企業主導型保育事業の専門的財務監査
令和3年度から、企業主導型保育事業に対して専門的財務監査が行われています。
専門的財務監査は、監査法人(公認会計士等)によって行われることになります。
児童育成協会が公表している専門的財務監査の評価基準のポイントを確認していきましょう。
今回は、4 支出(2)運営費 ①人件費関連経費 2)人件費テストになります。
専門的財務監査の評価基準の内容とポイント
4 支出(2)運営費
①人件費関連経費
2)人件費テスト
専門的財務監査の評価基準の内容の横に、ポイントとなるところを記載していきます。
| 区分 | 監査事項 | 評価事項 | 社会福祉法人のポイント |
|---|---|---|---|
| ア | 前期決算月の3月及びその他期中のサンプル月を 前年度及び進行年度で選び 人件費項目について実在性テストを行い、 | ・テスト対象人件費について、 給与賃金台帳や出勤簿等その実在性を確認するエビデンスが存在しない。 | ○労働者名簿、雇用契約書、タイムカード、給与台帳等が作成されているか。 ○関連する書類、帳簿間の整合性が取れているか。 ○従事する職員が実在しているかサンプル(複数名)を抽出してテストが行われます。 ○雇用契約書や労働者名簿、タイムカードを基に正しく給与計算が行われて支給がされているか。 |
| (アの続き) 補助金対象外人件費等が含まれていないか検証する。 | ・補助金対象外人件費が含まれている。 | ○配置が求められている職員以外の人件費が、企業主導型保育事業(拠点、サービス)から支出されていないか。 |
企業主導型保育園(保育所)の人件費テスト
人件費については、
支出した職員さんが正しく在籍し、
実際の勤怠の記録を基に給与計算が行われているかを確認する必要があります。
在籍する職員さんの中から、(ランダム的に)サンプルとして複数人を抽出した上で、
正しく給与計算が行われているかを根拠資料間の整合性を照合しながら確認が行われます。
また、職員配置で求められている
・施設長
・保育従事者
・調理従事者
・嘱託医その他の人員
以外の職員の人件費が、企業主導型保育事業の拠点区分またはサービス区分から支出がされていないかどうかについても、確認が行われます。
企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和4年度~令和6年度
下のリンクから指摘事項のページに進みます。
企業主導型保育事業に関する4コマ漫画
「まんがの部屋」コーナーでは、内容ごとに4コマ漫画で説明しています。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。
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