歯科・介護連携のための『口腔衛生の管理体制の整備にかかる実務について』①「口腔衛生の管理体制に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例」
歯科医院と介護保険施設との連携
「歯科医療機関・歯科医院」と「社会福祉法人・介護保険」施設との連携をより一層進めるための記事になります。
厚生労働省通知「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(令和6年3月15日付」内の
「第六 口腔衛生の管理体制に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について」の内容を、目次(見出し)をつけながら記載していきます。
(読みやすいように改行しています)
ご注意:最新の厚生労働省の通知の内容を必ずしご確認の上、手続きを行ってください。
第六 口腔衛生の管理体制に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
Ⅰ 口腔衛生の管理体制の基本的な考え方
口腔衛生の管理体制とは、介護保険施設及び特定施設においてケアマネジメントの一環として、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士(以下「歯科医師等」という。)及び関連職種の共同により、口腔衛生に係る課題把握・改善を行い、入所居 に適した口腔清掃等を継続的に行うための体制をいう。
歯・口腔の健康の保持・増進を図ることは、自立した質の高い生活を営む上で重要であり、介護保険施設における口腔衛生等の管理は、利用者の口腔の健康状態に応じた効率的・効果的な口腔清掃等が行われるだけでなく、摂食嚥下機能の維持・向上、栄 養状態の改善等にもつながるものであることに留意すること。
Ⅱ 口腔衛生の管理体制の整備にかかる実務について
1 口腔衛生の管理体制に係る計画の立案
歯科医師等は、介護保険施設及び特定施設における口腔清掃等の実態の把握、介護職員からの相談等を踏まえ、当該施設の実情に応じ、口腔衛生の管理に係る技術的助言及び指導を行うこと。
なお、施設の実情を踏まえて、適切に介護職への理解に資すると考えられる場合は、当該助言及び指導について、情報通信機器を用いて実施しても差し支えない。
介護職員は、当該技術的助言及び指導に基づき、別紙様式6-1(介護保険施設)または別紙様式6-2(特定施設)を参考に、以下の事項を記載した口腔衛生管理体制計画を作成すること。
⑴ 助言を行った歯科医師等
⑵ 歯科医師からの助言の要点
⑶ 当該施設における実施目標
⑷ 具体的方策
⑸ 留意事項・特記事項
実施目標においては、助言及び指導を踏まえて、施設の実情に応じて検討されたい。
例えば、口腔清掃の用具の整備、口腔清掃の方法・内容等の見直し、施設職員に対する口腔衛生管理の推進に資する研修会の開催、歯科専門職による入所(居)者の口腔管理等、歯科専門職による食事環境、食形態等の確認又は現在の取組の継続等である。
介護職員は、口腔清掃等を含めた施設における課題や疑問等を、適宜、歯科医師等に相談する。
歯科医師等は、概ね6月毎に、施設における口腔清掃の実態、介護職員からの相談等を踏まえ、当該施設の実情に応じた口腔衛生の管理体制に係る計画に関する技術的助言及び指導を行うこと。
介護職員は、当該技術的助言・指導を踏まえ、口腔衛生管理体制計画の見直しを行い、口腔衛生の管理体制の充実を図ること。
また、必要に応じて、「介護保険施設等における口腔衛生管理の評価と実践」(一般社団法人日本老年歯科医学会)等の関連学会が示す記載等も参考にされたい。
2 入所者の口腔の健康状態の評価
介護保険施設においては、当該施設の従業者又は歯科医師等が入所者の施設入所時及び月に1回程度の口腔の健康状態の評価を実施することとしており、各入所者について、別紙様式6-3を参考に以下の事項等を確認する。
ただし、歯科医師等が訪問歯科診療、訪問歯科衛生指導、または口腔衛生管理加算等により口腔管理を実施している場合は、当該口腔の健康状態の評価に代えることができる。
【口腔の健康状態の評価例】
⑴ 開口の状態
⑵ 歯の汚れの有無
⑶ 舌の汚れの有無
⑷ 歯肉の腫れ、出血の有無
⑸ 左右両方の奥歯のかみ合わせの状態
⑹ むせの有無
⑺ ぶくぶくうがいの状態
⑻ 食物のため込み、残留の有無
ただし、⑺及び⑻については、利用者の状態に応じて確認可能な場合に限って評価を行うこと。
⑴から⑻の項目を参考に歯科医師等による口腔内等の確認の必要性について検討する。
評価の実施にあたっては第七のⅡの1及び「入院(所)中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の確認に関する基本的な考え方」(令和6 年3 月日本歯科医学会)等の関連学会が示す記載等も参考にされたい。
歯科医師等による口腔内等の確認の必要性が高い場合、歯・口腔の疾患が疑われる場合及び介護職員による口腔清掃等が困難な場合等は各利用者の口腔の健康状態に応じた口腔健康管理が行われるよう、歯科受診の必要性も含めて歯科医師等に相談すること。
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