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歯科医療機関・介護連携

歯科・介護連携のための『口腔衛生の管理体制の整備にかかる実務について』②「口腔連携強化加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例」

歯科医院と介護保険施設との連携

「歯科医療機関・歯科医院」と「社会福祉法人・介護保険」施設との連携をより一層進めるための記事になります。

厚生労働省通知「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(令和6年3月15日付」内の

第七 口腔連携強化加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について」の内容を、

目次(見出し)をつけながら記載していきます。(読みやすいように改行しています)

ご注意:最新の厚生労働省の通知の内容を必ずしご確認の上、手続きを行ってください。

第七 口腔連携強化加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について

Ⅰ 口腔連携強化加算に関する基本的な考え方

口腔連携強化加算は、介護事業所が口腔の健康状態の評価の方法や在宅歯科医療等について歯科医療機関に相談できる体制を構築するとともに、口腔の健康状態の評価の実施並びに歯科医療機関及びに介護支援専門員への情報提供することを評価したものである。

これにより、利用者毎の口腔の健康状態の把握並びに歯科専門職の確認を要する状態の利用者の把握を通じて、歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげることが目的である。

Ⅱ 口腔連携強化加算にかかる実務について

1 口腔の健康状態の評価の実施

介護職員等は、
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式6、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式11、「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式6及び「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式8等を用いて口腔の健康状態の評価を行い、評価した情報を歯科医療機関及び当該利用者を担当する介護支援専門員に対し、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式6、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式11、「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式6及び「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式8等により提供する。

評価にあたっては、「入院(所)中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態 の確認に関する基本的な考え方」(令和6年3月日本歯科医学会)等の関連学会が示す口腔の評価及び管理に係る記載等も参考にされたい。

なお、必要に応じて口腔健康管理に係る研修等も活用し、適切な口腔の健康状態の評価の実施に務めること。

介護職員については、事業所の医療従事者に相談する等の対応も検討すること。

また、継続的な口腔の健康状態の評価を実施することにより、利用者の口腔の健康状態の向上に努めること。

項目 評価 評価基準 評価の必要性
1.開口1.  できる
2.  できない
・上下の前歯の間に指 2 本分(縦)入る程度まで口があかない場合(開口量3c m以下)には「2」に
つける。
開口が不十分及び開口拒否等は口の中の観察も困難にするとともに、口腔清掃不良となる要因である。また、開口が不十分においては要因の精査等が必要となる場合がある。
2.歯の汚れ1.  なし
2.  あり
・歯の表面や歯と歯の間に白や黄色の汚れ等がある場合には
「2」につける。
歯が汚れている状態は、汚れに含まれる細菌等も含めて付着している状態である。虫歯や歯周病の原因となるだけでなく、汚れを飲み込み肺に到達すると誤嚥性肺炎の原
因にもなる。
3.舌の汚れ1.  なし
2.  あり
・舌の表面に白や黄色、茶、黒色の汚れなどがある場合には
「2」につける。
舌が汚れている状態は、汚れに含まれる細菌等も含めて付着している状態である。歯の汚れと同じく、汚れを飲み込み肺に到達
すると誤嚥性肺炎の原因にもなる。
4. 歯肉の腫 れ、出血1.  なし
2.  あり
・歯肉が腫れている場合(反対側の同じ部分の歯肉との比較や周囲との比較)や歯磨きや口腔ケアの際に出血する場合は
「2」につける。
歯肉の腫れ、出血は歯周病の可能性があり、歯周病は放置すると歯を失う可能性がある。また、糖尿病等の全身疾患との関連性も報告されている。
5.左右両方の奥歯でしっかりかみしめられる1.  できる
2.  できない
・本人にしっかりかみしめられないとの認識がある場合または義歯をいれても奥歯がない部分がある場合は「2」につけ
る。
奥歯が無い場合に、食物をかみ砕く能力が低下し、食事形態等に関連があるだけでなく、窒息事故との関連も報告されている。転倒リスクとの関連性も報告されており、義歯の利用等も含めて検討が必要である。
6.むせ1.  なし
2.  あり
・平時や食事時にむせがある場合や明らかな「むせ」はなくても、食後の痰がらみ、声の変化、息が荒くなるなどがある場合
は「2」につける。
摂食嚥下障害の可能性があり、食事形態等に関連があるだけでなく、入院等との関連も報告されている。唾液や食物などを誤嚥している可能性があり、摂食嚥下機能の精査や訓練等が必要な場合もある。
7.ぶくぶくうがい※11.  できる
2.  できない
・歯磨き後のうがいの際に口に水をためておけない場合や頬を膨らませない場合や膨らました頬を左右に動かせない場合
は「2」につける。
口の周りの筋肉等の動きと関連しており、食事形態等に関連があるだけでなく、入院等との関連も報告されている。口腔機能の低下の可能性があるとともに、口腔衛生管理とも関連している。
8.食物のため込み、残留※
1.  なし
2.  あり
・食事の際に口の中に食物を飲み込まずためてしまう場合や飲み込んだ後に口を開けると食物が一部残っている場合は
「2」につける。
摂食嚥下障害等に関連しており、摂食嚥下機能の精査や訓練等が必要な場合もある。
9.その他自由記載・歯や粘膜に痛みがある、口の中の乾燥、口臭、義歯の汚れ、義歯がすぐに外れる、口の中に薬が残っている等の気になる点があれば記載する。その他、歯科疾患との関連がある事項や利用者の訴え等も含めて検討する。
歯科医師等による口腔内等の確認の必要性1.  低い
2.  高い
・項目 1-8 について「あり」または「できない」が1つでもある場合は、歯科医師等による口腔内等の確認の必要性「高い」とする。・その他の項目等も参考に歯科医師等による口腔内等の確認の必要性が高いと考えられる場合は、「高い」とする。 

2 情報を提供された歯科医療機関における対応

情報を提供された歯科医療機関については、介護事業所から情報を提供された場合は、必要に応じて相談に応じるとともに、歯科診療等の必要な歯科医療提供についても検討する。

特に、歯科医師等による口腔内等の確認の必要性が「高い」場合は、情報提供した介護事業所及び当該利用者を担当する介護支援専門員等に利用者の状況を確認し、歯科診療の必要性等について検討する。

歯科医師等による口腔内等の確認の必要性が「低い」場合は、基本情報も含めて確認し、不明点等がある場合や、追加で必要な情報がある場合は、情報提供した介護事業所及び当該利用者を担当する介護支援専門員等に問い合わせる等の必要な対応を実施する。

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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。



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