マツオカ会計事務所

専門的財務監査のポイント⑧ 「3 収入(1)助成金(整備費・運営費等)収入<助成金の他事業への流用の有無の確認>」について ~企業主導型保育事業~

ダメだよ

企業主導型保育事業の専門的財務監査

令和3年度から、企業主導型保育事業に対して専門的財務監査が行われます。
専門的財務監査は、監査法人(公認会計士等)によって行われることになります。

児童育成協会が公表している専門的財務監査の評価基準のポイントを確認していきましょう。

今回は、3 収入(1)助成金(整備費・運営費等)収入<助成金の他事業への流用の有無の確認>について

専門的財務監査の評価基準の内容とポイント
3 収入(1)助成金(整備費・運営費等)収入
<助成金の他事業への流用の有無の確認>

専門的財務監査の評価基準の内容の横に、ポイントとなるところを記載していきます。

区分監査事項評価事項社会福祉法人のポイント
当該保育施設に交付された助成金が、法人本部や法人本部が営む他の保育施設の運営等に一時的に貸し出されたり、流用されていないか、
受入専用口座の入出金の内容について質問や証拠の閲覧を通じて確かめる。
助成金が法人本部や他事業に流用等されている。○他の事業や他の拠点区分への貸付や繰入などを行っていないか。
○同一拠点区分内の企業主導型保育事業以外のサービスの費用に使用していないか

<助成金の他事業への流用>

企業主導型保育事業で交付を受ける助成金は、助成金の交付の目的に反して使用することは認められていません。

助成金を企業主導型保育事業以外の他の用途に使用することはできないということですね。

企業主導型保育事業の助成金を、本部経費はもちろん、他の事業の費用の財源とすることはできません。

企業主導型保育事業の拠点の計算書類に

内部取引として

・事業区分間貸付金
・事業区分間繰入金費用

・拠点区分間貸付金
・拠点区分間繰入金費用

などの科目が計上されている場合には

助成金が財源になっていないか
確認をしておく必要があります。

また、
一時的に、助成金を他の事業などに貸し付けることも認められていません。

助成金を受け入れた口座から、保育事業以外の口座へお金が移動していることがないか、不透明な資金の移動がないか、
通帳の取引の記録を確認し、説明ができるようにしておきましょう。

法人内の他の拠点区分への資金移動の注意点

  • 経費の支払いなど合理的な理由に基づくものか。
  • 不透明な資金の移動はないか
  • 他の事業や拠点への繰入や貸付を目的とした資金の移動はないか

企業主導型保育事業拠点内の注意点

  • 助成金を同じ拠点内の企業主導型保育事業以外のサービスの経費等の支払いに充てていないか。


助成金専用口座の取扱い

助成金の受入にあたっては、助成金受入専用口座を設けることが求められています。

  • 助成金の受入専用口座を設けているか。
  • 助成金の受入専用口座には、助成金以外の入金が行われていないか。
  • 助成金以外の収入(保護者からの利用料等)は、助成金専用口座とは別の口座で受入ることが望ましいでしょう。

助成金の取扱いについての規程

社会福祉法人のモデル経理規程には、助成金の取扱いの条文は規定されていません。

  • 経理規程細則(助成金取扱規程)
  • 企業主導型保育事業 助成金取扱要領

などを規定しておくことが望ましいでしょう。

社会福祉法人では、企業主導型保育事業の助成金以外にも様々な補助金や助成金の交付を受けていることから、

マツオカ会計事務所では、「企業主導型保育事業 助成金取扱要領」のひな型を作成しています。

企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和4年度~令和5年度

下のリンクから指摘事項のページに進みます。

専門的財務監査専門的労務監査立入調査午睡時抜き打ち調査
4年度4年度4年度4年度
5年度速報値5年度速報値5年度速報値5年度速報値

企業主導型保育事業

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専門的財務監査の解説記事の一覧はこちら


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マツオカ会計事務所のストーリー

よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。



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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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