社会福祉連携推進法人会計基準の運用上の留意事項
会計基準と関係通知の一覧表
厚生労働省令 社会福祉連携推進法人会計基準と関係通知をご参考に記載しています。
(①~③の各ページへは、名称または略称のところのリンクから進んでください)
区分 | 名称 | HP上の略称 |
---|---|---|
① | 社会福祉連携推進法人会計基準 令和三年厚生労働省令第百七十七号 | 連携推進法人会計基準 |
② | 社会福祉連携推進法人会計基準の運用上の取扱いについて (社援発1112第2号 令和3年11月12日付け厚生労働省通知) | 連携推進法人 運用上の取り扱い |
③ | 社会福祉連携推進法人会計基準の運用上の留意事項について (社援発1112第1号 令和3年11月12日付け厚生労働省通知) | 連携推進法人 運用上の留意事項 |
社会福祉連携推進法人会計基準の運用上の留意事項
1 管理組織の確立
(1)法人における予算の執行及び資金等の管理に関しては、あらかじめ運営管理責任者を定める等法人の管理運営に十分配慮した体制を確保すること。
また、内部牽制に配意した業務分担、自己点検を行う等、適正な会計事務処理に努めること。
(2)会計責任者については代表理事が任命することとし、会計責任者は取引の遂行、資産の管理及び帳簿その他の証憑書類の保存等会計処理に関する事務を行い、又は代表理事の任命する出納職員にこれらの事務を行わせるものとする。
(3)法人は、上記事項を考慮し、社会福祉連携推進法人会計基準省令(以下「会計基準省令」という。)に基づく適正な会計処理のために必要な事項について経理規程を定めるものとする。
2 予算と経理
(1)法人は、事業計画をもとに収入支出予算を編成し、資金収支予算書を作成するものとする。また、資金収支予算書の勘定科目は、資金収支明細書の勘定科目に準拠することとする。
(2)法人は、全ての収入及び支出について予算を編成し、予算に基づいて事業活動を行うこととする。
なお、年度途中で予算との乖離等が見込まれる場合は、必要な収入及び支出について補正予算を編成するものとする。ただし、乖離額等が法人の運営に支障がなく、軽微な範囲にとどまる場合は、この限りではない。
(3)会計帳簿は、仕訳日記帳及び総勘定元帳を作成し、備え置くものとする。
3 決算
決算に際しては、毎会計年度終了後3か月以内に、計算書類(貸借対照表、損益計算書(損益計算書内訳表含む。以下同じ。))及びその附属明細書並びに財産目録を作成し、理事会、社員総会の承認を受け、認定所轄庁に提出しなければならない。
4 寄附金の扱い
(1)金銭の寄附は、損益計算書の経常経費寄附金収益又は設備整備等寄附金収益として計上し、併せて資金収支明細書の経常経費寄附金収入又は設備整備等寄附金収入として計上するものとする。
(2)寄附物品については、取得時の時価により、経常経費に対する寄附物品であれば経常 経費寄附金収益及び経常経費寄附金収入として計上する。土地などの支払資金の増減に影響しない寄附物品については、損益計算書の固定資産受贈額として計上するものとし、資金収支明細書には計上しないものとする。ただし、当該物品が飲食物等で即日消費されるもの又は社会通念上受取寄附金として扱うことが不適当なものはこの限りではない。
なお、寄附金及び寄附物品を収受した場合においては、寄附者から寄附申込書を受けることとする。
5 棚卸資産の会計処理等について
棚卸資産については、原則として、資金収支明細書上は購入時等に支出として処理するが、損益計算書上は当該棚卸資産を費消等した時に費用として処理するものとする。
6 減価償却について
(1)減価償却の対象と単位
減価償却は耐用年数が1年以上、かつ、原則として1個若しくは1組の金額が 10 万円以上の有形固定資産及び無形固定資産を対象とする。減価償却計算の単位は、原則として資産ごととする。
(2)残存価額
ア 有形固定資産
有形固定資産について償却計算を実施するための残存価額はゼロとし、償却累計額が当該資産の取得価額から備忘価額(1円)を控除した金額に達するまで償却するものとする。
イ 無形固定資産
無形固定資産については、当初より残存価額をゼロとして減価償却を行うものとする。
(3)耐用年数
耐用年数は、原則として「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和 40 年大蔵省令第 15 号)によるものとする。
(4)償却率等
減価償却の計算は、原則として「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の定めによるものとする。
(5)減価償却計算期間の単位
減価償却費の計算は、原則として1年を単位として行うものとする。ただし、年度の中途で取得又は売却・廃棄した減価償却資産については、月を単位(月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じた時はこれを1か月とする)として計算を行うものとする。
(6)減価償却費の配分の基準
複数の業務に共通して発生する減価償却費については、利用の程度に応じた面積、人数等の合理的基準に基づいて毎期継続的に各業務に配分する。
7 基本財産の取扱いについて
定款において基本財産の規定を置いている場合であっても、貸借対照表及び財産目録には、基本財産としての表示区分は設ける必要はないが、当該基本財産の前会計年度末残高、当該 会計年度の増加額、当該会計年度の減少額及び当該会計年度末残高について、貸借対照表の科目別に会計基準省令第 20 条第 1 項第 14 号の事項として注記する。
8 引当金について
(1)貸倒引当金について
ア 貸倒引当金の計上は、原則として、毎会計年度末において回収することが不可能な債権を個別に判断し、当該債権を貸倒引当金に計上する。社会福祉連携推進業務貸付金に係る貸倒引当金については、社会福祉連携推進業務貸付金(借入金)明細書の摘要欄にその内容及び金額を記載する。
イ ア以外の債権については、過去の回収不能額の発生割合に応じた金額を貸倒引当金として計上する。
(2)賞与引当金について
賞与引当金の計上は、法人と職員との雇用関係に基づき、毎月の給料の他に賞与を支給する場合において、翌期に支給する職員の賞与のうち、支給対象期間が当期に帰属する支給見込額を賞与引当金として計上する。
(3)退職給付引当金について
11 を参照のこと。
9 積立金と積立資産について
(1)積立資産の積立て
社会福祉連携推進法人会計基準の運用上の取扱い(以下「運用上の取扱い」という。)第 12 において積立金を計上する際は同額の積立資産を積み立てることとしているが、資金管理上の理由等から積立資産の積立てが必要とされる場合には、積立金を積み立てずに積立資産を計上できるものとする。
(2)積立資産の積立ての時期
積立金と積立資産の積立ては、増減差額の発生した年度の計算書類に反映させるものであるが、専用の預金口座で管理する場合は、遅くとも決算理事会終了後2か月を越えないうちに行うものとする。
10 リース会計について
(1)リース会計処理について
企業会計においてはリース取引の会計処理はリース会計基準に従って行われる。社会福祉連携推進法人においてもリース取引の会計処理はこれに準じて行うこととなる。土地、建物等の不動産のリース取引(契約上、賃貸借となっているものも含む。)についても、ファイナンス・リース取引に該当するか、オペレーティング・リース取引に該当するかを判定する。ただし、土地については、所有権の移転条項又は割安購入選択権の条項がある場合等を除き、オペレーティング・リース取引に該当するものと推定することとなる。
なお、リース契約1件当たりのリース料総額(維持管理費用相当額又は通常の保守等の役務提供相当額のリース料総額に占める割合が重要な場合には、その合理的見積額を除くことができる。)が 300 万円以下のリース取引等少額のリース資産や、リース期間が1年以内のリース取引についてはオペレーティング・リース取引の会計処理に準じて資産計上又は運用上の取扱い第5に記載されている注記を省略することができる等の簡便的な取扱いができるものとする。
(2)利息相当額の各期への配分について
リース資産総額に重要性が乏しいと認められる場合は、次のいずれかの方法を適用することができる。
ア 運用上の取扱い第5の定めによらず、リース料総額から利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法によることができる。この場合、リース資産及びリース債務は、リース料総額で計上され、支払利息は計上されず、減価償却費のみが計上される。
イ 運用上の取扱い第5の定めによらず、利息相当額の総額をリース期間中の各期に配分する方法として、定額法を採用することができる。
なお、リース資産総額に重要性が乏しいと認められる場合とは、未経過リース料の期末残高(運用上の取扱い第1で通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととしたものや、運用上の取扱い第5に従い利息相当額を利息法により各期に配分しているリース資産に係るものを除く。)が、当該期末残高、有形固定資産及び無形固定資産の期末残高の法人全体の合計額に占める割合が10%未満である場合とす る。
11 退職給付について
退職給付会計の適用に当たり、退職給付の対象となる職員数が 300 人未満の社会福祉連携推進法人のほか、職員数が 300 人以上であっても、年齢や勤務期間に偏りがあるなどにより数理計算結果に一定の高い水準の信頼性が得られない社会福祉連携推進法人や原則的な方法により算定した場合の額と期末要支給額との差異に重要性が乏しいと考えられる社会福祉連携推進法人においては、退職一時金に係る債務について期末要支給額により算定することができるものとする。
12 資産価値の下落について
会計基準省令第6 条第3項に規定する会計年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産とは、時価が帳簿価額から概ね 50%を超えて下落している場合をいうものとする。
13 計算関係書類の勘定科目及び計算書類に対する注記について
(1)計算関係書類の勘定科目
勘定科目は別添に定めるとおりとする。
貸借対照表は、勘定科目の中区分までを記載し、必要のない中区分の勘定科目は省略できるものとするが、追加・修正はできないものとする。損益計算書(損益計算書内訳表除く。)は、勘定科目の大区分のみを記載し、損益計算書内訳表は勘定科目の中区分までを記載する。必要のない勘定科目は省略することができるものとするが、追加・修正はできないものとする。
また、資金収支明細書は、勘定科目の中区分までを記載し、必要のない勘定科目は省略できるものとするが、追加・修正はできないものとする。
(2)計算書類に対する注記
計算書類に対する注記は、該当する内容がない項目についても、会計基準省令第 20条第1項第1号、第3号、第 5 号、第 6 号を除いては、項目名の記載は省略できない。この場合は当該項目に「該当なし」などと記載するものとする。
14 関連当事者との取引について
運用上の取扱い第17における関連当事者との取引の内容について計算書類に注記を付す場合の関連当事者の範囲及び重要性の基準は、以下のとおりである。
(1)関連当事者の範囲
ア 当該社会福祉連携推進法人の常勤の役員として報酬を受けている者及びそれらの近親者(3親等内の親族及びこの者と特別の関係にある者。なお、「親族及びこの者と特別の関係にあるもの」とは例えば以下を指すこととする。)
(ア) 当該役員とまだ婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻と同様の事情にある者
(イ) 当該役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者
(ウ) (ア)又は(イ)の親族で、これらの者と生計を一にしている者
イ 当該社会福祉連携推進法人の常勤の役員として報酬を受けている者及びそれらの近親者が議決権の過半数を有している法人
ウ 支配法人(当該社会福祉連携推進法人の財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している他の法人、以下同じ。)
次の場合には当該他の法人は、支配法人に該当するものとする。
・ 他の法人の役員である者が当該社会福祉連携推進法人の意思決定機関の構成員の過半数を占めていること。
エ 被支配法人(当該社会福祉連携推進法人が財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している他の法人、以下同じ。)
次の場合には当該他の法人は、被支配法人に該当するものとする。
・当該社会福祉連携推進法人の役員若しくは職員である者が他の法人の意思決定機関の構成員の過半数を占めていること。
オ 当該社会福祉連携推進法人と同一の支配法人を持つ法人
当該社会福祉連携推進法人と同一の支配法人を持つ法人とは、支配法人が当該社会福祉連携推進法人以外に支配している法人とする。
(2)関連当事者との取引に係る開示対象範囲
ア 上記(1)ア及びイに掲げる者との取引については、貸借対照表項目及び損益計算書項目いずれに係る取引についても、年間 1,000 万円を超える取引については全て開示対象とするものとする。
イ 支配法人、被支配法人又は同一の支配法人を持つ法人との取引
(ア) 貸借対照表項目に係る関連当事者との取引
貸借対照表項目に属する科目の残高については、その金額が資産の合計額の 100 分の 1 を超える取引について開示する。
(イ) 損益計算書項目に係る関連当事者との取引
サービス活動収益又はサービス活動外収益の各項目に係る関連当事者との取引については、各項目に属する科目ごとに、サービス活動収益とサービス活動外収益の合計額の 100 分の 10 を超える取引を開示する。
サービス活動費用又はサービス活動外費用の各項目に係る関連当事者との取引については、各項目に属する科目ごとに、サービス活動費用とサービス活動外費用の合計額の 100 分の 10 を超える取引を開示する。
特別収益又は特別費用の各項目に係る関連当事者との取引については、各項目に属する科目ごとに 1,000 万円を超える収益又は費用の額について、その取引総額を開示し、取引総額と損益が相違する場合は損益を併せて開示する。ただし、各項目に属する科目の取引に係る損益の合計額が税引前当期活動増減差額の 100分の 10 以下となる場合には、開示を要しないものとする。
15 固定資産管理台帳について
有形固定資産及び無形固定資産は、個々の資産の管理を行うため、固定資産管理台帳を作成するものとする。
計算書類の勘定科目説明ページ一覧
(ご注意)社会福祉連携推進法人の勘定科目の説明になります。
計算書類 | 区分① | 区分② | 区分③ |
---|---|---|---|
貸借対照表 | 資産 | 負債 | 純資産 |
損益計算書 | 収益 | 費用 | |
資金収支明細書(※) | 収入 | 支出 |
計算書類の様式
社会福祉連携推進法人会計基準の計算書類の様式を参考に記載しています(e-gov 法令検索)
区分 | 貸借対照表 | 損益計算書 | 資金収支明細書 |
---|---|---|---|
法人単位 | 第一号様式 | 第二号第一様式 | 別紙2③ |
内訳書 | - | 第二号第二様式 |
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