介護テクノロジーの重点分野について
厚生労働省及び経済産業省から発出された「ロボット技術の介護利用における重点分野の改訂について」を基に、読みやすいように掲載しています。
1.背景及び概要
厚生労働省及び経済産業省では
「ロボット技術の介護利用における重点分野」2012年策定(2014年・2017年改訂)を定め、
介護ロボットやICT等のテクノロジー(以下、「介護テクノロジー」という)を活用した介護サービスの質の向上、職員の負担軽減、高齢者等の自立支援による生活の質の維持・向上に資する取組を推進するため、
介護ロボット等の開発・導入を支援してきた。
昨今のICT・IoT技術を用いたデータ利活用が進む状況や、介護現場における新たな社会課題を踏まえつつ、
革新的な機器の開発促進・普及を目指すため、
「ロボット技術の介護利用における重点分野」の改訂を行うとともに、名称を「介護テクノロジー利用の重点分野」に変更された。
2.重点分野の特定に向けた考え方
(1)重点分野の基本的な考え方
- 介護テクノロジーの活用により、介護サービスの質を確保するとともに、職員の負担軽減に資する生産性向上の取組を推進し、魅力ある職場環境づくりを目指す。
- 介護テクノロジーの活用により、自立支援・社会参加等による高齢者等の本人の生活の質の維持・向上を実現することを目指す。
- ICTやIoT技術、AI予測エンジン、データ利活用サービスといった、デジタル技術の進展動向を踏まえる。
- 入所系サービスなど限られたサービス類型での利活用だけではなく、在宅など様々な環境での利活用が必要であることを踏まえる。
- 技術オリエンテッドではなく、介護現場のニーズが真に反映され、誰もが利用したいと感じられる介護テクノロジーの開発等を推進する。
(2)具体的な選定基準
- 高齢者等の自立支援、介護サービスの質の確保や介護者の負担軽減を実現するものであること。ただし、医療機器としての開発が適当であるものは対象としない。
- 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMEDにおける調査や介護ロボット等の開発・実証・普及広報のプラットフォーム事業等において、介護現場のニーズや関心の高い分野であること。
- 介護テクノロジー活用が合理的な分野であること。
3.介護テクノロジーの重点分野(令和7年4月以降)
重点分野
分野 | 項目 |
---|---|
9分野 | 16項目 |
具体的な重点分野及び項目
項目名のリンクから、項目ごとの定義の説明ページに進みます。
分野名 | 項目名 |
---|---|
移乗支援 | 移乗支援(装着) |
移乗支援(非装着) | |
移動支援 | 移動支援(屋外) |
移動支援(屋内) | |
移動支援(装着) | |
排泄支援 | 排泄支援(排泄物処理) |
排泄支援(動作支援) | |
排泄支援(排泄予測・検知) | |
入浴支援 | 入浴支援 |
見守り・コミュニケーション | 見守り(施設) |
見守り(在宅) | |
コミュニケーション | |
介護業務支援 | 介護業務支援 |
機能訓練支援(※) | 機能訓練支援 |
食事・栄養管理支援(※) | 食事・栄養管理支援 |
認知症生活支援・認知症ケア支援(※) | 認知症生活支援・認知症ケア支援 |
重点分野の全体図
4.運用開始日
令和7年4月(2025年 4 月)から改訂後の重点分野での運用を開始
5.開発と普及の好循環の創出
- 介護テクノロジーの開発と普及の好循環の創出のため、引き続き両省で協力する。
- 介護テクノロジーの開発を支援するため、厚生労働省のリビングラボ事業やニーズ・シーズマッチング支援事業の活用を促進する。今後これらの事業の中で、ICT機器等のUI・デザインの改善を強化し、使いやすい機器の提供につなげていく。
- 介護現場のニーズを真に汲み取って開発シーズと繋げられるよう、介護テクノロジーの開発プロジェクトをけん引するプロジェクトコーディネーターを育成・配置する。
- 安全面に配慮した介護テクノロジーの開発を進める。また、介護現場での実証を促進し、効果を適切に評価することで導入を促進する。
- 介護テクノロジーの活用について、効果実証を着実に進め、その結果を踏まえて介護サービスの質の確保と介護者の負担軽減に資するものについて、次期介護報酬改定の際に介護報酬や人員・設備基準の見直し等の制度上の対応を行う。
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