はじめに
― 参画できる法人の範囲と留意事項 ―
社会福祉連携推進法人における「社員」は、
単なる会員ではありません。
社員は、
会費や入会金、業務委託費等(以下「会費等」)を負担し、
法人の運営に参画し、
重要事項の意思決定において議決権を行使する主体です。
つまり、
連携推進法人の“所有者”に近い立場といえます。
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1.社員の役割
社員は、
- 会費等を負担する
- 法人運営に参画する
- 社員総会で議決権を行使する
という3つの役割を担います。
連携推進法人は「連携の場」ですが、
その方向性を決めるのは社員です。
2.社員になれる法人の範囲
法第127条第2号では、
社員に参画できる者の範囲が定められています。
① 社会福祉法人
もっとも中心となる存在です。
② 社会福祉事業を経営する法人
(社会福祉法人を除く)
社会福祉事業を行う法人であれば、
法人格の種類は問いません。
③ 社会福祉を目的とする福祉サービス事業を経営する法人
例えば、
- 介護保険法に基づく居宅サービス事業、居宅介護支援事業など
- 老人福祉法に基づく有料老人ホームを経営する事業
などを経営(運営)する法人が該当します。
④ 福祉人材養成機関を経営する法人
例えば、
- 介護福祉士養成施設
- 社会福祉士養成施設
- 保育士養成施設
- 初任者研修実施機関
など、
福祉人材を養成する法人(※)です。
※社員には、「社会福祉事業等従事者を養成する機関を経営する法人」が参画できることとされています。
3.法人格の種類は問わない
②〜④にいう「法人」については、
法人格の種別は問いません。
株式会社、医療法人、学校法人など、
法人であれば参画可能です(※)。
※法人でない者は社員として参画できません(個人や法人格のない団体)
4.地方公共団体は社員になれない
地方公共団体は、
- 許認可権限
- 補助金交付権限
- 指導監督権限
といった優越的地位にあるため、
議決権を行使する社員になることはできません。
ただし、
実務上の連携(実効上の連携)まで否定されるものではありません。
5.人数と構成のルール
ここが実務上重要です。
① 社員の過半数は社会福祉法人
連携推進法人は、
あくまで社会福祉法人の連携組織です。
そのため、
社員の過半数は社会福祉法人でなければなりません。
② 社員は2法人以上必要
最低2法人が必要です。
ただし、
社会福祉法人以外が入る場合は、
例:
- 社会福祉法人1
- 株式会社1
では足りません。
過半数要件を満たすため、
- 社会福祉法人2
- その他法人1
のように3法人以上必要になります。
過半数とは:全体の半分よりも多い数
出典:デジタル大辞泉(小学館より)
③ 個人は社員になれない
社員は法人に限られます。個人や法人格を持たない団体は社員になることはできません。
そのため、
複数施設を運営する法人の場合も、
施設単位ではなく法人単位での参画となります。
④ 複数の連携推進法人に参画できる
1法人が複数の連携推進法人の社員になることは可能です。
1の法人が複数の連携推進法人の社員となることを妨げるものではないこと。
出典:厚生労働省「社会福祉連携推進法人の認定等について」より
✍ 実務上のポイント
設立相談でよくあるのが、
「株式会社も入れますか?」
「行政は社員になれますか?」
「まず2法人だけで始められますか?」
という質問です。
条文を正確に理解していないと、
設立後に構成要件違反になる可能性があります。
社員構成は、
連携推進法人の根幹です。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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