はじめに
長期未払金は、固定資産の取得等に伴い発生した未払債務のうち、支払期限が1年を超えて到来するものをいいます。
社会福祉法人会計では、負債を一年基準により流動と固定に区分します。
その区分の結果、1年を超える部分が長期未払金として整理されます。
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厚生労働省による勘定科目の説明
長期未払金
固定資産に対する未払債務(リース契約による債務を除く)等で、貸借対照表日の翌日から起算して支払の期限が1年を超えて到来するものをいう。出典
「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
ポイントは次の3点です。
- 固定資産に関する未払債務であること
- リース契約による債務は含まれないこと
- 1年超の支払分であること
一年基準による区分
社会福祉法人会計では、負債の区分に一年基準を採用します。
- 1年以内に支払期限が到来するもの → 流動負債
- 1年を超えて支払期限が到来するもの → 固定負債
そのため、同じ未払債務でも、支払期限により科目が分かれます。
1年以内支払予定長期未払金との関係
長期未払金のうち、決算日から1年以内に支払期限が到来する部分は、
1年以内支払予定長期未払金
として流動負債に振り替えます。
振替のイメージ
決算前
長期未払金 100
(うち1年以内支払予定 10)
決算整理後
流動負債
1年以内支払予定長期未払金 10
固定負債
長期未払金 90
このように、返済スケジュールに基づいて区分します。
発生する場面
長期未払金が発生する代表的な場面は、固定資産の割賦購入です。
固定資産の取得方法には、次のような形があります。
- 自己資金による取得
- 金融機関からの借入
- 割賦払い
- リース契約
このうち、割賦払いによる取得の場合に長期未払金が発生します。
なお、リース契約の場合は「リース債務」で処理するため、長期未払金には含まれません。
借入金との違い
長期未払金と設備資金借入金は似ていますが、性質が異なります。
- 借入金:金融機関等から資金を借り入れる
- 長期未払金:資産購入代金を分割払いする
資金調達の方法が異なるため、科目も区分されます。
実務上の確認ポイント
- 割賦契約書の支払期限を確認する
- 決算日における1年以内部分を正確に区分する
- リース取引と混同しない
- 固定資産台帳との整合を確認する
支払スケジュールの確認が最も重要です。
まとめ
長期未払金は、
- 固定資産取得に伴う未払債務
- 1年超の支払部分を固定負債として表示
- 1年以内部分は流動負債へ振替
- リース債務とは区別する
一年基準の理解が、そのまま正しい区分につながります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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