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役員と役員会・指導監査の準備

定時評議員会での事業報告書の取扱い、評議員会の報告事項か、承認事項か 社会福祉法人会計・法人運営

定時評議員会での事業報告の手続き

定時評議員会(決算評議員会)では、計算書類や財産目録とともに、事業報告が行われます。

定時評議員会では、事業報告(書)は、評議員会の報告事項になるのでしょうか。それとも、承認事項になるのでしょうか。

ポイントは、法人の定款になります。

確認していきましょう。


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指導監査ガイドラインとパブリックコメント

社会福祉法人指導監査実施要綱の指導監査ガイドラインでは、以下のように記されています。

項目(2)評議員会の招集・運営

監査事項 2 決議が適正に行われているか。

着眼点(抜粋)

なお、定時評議員会に提出された事業報告については、定款において承認が必要と定めた場合を除き、承認は不要だが、理事による報告が必要となる(法第 45 条の 30 第3項)。

社会福祉法人指導監査実施要綱(指導監査ガイドライン)より

上記のガイドラインの内容は、令和2年9月の改正通知時に追加されています。

着眼点から見る内容(厚生労働省の考え方)

着眼点を整理するとこの表になります。

法人の定款の「評議員会の権限(決議事項)」の中には、どのように規定されているでしょうか。

定款の「評議員会(権限)」の条文のところです。多くの法人では、第10条〜第12条あたりに規定されています。

NO.定款・評議員会(権限)について内   容
事業報告を含めている「事業報告書」は、評議員会の決議(承認)事項となる
事業報告を含めていない「事業報告書」は、評議員会での(理事長からの)報告事項となる

厚生労働省の見解と結論

指導監査ガイドラインの内容からは、

事業報告書を評議員会の承認事項とするか、報告事項とするかは、法人の定款の規定にしたがうことになります。

平成29年度の社会福祉法人の改正(社会福祉法人制度改革)に合わせて法人の定款を作成(改正)した際、

どのような定款例を参考に法人の定款を作成したかによって、評議員会での事業報告書の取扱い変わる可能性があります。

多くの法人さんが、参考とされた3つの定款例の違いを見ていきましょう。

厚生労働省 モデル定款 ○全国経営協モデル定款 ○法人社協モデル定款
第三章 評議員会

(権限)
第一〇条 評議員会は、次の事項について決議する。
(1) 理事及び監事<並びに会計監査人>の選任又は解任
(2) 理事及び監事の報酬等の額
(3) 理事及び監事並びに評議員に対する報酬等の支給の基準
(4) 計算書類(貸借対照表及び収支計算書)及び財産目録の承認
(5) 定款の変更
(6) 残余財産の処分
(7) 基本財産の処分
(8) 社会福祉充実計画の承認
(9) その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項
第三章 評議員会

(権限)
第一一条 評議員会は、次の事項について決議する。
(1) 理事及び監事の選任又は解任
(2) 理事及び監事の報酬等の額
(3) 理事及び監事並びに評議員に対する報酬等の支給の基準
(4) 計算書類(貸借対照表及び収支計算書)及び財産目録の承認
(5) 定款の変更
(6) 残余財産の処分
(7) 基本財産の処分
(8) 社会福祉充実計画の承認
(9) 事業計画及び収支予算
(10) 臨機の措置(予算外の新たな義務の負担及び権利の放棄)
(11) 公益事業・収益事業に関する重要な事項

(12) 解散
第三章 評議員会

(権限)
第 12 条 評議員会は、次の事項について決議する。
(1) 理事及び監事<並びに会計監査人>の選任又は解任
(2) 理事及び監事の報酬等の額

(3) 理事及び監事並びに評議員に対する報酬等の支給の基準
(4) 予算及び事業計画の承認
(5) 計算書類(貸借対照表及び収支計算書)及び財産目録並びに事業報告の承認
(6) 予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄
(7) 定款の変更
(8) 残余財産の処分
(9) 基本財産の処分
(10) 社会福祉充実計画の承認
(11) 公益事業・収益事業に関する重要な事項
(12) 解散
(13)その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項
※それぞれの定款例から引用しています。

法人社協モデルの定款例では、事業報告は、計算書類や財産目録とともに、評議員会の決議事項として記載されていますね。

法人社協モデルは、「全国社会福祉協議会」さんが作成されています。

社会福祉協議会さんの多くは、法人社協モデルを参考に、定款を作成されているのではないでしょうか。

社会福祉協議会さん以外の社会福祉法人さんも、法人の定款でどのように規定しているかを確認した上で、定款にしたがった手続きを行っていきましょう。

次回はこのテーマです。


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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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