前受金|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方
はじめに
社会福祉法人では、
物品の売却や役務の提供に先立って、
代金や利用料の一部または全部を
事前に受け取る 場合があります。
前受金 は、
このように
物品の引渡しや役務の提供が完了する前に受領した対価 を整理するための勘定科目です。
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厚生労働省による勘定科目の説明
前受金
物品等の売却代金及び役務提供の対価の一部又は全部の前受額をいう。出典
「社会福祉法人会計基準の制定に伴う
会計処理等に関する運用上の留意事項について」
この定義から、
前受金は
すでに金銭は受領しているものの、
収益としてはまだ確定していない段階の金額
を表す科目であることが分かります。
勘定科目としての位置づけ
前受金は、
流動負債 に区分して表示されます。
これは、
受領した金額が
将来、物品の引渡しや役務の提供によって
収益へ振り替えられるまでの間、
法人にとって 履行義務が残っている状態 にあるためです。
前受金に該当する取引の性質
前受金は、
次のような取引において生じます。
- 物品等の売却代金を引渡し前に受領した場合
- 役務提供の対価を提供前に受領した場合
いずれも、
金銭の受領が先行し、
取引の履行が後となる点が共通しています。
預り金との違い
前受金と混同しやすい科目として
預り金 がありますが、
両者は性質が異なります。
- 前受金
物品の売却や役務提供の対価として
将来、収益に振り替えられる性質の金額 - 預り金
法人の収益や費用には該当せず、
一時的に預かっているだけの金額
前受金は、
履行後に収益となる点で、
預り金とは明確に区別されます。
会計処理の考え方
前受金として受領した金額は、
物品の引渡しや役務の提供が完了した時点で、
適切な収益科目へ振り替え ます。
受領時点では収益を計上せず、
取引の履行に応じて
収益認識を行う点が重要です。
まとめ
前受金は、
- 物品売却や役務提供の対価を事前に受領した金額であること
- 履行前の段階では流動負債として表示されること
- 履行完了後に収益へ振り替えられること
- 預り金とは性質が異なること
これらを整理して理解しておくことで、
収益計上のタイミングと
負債区分を、
社会福祉法人会計の制度に沿って
適切に判断しやすくなります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

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