日数の記事について
①と②の2回に分けて記載しています。
NO. | 記事のタイトル |
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① | 決算理事会から定時評議員会までの日数① 何日、間隔を開けるべきか |
② | 決算理事会から定時評議員会までの日数② 厚生労働省の考え方の確認 |
今回は、2週間の間隔を開けることについて説明していきます。
決算後の役員会スケジュール
決算期は、決算の会計作業のスケジュールとともに、
監事監査や、(決算)理事会、定時評議員会(決算評議員会)の日程スケジュールの確認をしていく必要があります。
多くの方々との日程調整が必要なるものが、理事会と評議員会の開催日ですね。
(決算)理事会から定時評議員会の開催までは、「2週間」開けて予定することをお勧めしています。
この「2週間」は、どこに規定されているのでしょうか。
2週間が必要となる根拠
評議員会の招集の期限
社会福祉法では、評議員会の招集については、1週間前と規定されています。
評議員会の1週間前(定款による短縮が可能)までに、各評議員に対して書面で発出する。(社会福祉法第 45条の 9⑩で準用する一般法人法第 181 条、第 182 条①、省令第 2 条の12) |
(評議員会の運営)
出典 社会福祉法より
第四十五条の九 定時評議員会は、毎会計年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
(省略)
10 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百八十一条から第百八十三条まで及び第百九十二条の規定は評議員会の招集について、同法第百九十四条の規定は評議員会の決議について、同法第百九十五条の規定は評議員会への報告について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百八十一条第一項第三号及び第百九十四条第三項第二号中「法務省令」とあるのは、「厚生労働省令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(評議員会の招集の通知)
出典 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。
2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
計算書類の備置きの期限
また、決算においては、
法人は、定時評議員会の日の2週間前の日から5年間、計算書類をその主たる事務所に備え置かなければならない。(同法第45条の32)
となっています。
(計算書類等の備置き及び閲覧等)
出典 社会福祉法より
第四十五条の三十二 社会福祉法人は、計算書類等(各会計年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに監査報告(第四十五条の二十八第二項の規定の適用がある場合にあつては、会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時評議員会の日の二週間前の日(第四十五条の九第十項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百九十四条第一項の場合にあつては、同項の提案があつた日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
評議員会の招集期限と計算書類の備置きの期限の関係
社会福祉法の2つの定めから、理事会から定時評議員会の日までの間隔をどのように考えるべきでしょう。
NO. | 区 分 | 期 限 |
---|---|---|
① | 評議員会の招集 | 評議員会の日の1週間前(または定款で定める日) |
② | 計算書類の備置き | 定時評議員会の2週間前 |
社会福祉法では、備置きを行う計算書類については、理事会の承認を受けたものである旨の規定は、なさそうなのですが、
社会福祉法人制度改革のQ&Aの中で、以下のように示されています。
社会福祉法人制度改革Q&Aの内容
経営組織 評議員会 問145 (Q)評議員会の招集を決定する理事会と、その後開催する評議員会の開催日は、何日の間隔を置くことになるのか。 【8/22付けブロック別担当者会議FAQ問6同旨】 (A)1.定時評議員会においては、計算書類等の備置き及び閲覧に係る規定(改正法第45条の32第1項)との関連から、2週間の間隔を空ける必要があるが、それ以外の評議員会については1週間の間隔を置くことになる。 (経営組織Q&A 問29-3) |
厚生労働省の見解では、法人に備置く計算書類は、理事会の承認を受けたものと考えることができます。
時系列で確認してみましょう。
- (決算)理事会の開催
- 評議員会に提出する計算書類の承認、評議員会の招集についての決議
- 計算書類の備置き
- 定時評議員会の日の2週間前 理事会の承認を受けた計算書類の備置き
- 評議員会の招集通知
- 定時評議員会の日の1週間前までに
招集通知を発出
- 定時評議員会の開催
- 計算書類の承認
計算書類の備置きは2週間前となることから、(決算)理事会と定時評議員会との間は、2週間の間隔が必要となることが考えられます。
「決算理事会から定時評議員会までの日数②」の記事で厚生労働省の考え方を追加しています。
次回はこのテーマです。
- 決算理事会から定時評議員会までの日数②
- 法人運営・指導監査の準備の記事の一覧はこちら
マツオカ会計事務所のストーリー
よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。