はじめに
― 収益規模30億円・負債総額60億円基準の意味 ―
社会福祉連携推進法人(以下「連携推進法人」)のうち、
一定規模を超える法人は
会計監査人の設置が義務となります。
ここでは、その基準と実務上の注意点を整理します。
🟦 「ホームページ利用上のご注意について」
https://office-matsuoka.net/goriyouchui
1.設置義務の基準
次のいずれかに該当する場合、
会計監査人を選任しなければなりません。
(1)サービス活動収益が30億円超
最終会計年度の損益計算書において、
「サービス活動収益計(1)」が30億円を超える場合
設置義務が生じます。
規模が大きく、
資金の流れが多い法人が対象です。
(2)負債総額が60億円超
最終会計年度の貸借対照表において、
負債の部合計が60億円を超える場合
設置義務が発生します。
借入や資金調達が多い法人は要注意です。
2.員数
会計監査人は 1人以上。
個人の公認会計士でも、
監査法人でも構いません。
3.選任・解任
選任
社員総会で選任します。
解任
原則は社員総会決議。
ただし、
次の場合には監事全員の同意で解任可能です。
- 職務違反・怠慢
- 不適切な非行
- 心身の故障
監事が会計監査人を牽制する設計です。
4.資格要件
会計監査人は、
公認会計士または監査法人(※)
でなければなりません。
税理士では足りません。
ここは制度上、明確です。
※監査法人は5人以上の公認会計士によって設立される法人です。主に法定監査を行います。
5.兼職禁止
会計監査人は、
- 理事
- 監事
- 職員
- 評議会構成員
との兼任はできません。
完全な外部独立性が求められます。
6.任期
任期は1年。
ただし、
定時社員総会で別段の決議がなければ
自動的に再任されたものとみなされます。
いわゆる「みなし再任」です。
定款変更で廃止した場合
会計監査人を置く旨の定款規定を廃止した場合は、
その効力発生時に任期満了となります。
✍ 実務上の重要ポイント
✔ 30億円・60億円基準の見落とし
✔ 収益区分の誤判定
✔ 設置義務発生後の未対応
✔ 監査契約締結の遅れ
規模拡大時には、
早めの検討が必要です。
監事との違いを再整理
| 項目 | 監事 | 会計監査人 |
|---|---|---|
| 人数 | 2人以上 | 1人以上 |
| 任期 | 2年 | 1年 |
| 資格 | 財務識見者含む | 公認会計士または監査法人 |
| 独立性 | 内部機関 | 外部専門家 |
規模が大きくなるほど、
監査体制は二層構造になります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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