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評議員の招集通知について(招集通知の発出や省略) 指導監査の準備 社会福祉法人会計・法人運営

社会福祉法人の理事会の招集通知

社会福祉法人の運営上の意思決定として、理事会を開催する機会が多くなります。
今回は、理事会の招集通知が適切に発せされているかを確認してみましょう。

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評議員会の招集通知の発出

社会福祉法の規定

社会福祉法では、評議員会の招集通知について、下のように定めています。

社会福祉法の要点

No.要  点
(1)評議員会の招集について、理事会の決議が必要になる
(2)評議員会の1週間前までに、招集通知を各評議員に発出しなければならない
(3)(2)について、定款で期間を定めている場合には、定款で定める期間にしたがう
(4)書面での招集通知の発出に代えて、電磁的方法を用いて通知することができる(例外規定)
(5)評議員全員の同意がある場合には、招集通知を省略することができる(例外規定)
ページの下部に条文を掲載しています。

以下、項目ごとに確認していきましょう。

理事会の開催 (1)

評議員会を開催する際には、予め理事会を開催して、評議員会の招集について、理事会を開催して、決議を取っておく必要があります。

理事会で決議する内容

No.項    目
評議員会の開催日時及び開催場所
評議員会の議題(評議員会の目的である事項がある場合の当該事項)
評議員会の議案
(⓶評議員会の目的である事項に係る議案(当該目的である事項が議案となるものを除く。)の概要)
(議案が確定していない場合はその旨)

招集通知を発する場合 (2)及び(3)

記録・保存しておく書類等

招集通知を発出する場合に、記録・保存しておいた方が望ましい書類等は下のようになります。

No.要  点
招集通知(控え)
発出日の記録(期日までに発出していることが記録されているもの)
全ての評議員宛てに招集通知を発出していることが記録されているもの(発出漏れがないことの記録)

電磁的方法による通知(4)

評議員会の招集通知を、書面での発出に代えて、電磁的方法で行うことも可能となっています。

電磁的方法により通知を行うには、全ての評議員の承諾を得る必要があります。

承諾を得た記録

電磁的方法を用いた場合に、全ての評議員から承諾を得た記録を残しておくことが大切です。

招集通知を省略する場合 (5)

招集通知の発出を省略する場合には、全ての評議員の同意が必要になります。

記録・保存しておく書類等

No.要  点
全ての評議員の同意書
評議員会議事録に、全ての評議員の同意があった旨の記載(望ましい対応)

※①の同意書を受け取らず、⓶の議事録への記載のみで対応することも考えられますが、
評議員会に欠席者がいた場合など全員の同意があったことを証明する上では、同意書を受け取ることが望ましいでしょう。全ての評議員から同意を得たことを客観的に確認できるようにしておくことが大切です。

理事会の開催について(注意)

評議員会の招集通知の省略する場合でも、上記(1)の理事会の開催が省略できる訳ではありません。

理事会を開催し、評議員会の招集ついての決議が必要になることに注意しておきましょう。

指導監査ガイドライン:1 理事会は法令及び定款の定めに従って開催されているか。

○ なお、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく評議員会を開催することができることとされており(法第45 条の9第10 項により準用される一般法人法第183 条)、この場合には招集の通知を省略できるが、評議員会の日時等に関する理事会の決議は省略できないことに留意するとともに、評議員全員の同意があったことが客観的に確認できる書類の保存が必要である。

出典:厚生労働省:指導監査ガイドライン「着眼点、指摘基準、確認書類」より

参考条文

評議員会の招集通知については、社会福祉法では「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」を準用する形で定められています。

社会福祉法

社会福祉法

(評議員会の運営)
第四十五条の九 定時評議員会は、毎会計年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。


2~9 省略

10 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百八十一条から第百八十三条まで及び第百九十二条の規定は評議員会の招集について、同法第百九十四条の規定は評議員会の決議について、同法第百九十五条の規定は評議員会への報告について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百八十一条第一項第三号及び第百九十四条第三項第二号中「法務省令」とあるのは、「厚生労働省令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

出典:社会福祉法

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

(評議員会の招集の決定)
第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 一 評議員会の日時及び場所
 二 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項
 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項


2 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。

(評議員会の招集の通知)
第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。
2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。


(招集手続の省略)
第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。

出典:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

指導監査の準備

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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。



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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計


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