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有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会の「とりまとめ」の概要

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質問の内容

有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会のとりまとめが公表されました。内容を分かりやすく教えてください。

有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会から公表された「とりまとめ」の内容をまとめてみました。詳細はとりまとめの資料をご確認ください。



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. 全体の課題と対応の方向性

  • 基本的考え方: 多様なニーズを抱える高齢者が、希望と状態像に応じて住まいと介護サービスを適切に選択できることが重要 。

  • 検討の方向性: 入居する要介護者等の安全性の確保、サービス選択プロセスの透明性向上、ニーズに応じたサービス提供体制の整備に向けた対応を検討 。

1. 現状の主な課題

分類主な課題
サービス選択住まいやサービスの種類が複雑で、情報の非対称性が高い。
高額手数料など、入居者紹介事業の透明性に疑念のある事例がある。
サービスの質緊急時対応や、認知症・医療的ケアを要する要介護者の安全確保に課題がある。
「囲い込み」のリスク: 住宅型有料老人ホームによるケアプラン作成への関与等を通じ、併設事業者等への誘導や過剰サービス提供のおそれがある 。
指導監督・ ニーズ把握届出制のもと、自治体による指導監督に限界がある。
自治体による入居者の介護サービス利用実態の把握が困難である。

. 対応の方向性(項目別)

1. 有料老人ホームの運営及びサービス提供のあり方

  • 安全性及びサービスの質の確保:
    • 中重度の要介護者、医療ケアを要する者、認知症の方などを入居対象とする有料老人ホームについて、登録制などの事前規制導入の必要性を検討 。
    • 高齢者の尊厳の保障、サービスの質の確保の観点から、人員・施設・運営等に関する一定の基準を法令上設ける必要性がある 。
    • 基準には、夜間における緊急時の対応を想定した職員の配置基準、虐待防止措置、事故報告の実施などを盛り込む 。
    • 第三者評価の仕組みを一層活用し、客観性・専門性を有した評価を制度的に位置付ける 。

  • 入居者による適切な選択:
    • 契約締結に際し、事前の重要事項説明入居契約書の事前交付を義務付ける 。
    • 重要事項説明書に、特定施設・「住宅型」の種別、介護保険施設等との相違点、費用、看取りの可否、退去・解約時の精算・返還等を確実に説明する 。
    • 入居希望者や専門職が活用しやすい情報公表システムを構築し、検索・比較機能を充実させる 。
  • 入居者紹介事業の透明性や質の確保:
    • 現行の届出公表制度を前提に、公益社団法人等による優良事業者認定の仕組みの創設が有効である 。
    • 紹介事業者は、利用者に自らの立場を明確に説明し、中立的な立場から正確な情報を提供 。
    • 紹介手数料の算定方法等(月当たり家賃・管理費等の居住費用がベース)を公表することを義務付ける 。

2. 有料老人ホームの指導監督のあり方

  • 参入後の規制:
    • 事業運営の質の維持のため、更新制の設定や、一定の場合に更新を拒否する仕組みが必要 。
    • 行政処分を受けた事業者について、役員等の組織的関与が認められる場合は、一定期間の事業所の開設を制限する仕組みの導入を検討 。
    • 事業廃止や停止等の場合、運営事業者に入居者の転居支援や介護サービスの継続確保に関する責任ある対応を義務づける 。
  • 統一的な基準:
    • 老人福祉法に基づき、都道府県等が効果的な対応を取れるよう、統一的な基準を策定する必要がある 。

3. いわゆる「囲い込み」対策のあり方

  • ケアマネジメントの透明化・独立性:
    • 入居者への自由なサービス選択が確保されるよう、ケアマネ事業所やケアマネジャーの独立性を担保する体制(指針の公表、研修等)を確保 。
    • 入居契約とケアマネジメント契約が独立していること、契約締結プロセスにかかる手順書を明示し、行政が事後チェックできる仕組みが必要 。
    • 契約条件として、関連法人のサービス利用や、ケアマネジャーの変更強要を禁止する措置を設ける 。

  • 経営の独立と透明性:
    • 有料老人ホーム運営事業者が介護サービス等と同一・関連事業者である場合は、住まい事業と介護サービス等事業の会計を分離独立して公表し、内訳や収支を確認できる必要がある 。

  • 自治体による実態把握:
    • 「外付け」の介護サービスが利用されている「住宅型」有料老人ホームに係る情報を、自治体が介護保険事業(支援)計画策定に当たり把握できる仕組みが必要 。

  • 特定施設への移行促進:
    • 入居者が必要とする介護サービスが特定施設と変わらない場合等には、特定施設(介護付き)への移行を促す必要がある 。
    • 人員などの体制確保が困難な場合は、外部サービス利用型特定施設への移行も想定した基準や報酬体系の整備を検討 。


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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
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元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

社会福祉法人会計・監査、企業主導型保育事業の専門的財務監査を専門にする公認会計士・税理士 松岡洋史の顔写真。元地方公務員(京都市・上級事務職)として行政事務経験を11年有する

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  2. 事業活動計算書(第3版) 73ページ 1925円
  3. 貸借対照表 (第3版) 81ページ 1980円
  4. 経営組織(理事・監事や理事会・評議員会について) 57ページ 1760円
  5. 随意契約 45ページ 1650円
  6. 注記と附属明細書 109ページ 1980円
  7. 社会福祉法人会計簿記の特徴 52ページ 1870円
  8. 社会福祉法人会計基準の逐条解説 83ページ 1980円
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