1年以内返済予定役員等長期借入金|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方
はじめに
社会福祉法人では、
一時的な資金不足や資金調整のために、
金融機関ではなく 役員等から資金を借り入れる ことがあります。
役員等からの借入金のうち、
もともと 長期借入金として計上されているもの について、
決算日後1年以内に返済期限が到来する部分 を区分して表示するための勘定科目が、
1年以内返済予定役員等長期借入金 です。
🟦 「ホームページ利用上のご注意について」
https://office-matsuoka.net/goriyouchui
-2-1024x417.jpg)
-1024x417.jpg)
厚生労働省による勘定科目の説明
1年以内返済予定役員等長期借入金
役員等長期借入金のうち、
貸借対照表日の翌日から起算して
1年以内に支払の期限が到来するものをいう。出典
「社会福祉法人会計基準の制定に伴う
会計処理等に関する運用上の留意事項について」
本勘定科目は、
借入金の性質や借入先を示すものではなく、
返済期限による表示区分を明確にするための科目 です。
勘定科目としての位置づけ
1年以内返済予定役員等長期借入金は、
流動負債 に区分して表示されます。
もともと固定負債として計上されている
役員等長期借入金のうち、
返済期限が近づいた部分を切り分けて表示するものです。
役員等長期借入金との関係
役員等からの借入金は、
返済期限に応じて次のように区分されます。
- 決算日後1年以内に返済期限が到来する部分
→ 流動負債
→ 1年以内返済予定役員等長期借入金 - 返済期限が1年を超える部分
→ 固定負債
→ 役員等長期借入金
決算時には、
返済計画や契約内容を基に、
1年以内に返済予定となっている金額を確認し、
固定負債から流動負債へ振り替えます。
会計処理の考え方
この振替処理は、
貸借対照表上の表示区分を変更するための処理 です。
新たな借入や、
実際の返済を伴うものではありません。
そのため、
決算整理仕訳として処理されます。
資金収支計算書との関係
1年以内返済予定役員等長期借入金への振替は、
資金の流入や流出を伴わないため、
資金収支計算書には反映されません。
これは、
本勘定科目が
返済期限に応じた表示区分を明確にすることを目的としているためです。
他の「1年以内返済予定」科目との共通点
本勘定科目は、
- 1年以内返済予定設備資金借入金
- 1年以内返済予定長期運営資金借入金
- 1年以内返済予定リース債務
などと同様に、
決算日後1年以内に履行される債務部分を区分表示するための科目
という共通の考え方に基づいています。
まとめ
1年以内返済予定役員等長期借入金は、
- 役員等長期借入金のうち、返済期限が1年以内の部分であること
- 流動負債として区分して表示すること
- 固定負債からの振替によって計上されること
- 資金収支計算書には影響しないこと
これらを整理して理解しておくことで、
役員等からの借入金に係る
負債の表示区分や決算書の構成を、
制度に沿って正確に把握しやすくなります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

ホームページの各記事や事務所サービスのご案内
よく読まれている人気の記事(カテゴリー別)
- 社会福祉法人・企業主導型保育事業の質問と回答はこちら
- 社会福祉法人の役員(理事・監事)と評議員に関する手続き・監査指摘事項への対応はこちら
- 社会福祉法人会計で用いる勘定科目を科目ごとに分かりやすく解説はこちら
- 企業主導型保育事業の専門的財務監査の評価基準の解説はこちら
- 有料動画で学ぶ福祉の会計や経営はこちら
マツオカ会計事務所作成の書籍・動画・規程
20年間の社会福祉法人・福祉事業者の支援と、11年間の地方公務員の行政事務で培ったノウハウを 書籍・動画・規程 として公開しています。
ご自身で学び、法人内で活かせるコンテンツをご用意していますので、ぜひご覧ください。
▶ マツオカ会計事務所が提供する書籍・動画・規程まとめページを見る
出版中の書籍

よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。





