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福祉の職場での人材不足と精神的負担の解消に向けて「人間の周波数と共鳴の科学」

「波長が合う」という表現は、もともと物理学の**共鳴(レゾナンス)**という現象から来ており、人間関係においては「共感し合い、調和がとれている状態」を意味します。

福祉の職場が抱えている課題

福祉の職場が抱えている課題として、良く挙げられるのが「人手不足と職員の身体的・精神的負担」です。

そのため、処遇改善を始めとした様々な取組みやICTの導入が進められています。

ただし、これらの取組みは、コスト、法人の金銭的な負担も大きくなり、悩ましいところがあります。

そこで、大きくコストをかけずに、「職員の身体的・精神的負担」を軽減できる方法として、「共鳴する組織」を考えてきましょう。

今回は、周波数と共鳴を科学の視点から確認していきます。


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🔬 人間の周波数と共鳴の科学

1. 人間の持つ周波数の科学的根拠

人間が生み出す「周波数」は、主に生体電気信号細胞の振動として科学的に観測されます。最も研究が進んでいるのが、意識状態を反映する脳波と、自律神経のバランスを示す**心拍変動(HRV)**です。

  • 脳波(Hz): 脳の神経細胞の活動によって発生する電気信号で、その周波数帯域によってデルタ波(深い睡眠)、シータ波(瞑想、記憶)、アルファ波(リラックス)、ベータ波(集中、覚醒)、ガンマ波(ひらめき)などに分類され、精神状態と密接に関連しています。
  • 心拍変動(HRV): 心臓の拍動間隔のわずかな変動を解析することで、交感神経(緊張、活動)と副交感神経(リラックス)のバランスが周波数成分として捉えられます。

このように、私たちの身体は電気的・物理的な活動を通じて、常に特定の周波数パターンを発しており、この活動の**調和(ハーモニー)**が、身体的な心地よさの基礎となります。

人の周波数の2つのグラフの図

2. 人と人との共鳴現象のメカニズム

人と人が「共鳴し合う」現象は、物理的な共鳴(レゾナンス)の原理を、心理的・社会的な相互作用に当てはめたものであり、情動伝染と脳波の同期という具体的なメカニズムで発生します。

  • 情動伝染(Emotional Contagion): ある人の感情や気分が、無意識的に他者に伝わり、似たような感情を引き起こす現象です。
    1. 模倣(Mimicry): 相手の表情、声のトーン、姿勢などの非言語的な手がかりを無意識に真似る。
    2. フィードバック(Feedback): 模倣によって変化した自分の表情や身体の状態が、感覚フィードバックとして脳に送られる。
    3. 情動体験(Experience): 脳がその状態に対応する感情を呼び起こし、結果として二人の感情が同期します。これは、ミラーニューロン・システムが相手の意図や感情を追体験する際の重要な基盤となります。
  • 脳波の同期(Inter-Brain Synchrony): 親密な会話や深い交流において、複数の人々の脳波パターン(特にアルファ波やシータ波)が時間的に一致する現象です。これは、お互いの認知プロセスや注意が協調的になり、情報処理がスムーズになっていることの客観的な指標です。
脳波の違いを解説する図 α(アルファ)波、β(ベータ)波、θ(シータ)波、δ(デルタ)波、γ(ガンマ)波の5つ脳波の図

3. 共鳴がもたらす心地よさの理由

共鳴している状態が心地よいと感じられるのは、脳と自律神経系が効率的かつ調和的に機能していること、そして社会的な報酬が得られるためです。

  • 認知的負荷の軽減: 脳波同期により、相手の意図や感情を推測するエネルギーが少なくて済むため、コミュニケーションが最小限の努力でスムーズに成立し、この効率の良さが心地よさにつながります。
  • 生理的な調和: 感情の同期は、心拍数や呼吸パターンの同期も引き起こし、自律神経系が安定した状態を反映します。これにより、ストレスホルモンの低下リラックス効果が得られます。
  • 社会的報酬(オキシトシン): 共鳴的な交流によってオキシトシン(愛着ホルモン)が分泌されます。これは信頼や絆の形成に関わるホルモンであり、幸福感や満足感といった生物学的な快感として体験されます。
  • 自己肯定感の強化: 相手から「理解されている」「受け入れられている」と感じることで、人間の基本的な欲求である所属意識が満たされ、精神的な安定感が生まれます。

4. 意図的な情動伝染の応用と本質性

情動伝染のメカニズムを利用して、意図的にポジティブな感情や落ち着きを相手に伝えることは可能です。これは、自己の感情をコントロールし、非言語的なサインを調整することで行われます。

  • 方法: 意図的な笑顔オープンな姿勢落ち着いた声のトーン呼吸のコントロールを通じて、相手の模倣とフィードバックのサイクルを促します。
  • 本質的な働きかけとの違い:
    • うわべだけの操作: 自分の利益のために感情を演技として利用し、短期的な成果を狙うもの。誠実さが伴わず、長期的な不信感につながります。
    • 本質的な働きかけ: 相手への真の共感と尊重に基づき、自己の感情や信念を誠実に表現するもの。相互理解や信頼関係の構築を目的とし、持続的な協力関係を生み出します。

最終的に、舞台や映画の観衆が体験する共鳴も、この情動伝染と脳波の同期が集団内で増幅されたものであり、作品への没入と一体感が、強い感動と心地よさをもたらしているのです。

次回は、共鳴する職場について記載していきます。

記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

社会福祉法人会計・監査、企業主導型保育事業の専門的財務監査を専門にする公認会計士・税理士 松岡洋史の顔写真。元地方公務員(京都市・上級事務職)として行政事務経験を11年有する

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