース債務
会計の方法を利用できる場合全てのリース取引
(経理規程上、固定資産に計上する10万円以上の契約)
少額のリース取引
(リース契約1件あたり
リース料総額300万円以下)


または

リース期間が1年以内
※下の簡便な処理②と混同しないように、簡便な方法①と書いています。

原則的な方法を採用した場合の会計処理

原則的な方法を採用した場合の会計処理についても、原則的な会計処理と簡便な会計処理があります。

区 分原則的な会計処理簡便な会計処理②(参考)賃貸借処理
リース債務の計上金額リース料総額-利息相当額リース料総額
例 (パソコンリース 5年)
リース料総額 120
うち利息相当額 20
有形リース資産100/リース債務100有形リース資産120/リース債務120
リース料支払い時(年間)
(利息は定額法)
(減価償却は定額法)
リース債務20/普通預金20
支払利息  4/普通預金 4

減価償却費20
リース債務24/普通預金24

減価償却費 24
賃借料24/普通預金24
※簡便な方法①と混同しないように、簡便な処理②と書いています。

リース債務

ポイント

リース契約においては、計算書などから、リース料総額を把握することができます。

上の原則的な方法では、リース債務が計上されます。

リース開始時点の債務の金額は、リース料総額から利息相当額を控除した金額(重要性が乏しい場合には、リース料総額)になります。

リース料の支払い毎に、リース債務が減っていくことになります。

リース債務に計上する取引は、リース料の支払期間が、数年(60か月など)に渡るものが大半になります。

そこで、リース債務のうち、1年以内返済予定の金額を流動負債に振替ることになります。

区分科目説   明
流動負債1年以内返済予定リース債務リース債務のうち、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に支払の期限が到来するものをいう。
固定負債リース債務リース料総額から利息相当額を控除した金額で、貸借対照表日の翌日から起算して支払の期限が1年を超えて到来するものをいう。

その上で、長期運営資金借入金に分類された借入金のうち、決算日以後1年以内に返済する金額を

長期運営資金借入金から1年以内返済予定長期運営資金借入金に振り替えます。

例 
会計処理の前

固定負債リース債務150円
(うち1年以内 15)

会計処理の後

流動負債1年以内返済予定リース債務15円
固定負債リース債務135円

上記のような形で、振替える金額は、リースの支払予定表などで確認していきましょう。

支払資金との関係

「1年以内〇〇」の科目は、流動資産・負債に計上されますが、支払資金に含まれません。

支払資金に含まれないということは、固定資産・負債から、1年以内〇〇として、流動資産・負債への振り替える会計処理は、資金収支計算書に反映されません。詳しくは、改めて。

1年以内、1年を超えるを分類する時の基準となる日は、決算日の翌日(4月1日)になります。

簡単な説明です

マツオカ

1年以内返済予定リース債務
固定資産をリースで取得している場合の、リース料の未支払い額のうち、1年以内の支払金額。
リース取引には、利息相当額が含まれているため、未支払額についても、利息相当額を控除する方法と、控除しない簡便な方法があります。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

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マツオカ会計事務所のストーリー

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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