はじめに
― 理事を監督する独立機関 ―
社会連携推進法人(以下「連携推進法人」)には、監事を置かなければなりません。
監事は、
理事の職務執行を監査し、監査報告を作成する者
です。
🟦 「ホームページ利用上のご注意について」
https://office-matsuoka.net/goriyouchui
1.監事の基本的な役割
監事は、
法人の業務を“自ら執行する”立場ではありません。
役割はあくまで、
- 理事の職務執行の監査
- 法令・定款違反の有無の確認
- 計算書類の適正性確認
- 監査報告書の作成
です。
理事会のメンバーではなく、
「監督する側」に立ちます。
2.監査の対象
監事が見るのは、
① 業務監査
- 理事会運営は適法か
- 利益相反手続は適切か
- 代表理事の報告義務は守られているか
② 会計監査
- 計算書類は適正か
- 不正や誤りはないか
連携推進法人も認定法人である以上、
監事の責任は軽くありません。
3 監事に求められる資格要件
監事には
財務管理について識見を有する者
が含まれていることが必要です。
社会福祉法人の監事に求められている資格要件の1つと同じです。
4.理事・職員・連携推進法人評議会構成員との関係
監事は、理事の職務執行を監査します。
そのため、
- 同一法人の理事または職員との兼任不可
- 連携推進評議会構成員との兼任不可
とされています。
牽制機能を確保するためです。
5.特殊関係者の制限
監事には連携推進法人の特殊関係者が含まれていないことが必要です。
特殊関係者とは
- 当該監事の配偶者
- 当該監事の三親等以内の親族
- 当該監事と事実上婚姻関係と同様の事情にある者
- 当該監事の使用人
などです。
6.監査報告書の作成義務
監事は、
一般法人法第99条第1項に基づき
監査報告(監査報告書)を作成します。
監査報告書は単なる形式書類ではありません。
- 計算書類の承認の前提機能
- ガバナンスの証拠資料
- 将来の責任問題の判断材料
になります。
7.実務上よくある誤解
設立相談で多いのは、
- 「監事を形式的に置けばよい」
- 「社員法人の理事長(理事経験者)がそのまま監事でいい」
という考えです。
しかし、
監事は責任ある法定機関です。
監査を行わなければ、
善管注意義務違反を問われる可能性もあります。
8.連携推進法人における監事の意味
社会福祉法人とは異なり、
連携推進法人は「連携組織」としての機能を持つ法人です。
だからこそ、
- 特定法人の影響を受けない
- 利害関係から独立している
監事の存在が重要になります。
✍ 実務で確認すべきポイント
✔ 理事会に出席しているか
✔ 監査報告書は具体的に書かれているか
✔ 利益相反のチェックがされているか
✔ 計算書類と整合しているか
監事の機能不全は、
法人全体の信頼低下につながります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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