金額の表示の単位を簡単に分かりやすく 社会福祉法人会計専門 公認会計士・税理士
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社会福祉法人会計の金額の表示の単位について、簡単に分かりやすく教えてください。 |
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社会福祉法人の会計で「金額の表示単位」は1円単位が原則
社会福祉法人の会計では、計算書類や財産目録に記載する金額は「一円単位」で表示することが義務づけられています。これは、社会福祉法人会計基準 第2条の3に定められています。
社会福祉法人会計基準
(金額の表示の単位)
社会福祉法人会計基準
第二条の三 計算関係書類及び財産目録に記載する金額は、一円単位をもって表示するものとする。
つまり「端数は切り捨てでOK」や「千円単位でまとめて見やすく」などの処理は、原則としてできません。
会社の会計では「千円」「百万円」単位も選べる
一方、株式会社など会社法の適用を受ける法人では、会社計算規則 第57条により、1円・千円・百万円のいずれかの単位で表示できるとされています。
会社計算規則
第五十七条 計算関係書類に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。
会社計算規則
このように、「どの単位で表示できるか」は法人の種類によって違うという点に注意が必要です。
社会福祉法人で「1円単位」が求められる理由
社会福祉法人は、事業収入の原資として税金や補助金などの公的資金で運営されることが多いため、会計の透明性と正確性が特に求められます。
金額を1円単位で正確に表示することには以下のようなメリットがあります:
- 関係者にとっての透明性が高まる
- 誤差やズレに早く気づける
- 計算書類としての信頼性が上がる
Excelや会計ソフトでの注意点
表計算ソフトなどを使って資料を作る際、千円単位で表示される設定になっていると、印刷時にそのまま提出してしまうミスが起こりがちです。
計算書類だけでなく、特に補助金や完了報告書などでも、以下の点を確認しておきましょう:
- 表示設定が「1円単位」になっているか
- 四捨五入・切り捨てが入っていないか
- 帳簿との突合が正確にできているか
まとめ:1円単位は小さくて大事な「信頼の土台」
金額の「表示単位」は小さなルールに見えて、財務の正確性や社会的信頼性に直結する大切な原則です。社会福祉法人の経理担当者はもちろん、経営陣の皆さまも、ぜひこの基本をおさえておいてください。
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著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。
