勘定科目の解説 事業活動計算書 人件費 職員賞与 社会福祉法人会計
「ホームページ利用上のご注意について」をお読み頂き、これらの条件にご同意の上ご利用ください。 |
説明の内容
管理職になり、初めて社会福祉法人の会計に接することになったお客様へ、 「自分は会計の初心者だ」と思っておられる方々へ、 社会福祉法人会計で用いる勘定科目のイメージを持ってもらうための簡単な説明になります。始めたきっかけはこちら |
厚生労働省の勘定科目の説明 職員賞与
職員賞与
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
職員に対する確定済賞与のうち、当該会計期間に係る部分の金額をいう。
科目の簡単な説明をしてみましょう

職員賞与
(常勤)職員さんの賞与です。当年度内に支払が確定している賞与分になります。
賞与引当金繰入とは科目を分けるので、会計期間と賞与の算定期間の違いに注意しましょう。
勘定科目説明の解説
費用科目の解説について
事業活動計算書の費用科目については、中区分の分類を用いながら小区分の科目を解説していきます。
職員賞与
今回、解説する勘定科目の体系は下のようになっています。
大区分 | 中区分 | 小区分 |
人件費 | 職員賞与 | - |

大区分は、「人件費」です。
ヒトが資本の社会福祉法人にとって、費用科目の中心になってくる科目ですね。

中区分は「職員賞与」です。一般的な表現では、ボーナスですね。
法人の職員のうち常勤職員に支給する賞与になります。
※非常勤職員の賞与の勘定科目は、「非常勤職員給与」に含めます。
(科目説明)非常勤職員給与
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
非常勤職員に支払う俸給・諸手当及び賞与をいう。
常勤職員と非常勤職員の区分
常勤職員と非常勤職員
常勤者(職員) | 施設・事業所が定めた勤務時間のすべてを勤務している者 |
非常勤者(職員) | 常勤者以外の従事者 (他の施設、事業所にも勤務するなど収入及び時間的拘束の伴う仕事を持っている者、短時間のパートタイマー等) |
厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」用語の解説より作成
職員賞与に計上する要件
厚生労働省の勘定科目説明からは、職員賞与に計上するものには、下の2つの要件が必要になります。
No. | 要 件 |
① | 確定済賞与であること |
② | 当該会計期間に係る部分であること |
確定済賞与
厚生労働省の勘定科目説明に基づき
「職員賞与」に計上するものは、確定済みの賞与になります。
会計的に「確定済み」とは、賞与の支給が確定していること
すなわち、
当年度中に、賞与が既に支給済み、
または、
支給することが確定している(債務が成立している)状況にあることになります。
当会計期間に係る部分
次に
「職員賞与」に計上するのは、確定済みの賞与のうち、当該会計期間(当年度)に係る部分になります。
賞与については、一般的には、法人の給与規程などに賞与の算定期間(計算期間)が設けられて、
算定期間に基づき、支給日に賞与が指定されます。
例えば、下のようなイメージです。
NO. | 区 分 | 算 定 期 間 | 在籍の基準日 (支給日在籍要件) | 支 給 日 |
① | 夏の賞与 | 12月1日~5月31日 | 6月1日 | 6月10日 |
② | 冬の賞与 | 6月1日~11月30日 | 12月1日 | 12月10日 |
社会福祉法人の会計期間は、社会福祉法によって、4月1日~3月31日と定められています。
会計の原則等
社会福祉法
第四十五条の二十三 社会福祉法人は、厚生労働省令で定める基準に従い、会計処理を行わなければならない。
2 社会福祉法人の会計年度は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。
社会福祉法人の会計期間と、賞与の算定期間は必ずしも一致していないことが多いため注意が必要になります。
職員賞与に計上する期間の計算例
社会福祉法人の会計期間と賞与の算定期間が一致していない場合に、職員賞与に計上する期間の計算例を図にしてみました。

簡単な説明をもう一度

職員賞与
(常勤)職員さんの賞与です。当年度内に支払が確定している賞与分になります。
賞与引当金繰入とは科目を分けるので、会計期間と賞与の算定期間の違いに注意しましょう。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
本のご案内の記事一覧
常務理事、施設長、事務部長や事務長など社会福祉法人の幹部職員・管理職の方々が受講下さっている「1から学べる社会福祉法人会計 勉強会」の内容を書き起こしたものです。 ページの上部にパワーポイントの資料を、下部にお話した内容を書き起こしています。 勉強会のコンセプトは「やさしく、ふかく、おもしろく」専門的な表現より、日常的な言葉で分かりやすく。 |
本の内容をブログ記事でご紹介しています
Amazonのペーパーバックというサービスを利用しています。
ご注文されてから、あなたのために製本されてお手許に届きます。
Amazonのページはこちら(試し読み機能あり)
勘定科目の解説の一覧
勘定科目の解説の記事の一覧はこちら
よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。
勉強会のご案内

- サクサクと会計を説明したい時に
1から学べる社会福祉法人会計 勉強会 - 「書籍版(絵本のタイプ)」
1から学べる社会福祉法人会計 計算書類3部作 - 「動画版」
1から学べる社会福祉法人会計 勉強会
この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士 スマート介護士
マツオカ会計事務所 代表
平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
約20年間、社会福祉法人と一緒になり、法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。
