マツオカ会計事務所

勘定科目の解説 事業活動計算書 事務費 手数料 社会福祉法人会計

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厚生労働省の勘定科目の説明 手数料

手数料
役務提供にかかる費用のうち、業務委託費以外のものをいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

勘定科目説明の解説

費用科目の解説について

事業活動計算書の費用科目については、中区分の分類を用いながら小区分の科目を解説していきます。

手数料

今回、解説する勘定科目の体系は下のようになっています。

大区分中区分小区分
事務費手数料

大区分は、「事務費」です。
施設(及び本部)の運営事務に要する費用になります。

平成12年度に制定された(旧)社会福祉法人会計基準の科目説明には

大区分についても説明がありました。

事務費支出
本部及び施設の運営事務に要する人件費以外の費用をいう。

平成12年 社会福祉法人会計基準 事業活動収支計算書勘定科目の説明より

中区分は「手数料」です。

役務の提供、すなわち、何らかのサービスの提供を受けた取引に対して支払う費用です。

銀行の振込手数料や、人材紹介サービスの紹介手数料などがあります。

紹介手数料の有無により、この科目の金額に大きな違いが出てきていますね。

なお、業務委託費に計上する取引は除きます。また、保守のための費用は、保守料に計上します。

業務委託費と手数料、保守料について

勘定科目の内容について

社会福祉法人会計では、業務委託費に近い科目として、「手数料」や「保守料」があります。

それぞれの科目の内容を確認してみましょう。

勘定科目手数料業務委託費保守料
厚生労働省の
勘定科目説明
役務提供にかかる費用のうち、業務委託費以外のものをいう。 洗濯、清掃、夜間警備及び給食(給食材料費を除く)など施設の業務の一部を他に
委託
するための費用(保守料を除く)をいう。必要に応じて検査委託、給食委託、
寝具委託、医事委託、清掃委託など、小区分で更に細分化することができる。
建物、各種機器等の保守・点検料等をいう。
具体例 振込手数料
証明書発行手数料
仲介手数料(賃貸)
紹介手数料
給食業務委託費
清掃業務委託費
警備業務委託費
設備・システム保守料
定期点検料

手数料について

手数料については、厚生労働省の勘定科目の説明文中の「役務提供にかかる費用」の表現にあるように、何らかのサービスの提供を受けることに伴って発生する費用です。

役務とは:公的な仕事。また、他の人のために行う労働

出典:デジタル大辞泉(小学館)より

手数料と業務委託費は、役務の提供を受ける点では同じ性質と言えますが、何が違うかを分かりやすい表現で書いてみましょう。

勘定科目手数料業務委託費
相違点
(イメージ)
サービスをお願いした場合に、
不可避的に発生する費用
自分たちでも
やろうと思えばできる業務を
外部の事業者に依頼する費用
具体例 振込手数料
証明書発行手数料
仲介手数料(賃貸)
紹介手数料
給食業務委託費
清掃業務委託費
警備業務委託費
相違点は、違いを理解するための説明です。必ずしも正確な表現ではありません。

用語の意味について

参考として「業務委託(費)」、「手数料」、「保守(料)」、それぞれの用語の意味を確認してみましょう。

業務委託とは:

1 当事者の一方が、ある一定の仕事を相手方に依頼し、相手方が自己の裁量と責任においてその仕事を行うこと。受託者はその社会的立場に応じて通常期待される程度の注意を払うことが求められる。1 広く世間一般に告げ知らせること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)より

手数料とは:

1 手数をかけたことに対する報酬として支払う金銭。「仲介業者に―を払う」

2 国・地方公共団体などが、特定の者のために行う事務について徴収する料金。

出典:デジタル大辞泉(小学館)より

ほ‐しゅ【保守】 の解説
[名](スル)

保守とは:1 正常な状態を保つこと。     

出典:デジタル大辞泉(小学館)より

簡単な説明です

マツオカ

手数料
外部からサービスの提供を受けた場合の費用です。業務委託費に計上するものは除きます。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

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マツオカ会計事務所のストーリー

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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