はじめに
― 社会福祉連携推進法人のガバナンス設計 ―
社会福祉連携推進法人(以下「連携推進法人」)は、
一般法人法上の「理事会設置一般社団法人」に該当します。
そのため、
理事会中心型のガバナンス構造を採用しています。
🟦 「ホームページ利用上のご注意について」
https://office-matsuoka.net/goriyouchui
1.理事と代表理事の役割
(1)理事の役割
理事は、
- 連携推進法人の業務を執行する
- 理事会を構成する
という役割を担います。
つまり、
実務と意思決定の中核です。
(2)代表理事の役割
代表理事は、
理事の中から理事会で選定されます。
そして、
法人を代表し、業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限
を有します。
契約締結、訴訟対応など、
対外的な責任主体となります。
2.員数と選任・解任
(1)理事は6人以上
連携推進法人では、
- 理事6人以上
- 代表理事1人
が必須です。
社会福祉法人の理事の数と同じ考え方と言えます。
(2)選任と解任
- 理事 → 社員総会で選任・解任
- 代表理事 → 理事会で選定・解職
さらに重要なのは、
代表理事の選定・解職には
認定所轄庁の認可が必要な点です。
ここは実務で見落とされやすいポイントです。
3.資格要件
理事には、次の人材を含む必要があります。
- 社会福祉連携推進業務について識見を有する者
- 社会福祉連携推進区域の福祉実情に通じている者
単なる名義理事では足りません。
地域性や専門性をもつ理事が含まれていることが求められています。
4.兼職禁止
同一法人内で、
- 監事
- 社会福祉連携推進評議会の構成員
との兼任は不可です。
連携推進法人内の牽制機能確保のためです。
社会福祉法人の理事と監事・評議員との関係に近いと考えると分かりやすくなります。
5.特殊関係者の制限
理事構成には、
強い利害関係排除ルールがあります。
制限の概要
- 特定理事の特殊関係者が3人を超えないこと
- 理事+特殊関係者が理事総数の3分の1を超えないこと
特殊関係者とは?
例えば、
- 配偶者
- 三親等以内の親族
- 事実婚関係者
- 使用人
- 生計維持関係者
などです。
親族経営的な理事会構成は
制度趣旨に反します。
6.同一法人出身理事の制限
理事のうち、
同一法人出身者は
- 原則:3分の1以下
- 社員が2法人のみの場合:2分の1以下
連携推進法人が
特定法人に支配されないようにするための規制です。
7.任期
理事の任期は、
選任後2年以内に終了する会計年度の最終の定時社員総会終結時まで
再任は可能です。
定款で短縮することもできます。
8.業務執行理事の設置
代表理事以外に、
理事会決議により
業務執行理事を選定することも可能です。
組織規模が大きくなる場合などでは、
業務執行理事を置くことが考えられます。
✍ 実務上の重要ポイント
設立支援で多い誤りは、
- 同一法人出身者が過半数になる
- 特殊関係者規制を見落とす
- 代表理事選任・変更時の所轄庁の認可手続きを漏らす
理事構成は、
認定審査でチェックされる重要事項の1つです。しっかりと確認していきましょう。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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