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勘定科目の簡単な説明

勘定科目の簡単な説明「その他固定資産 徴収不能引当金」社会福祉法人会計 初心者向け

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説明の内容

管理職になり、初めて社会福祉法人の会計に接することになったお客様へ、
「自分は会計の初心者だ」と思っておられる方々へ、
社会福祉法人会計で用いる勘定科目のイメージを持ってもらうための簡単な説明になります。始めたきっかけはこちら

簡単な説明 徴収不能引当金

管理職さんへの簡単な説明はこちら。

マツオカ
マツオカ

(その他固定資産)徴収不能引当金
長期貸付金など、長期に入金される予定のお金は、確実に入金されないリスクがあります。このような場合に備えて、回収できない金額を見積もっておく必要があります。
長期の債権の管理と回収事務の大切さを感じます。

なぜ、ここが大切なのか。

厚生労働省の勘定科目説明

厚生労働省の勘定科目の説明を確認してみましょう。

(その他固定資産)徴収不能引当金
長期貸付金等の固定資産に計上されている債権について回収不能額(返済免除等を含む)を見積もったときの引当金をいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

勘定科目説明の解説

社会福祉法人会計基準や各通知の中で、徴収不能引当金に関する規定を確認してみましょう。
ポイントになるところを赤字にします。

徴収不能引当金に関する規程関係

社会福祉法人会計基準

社会福祉法人会計基準では、第5条の負債の評価のところで、引当金について規定されています。

第5条 略

2 次に掲げるもののほか、引当金については、会計年度の末日において、将来の費用の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該会計年度の負担に属する金額を費用として繰り入れることにより計上した額を付さなければならない。

一 賞与引当金
二 退職給付引当金
三 役員退職慰労引当金

社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて

「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」では、徴収不能引当金が明記されていますね。

18 引当金について(会計基準省令第5条第2項関係)
(1)将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当該会計年度以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合には、当該会計年度の負担に属する金額を当該会計年度の費用として引当金に繰り入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部に計上又は資産の部に控除項目として記載する。
(2)原則として、引当金のうち賞与引当金のように通常1年以内に使用される見込みのものは流動負債に計上し、退職給付引当金のように通常1年を超えて使用される見込みのものは固定負債に計上するものとする。
また、徴収不能引当金は、当該金銭債権から控除するものとする。

社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」では、具体的な会計処理の方法が書かれています。

18 引当金について
(1)徴収不能引当金について
ア  徴収不能引当金の計上は、原則として、毎会計年度末において徴収することが不可能な債権を個別に判断し、当該債権を徴収不能引当金に計上する。
イ  ア以外の債権(以下「一般債権」という。)については、過去の徴収不能額の発生割合に応じた金額を徴収不能引当金として計上する。

勘定科目説明のポイント

説明からのポイントは2つです。

長期貸付金など長期の債権の、回収不能額を
見積もる

  

①長期貸付金などの回収不能額について

徴収不能引当金は、回収ができない債権について、引当という処理を行います。

未収金など、流動資産に属する債権に係るものについては、流動資産の徴収不能引当金のところで説明しています。

固定資産の徴収不能引当金の計上の対象になる債権の代表的なものは、長期貸付金になります。
1年以上先に入金(返済)が行われる貸付金ですね。

長期に渡って返済を受けるため、期日通りの入金が滞ったり、回収不能が生じるリスクがあります。
このようなことが、継続的に起きている場合に、徴収不能引当金を計上していくことになります。

②見積もる

徴収不能引当金は、回収不能になったことが確定した場合に計上するのではなく、回収不能の発生に備えて計上していくものです。

そのため、確定した金額で計上するのではなく、見積もり計算を行います。
回収不能の可能性のある金額を概算額で計上しておくイメージです。合理的に計算を行うといいます。

計算

具体的な会計処理のポイント

会計基準と関係通知には、具体的な会計処理の方法が明記されています。こちらもポイントは2つです。

①債権の金額から控除する

②債権を2種類に分けて会計処理を行う

①債権の金額から控除する

徴収不能引当金は、貸借対照表には、債権の金額から控除する形で表示されます。つまり資産の部にマイナスで計上されることになります。他の引当金が、負債の部に計上されることと異なります。

例えば、こんな感じです。

貸借対照表

令和〇年3月31日現在

資産の部金 額 負債の部金 額 
長期貸付金100万円賞与引当金24万円
徴収不能引当金△5万円退職給付引当金32万円
役員退職慰労引当金15万円
徴収不能引当金以外の引当金を参考に記載しています

②債権を2種類に分けて会計処理を行う

徴収不能引当金は、債権を「個別債権」と「一般債権」に分けて会計処理を行います。

「個別債権」

個別債権は、個別評価金銭債権と呼ばれています。
債権ごとに、個別の事情から判断して、回収(入金)の可能額を算定し、回収できないであろう金額を引当金として計上していきます。

個別の事情とは、法律上の事情(更生経過の認可など)、実質的な事情(債務超過など)、形式的な事情(会社更生の申立て)などに応じて、判断して、見積もっていきます。

一般債権

一般債権は、一括評価金銭債権とも呼ばれます。

一般債権の方は、債権を個々に判断するのではなく、過去(3年間程度)の回収不能実績額と、一般債権金額の合計額との割合(回収不能比率)などを用いて、年度末の一般債権に係る回収不能見積もり額を計算していきます。

マツオカ
マツオカ

重要性の原則
会計基準には、「重要性の原則」というものがあります。

重要性の原則とは、
重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法の適用に際して、本来の厳密な方法によらず、他の簡便な方法によることができること(社会福祉法人会計基準第2条第4項)」を言います。

徴収不能引当金についても、重要性が乏しい場合には、その計上を省略することができます。

管理職さんへの簡単な説明をもう一度

マツオカ
マツオカ

(その他固定資産)徴収不能引当金
長期貸付金など、長期に入金される予定のお金は、確実に入金されないリスクがあります。このような場合に備えて、回収できない金額を見積もっておく必要があります。
長期の債権の管理と回収事務の大切さを感じます。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

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