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勘定科目の解説 マツオカ事務所オリジナル

勘定科目の解説 事業活動計算書 人件費 賞与引当金繰入 社会福祉法人会計

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説明の内容

管理職になり、初めて社会福祉法人の会計に接することになったお客様へ、
「自分は会計の初心者だ」と思っておられる方々へ、
社会福祉法人会計で用いる勘定科目のイメージを持ってもらうための簡単な説明になります。始めたきっかけはこちら

厚生労働省の勘定科目の説明 賞与引当金繰入

賞与引当金繰入
職員に対する翌会計期間に確定する賞与の当該会計期間に係る部分の見積額をいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

科目の簡単な説明をしてみましょう

マツオカ
マツオカ

賞与引当金繰入
職員さんへ次年度に支給する賞与に対する当年度分の引当額を繰り入れるものです。
次年度に支給する賞与に、算定期間が当年度の部分(月数)が含まれている場合には、支給予定額のうち当年度の金額分を見積もって引当金として繰り入れます。

勘定科目説明の解説

費用科目の解説について

事業活動計算書の費用科目については、中区分の分類を用いながら小区分の科目を解説していきます。

賞与引当金繰入

今回、解説する勘定科目の体系は下のようになっています。

大区分中区分小区分
人件費賞与引当金繰入
職員

大区分は、「人件費」です。
ヒトが資本の社会福祉法人にとって、費用科目の中心になってくる科目ですね。

職員賞与

中区分は「賞与引当金繰入」です。

翌年度に支給する賞与の中で、算定期間に当年度分の月数が含まれる場合に、見積もります。

夏の賞与について見積もることが多いでしょう。

賞与の算定期間が「12/1~5/31」などとされており、

算定期間が、会計年度(決算日3/31)をまたがる場合が多いためです。

賞与引当金繰入に計上する要件

厚生労働省の勘定科目説明からは、賞与引当金繰入に計上するものには、下の3つに該当するものになります。

No. 要  件
 翌会計期間に確定する賞与であること
 当該会計期間に係る部分であること
 見積額であること(合理的に見積もることができること)

翌会計期間に確定する賞与

厚生労働省の勘定科目説明に基づき

「賞与引当金繰入」に計上するものは、翌会計期間(次年度)に確定する賞与になります。

会計的に「確定」とは、賞与の支給が確定していること

すなわち、

次年度中に、支給することが確定する(債務が成立する)予定の賞与であるということなります。

当年度に確定している場合

当年度中に支給が確定して、支給日が翌年度になる場合には、「賞与引当金繰入」ではなく、「職員賞与」に計上することになります。

例えば、3月31日に賞与の支給明細書を職員さんに交付して、4月3日に支給(振込)がされる場合などです。

NO. 賞与の確定時期と支給時期事業活動計算書の科目貸借対照表の科目
 当年度に賞与の支給が確定し、次年度に振込を行う職員賞与
非常勤職員給与
事業未払金など
 次年度に支給が確定し、次年度に振込を行う賞与引当金繰入賞与引当金

当会計期間に係る部分

「賞与引当金繰入」に計上するのは、次年度に確定する予定の賞与のうち、当該会計期間(当年度)に係る部分になります。

賞与については、一般的には、法人の給与規程などに賞与の算定期間(計算期間)が設けられて、

算定期間に基づき、支給日に賞与が指定されます。

例えば、下のようなイメージです。

NO.区 分算 定 期 間在籍の基準日
(支給日在籍要件)
支 給 日
夏の賞与12月1日~5月31日6月1日6月10日
冬の賞与6月1日~11月30日12月1日12月10日

社会福祉法人の会計期間は、社会福祉法によって、4月1日~3月31日と定められています。

会計の原則等
第四十五条の二十三 社会福祉法人は、厚生労働省令で定める基準に従い、会計処理を行わなければならない。
 社会福祉法人の会計年度は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

社会福祉法

夏の賞与の算定期間

上の例にのように、多くの社会福祉法人では、夏の賞与の算定期間が会計年度をまたぐことがあり、賞与引当金繰入を計上することになります。

上記の夏の賞与を会計年度で分けた場合
夏の賞与の算定期間左のうち
当年度(当会計期間)に係る部分
左のうち
次年度(翌会計期間)に係る部分
12月1日~5月31日 12月1日~3月31日4月1日~5月31日

合理的に見積もることができること(引当金の計上要件)

賞与引当金繰入は、貸借対照表の負債の部に、賞与引当金を計上することに繫がります。

社会福祉法人会計上の引当金の計上要件は、下のようになります。

NO. 引当金の計上要件
 将来の特定の費用または損失で、当年度以前の事象に起因している
 発生の可能性が高い
 金額を合理的に見積もることができる

賞与引当金は、これらの要件を満たす場合に、

給与規程で規定している賞与の支給月数や過去の支給実績(過去3年間の平均など)を基に、

翌年度の賞与の支給予定金額のうち、当年度に係る部分を合理的に見積もることができる場合に、計上していきます。

社会福祉法人会計基準及び関係通知の賞与引当金の規定

社会福祉法人会計基準と関係通知通知の賞与引当金の規定は以下のようになっています。

社会福祉法人会計基準

社会福祉法人会計基準では、引当金(賞与引当金ほか)の計上について規定しています。

(負債の評価)
第五条 負債については、次項の場合を除き、会計帳簿に債務額を付さなければならない。
 次に掲げるもののほか、引当金については、会計年度の末日において、将来の費用の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該会計年度の負担に属する金額を費用として繰り入れることにより計上した額を付さなければならない。
一 賞与引当金
二 退職給付引当金
三 役員退職慰労引当金

社会福祉法人会計基準
社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて

「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」では、

引当金を計上する要件が明記されていますね。

18 引当金について(会計基準省令第5条第2項関係)
(1)将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当該会計年度以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合には、当該会計年度の負担に属する金額を当該会計年度の費用として引当金に繰り入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部に計上又は資産の部に控除項目として記載する。
(2)原則として、引当金のうち賞与引当金のように通常1年以内に使用される見込みのものは流動負債に計上し、退職給付引当金のように通常1年を超えて使用される見込みのものは固定負債に計上するものとする。
また、徴収不能引当金は、当該金銭債権から控除するものとする。
(3) 職員に対し賞与を支給することとされている場合、当該会計年度の負担に属する金額を当該会計年度の費用に計上し、負債として認識すべき残高を賞与引当金として計上するものとする。

社会福祉法人会計基準の運用上の取り扱い

社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」では、

賞与引当金の具体的な会計処理の方法が書かれています。

18 引当金について

(2)賞与引当金について
賞与引当金の計上は、法人と職員との雇用関係に基づき、毎月の給料の他に賞与を支給する場合において、翌期に支給する職員の賞与のうち、支給対象期間が当期に帰属する支給見込額を賞与引当金として計上する。

社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

賞与引当金繰入に計上する期間の計算例

社会福祉法人の会計期間と賞与の算定期間が一致していない場合に、賞与引当金繰入に計上する期間の計算例を図にしてみました。

賞与引当金繰入の計算例 会計期間と賞与の算定期間が異なる場合の、次年度に確定する賞与のうち当年度に係る部分を見積もり賞与引当金として繰入るイメージ図

簡単な説明をもう一度

マツオカ
マツオカ

賞与引当金繰入
職員さんへ次年度に支給する賞与に対する当年度分の引当額を繰り入れるものです。
次年度に支給する賞与に、算定期間が当年度の部分(月数)が含まれている場合には、支給予定額のうち当年度の金額分を見積もって引当金として繰り入れます。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

勘定科目の解説の一覧

勘定科目の解説の記事の一覧はこちら

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この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 スマート介護士

マツオカ会計事務所 代表

平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
約20年間、社会福祉法人と一緒になり、法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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