企業主導型保育事業の午睡時抜き打ち調査
令和６年度は、企業主導型保育事業の午睡時抜き打ち調査が６００施設で実施されました。
今回は、こども家庭庁の資料から、令和６年度の午睡時抜き打ち調査の指摘事項を確認していきます。
午睡時抜き打ち調査の実施施設数
実施施設数
| 区 分 | 令和６年度 |
|---|---|
| 実施施設 | 600施設 （601件） |
| うち選定基準による実施施設 | 535施設 （89.2％） |
| うち事故報告や情報提供、通報等の過年度を含めた課題施設 | 65施設 （10.8％） |
選定基準
午睡時の調査対象施設選定基準に基づき、０，１歳児の利用児童数が３人以上の全施設又は、保育士比率が100％未満の全施設を対象とした上で、以下の施設を優先的に対象。
•令和５年度において事故報告や情報提供、通報があった施設
•令和５年度の立入調査において、多くの指摘を受けた施設
午睡時抜き打ち調査での指摘事項
| No. | 指摘事項 | 令和６年度 | 令和５年度 |
|---|---|---|---|
| 1 | ・午睡室の設備等の危険防止・安全対策がとられていない。 | 289 | 306 |
| 2 | ・午睡時の利用児童同士の間隔が十分に確保されていない。 | 100 | 118 |
| 3 | ・うつぶせ寝に近い児童が見られた。 | 92 | 55 |
| 4 | ・掛物（布団、タオルケット等）シーツの配慮が適切に行われていない。 | 83 | 71 |
| 5 | ・午睡室の明るさが十分確保されていない。 | 66 | 72 |
| 6 | ・午睡時に必要な保育従事者数が確保されていない。 | 41 | 83 |
| 7 | ・午睡時において保育室の室内温度、湿度が管理されていない。 | 34 | 74 |
| 8 | ・うつぶせ寝の児童が見られた。 | 30 | 31 |
| 9 | ・午睡時の注意喚起のミニポスターが午睡室に貼られていない。 | 19 | 18 |
| 10 | ・外部からの侵入防止に対する安全対策がとられていない。 | 17 | 22 |
主な改善報告の事例
| No. | 指摘事項 | 改善報告の内容 |
|---|---|---|
| 1 | 午睡時に必要な保育従事者が確保されていない | 配置基準に基づき、適切な配置になるよう休憩の工夫と人員増（新規採用）を行った。 |
| 2 | うつぶせ寝の児童が見られた | 「教育・保育施設等における睡眠中の安全確保の徹底について」を施設内で共有した |
| 2-2 | うつぶせ寝の児童が見られた | うつぶせ寝の癖のある児童に関しては、常に観察し、あおむけ寝にすることを徹底した。 |
| 3 | 外部からの侵入防止に対する安全対策がとられていない | 外部からの侵入防止に対する安全対策について、職員・運営会社・園から業者へ注意喚起を徹底した。 |
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企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和４年度～令和６年度
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著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事（在任中）
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として１１年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成１４年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。
