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前年度の決算が間違っていた時について(過年度遡及会計基準の適用) 社会福祉法人会計専門 公認会計士・税理士

社会福祉法人会計 過年度遡及会計基準の適用について

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質問の内容

当年度の決算作業中に前年度の決算の金額に誤りが見つかりました。どのようにしたら良いでしょうか。

企業会計の過年度遡及会計基準

過去の財務諸表(計算書類)に誤りがあり、修正する必要が生じた場合にはどのように取り扱うのでしょうか。

企業会計には、「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(過年度遡及会計基準)」という会計基準があります。

誤謬(ごびゅう)とは:[名](スル)まちがえること。まちがい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)より

過年度遡及会計基準を適用した場合には、過去の財務諸表に誤謬があり、修正が必要となる場合には

過去の会計上の誤謬の認識
過去の財務諸表に誤謬を発見する
遡及処理
過去の誤謬について、会計年度を遡って会計処理を訂正

再表示
過去の誤謬を訂正したものを再表示する(過去の計算書類を訂正する)
当年度への反映
過去の誤謬の訂正後の財務諸表(計算書類)を当年度に反映させる

という業務の流れになります。

社会福祉法人会計への過年度遡及会計基準の適用について

社会福祉法人会計でも企業会計と同時に、過年度遡及会計基準を適用して、過去の計算書類の訂正を行う必要はあるのでしょうか。

厚生労働省のQ&A

ここで、厚生労働省のQ&Aの中で、社会福祉法人会計基準への過年度遡及会計基準の適用について、示されています。

問1
社会福祉法人には、 会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(企業会計基準第24号令和 2年3月31日企業会計基準委員会)は適用されるのか。

(答)
社会福祉法人会計基準では、「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準が適用されず過去の計算書類に遡及して訂正する処理等を求めるものではないが 、

すでに適用している法人においては、継続適用を否定することまで求めるものではない。

なお、過去の計算書類において誤謬等が発見された場合には、過去の計算書類の遡及修正は行わず、誤謬等が判明した年度に処理するものとする。

出典:厚生労働省事務連絡「他の法人形態で適用等されている会計処理等についての社会福祉法人会計基準への適用に係るQ&A」より

厚生労働省のQ&Aからのポイント

厚生労働省のQ&Aのポイントをまとめてみましょう。

原則

区  分内 容
過去遡及会計基準の適用社会福祉法人会計では適用しない
過去の誤謬等の修正誤謬が判明した年度で修正する

例外

既に過年度遡及会計基準を適用している社会福祉法人の場合には、継続して適用可能

区  分内 容
過去遡及会計基準の適用既に適用している法人では、継続適用は可能
過去の誤謬等の修正誤謬が発生した年度に遡って修正する

まとめ

これまで、過年度遡及会計基準を適用していない社会福祉法人では

過去の誤謬等を発見した場合には、判明した年度(当年度)で修正処理を行うことになります。

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マツオカ会計事務所のストーリー

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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。



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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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