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勘定科目の解説|社会福祉法人会計

退職給付引当資産|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方

はじめに

社会福祉法人では、
職員の退職に備えて、
将来の退職給付に対応する会計処理を行います。

退職給付引当資産 は、
退職給付引当金に対応して、
退職金の支払に充てるために積み立てた
現金預金等を整理するための勘定科目です。

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厚生労働省の勘定科目の説明

退職給付引当資産
退職金の支払に充てるために
退職給付引当金に対応して積み立てた
現金預金等をいう。

出典:「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

この定義のとおり、
退職給付引当資産は、
退職給付引当金と対応関係にある資産 として位置づけられます。


社会福祉法人における退職金制度

社会福祉法人が採用する退職金制度には、
主に次のような形があります。

  • 独立行政法人福祉医療機構が実施する
    社会福祉施設職員等退職手当共済制度
  • 都道府県等が実施する退職共済制度(共済会)
  • 法人独自の退職金制度

どの制度を採用するかは法人ごとに異なり、
制度の内容に応じて、
会計処理の方法も異なります。


退職給付引当資産が計上される制度

退職給付引当資産が計上されるのは、
主に 都道府県等が実施する退職共済制度 に加入している場合です。

この場合、共済会からの通知にしたがって会計処理を行いますが、
退職給付に係る会計処理として
簡便法 を採用すると、
退職給付引当金と同額の
退職給付引当資産を計上することがあります。

※加入する共済会によって会計処理の方法が異なることがあります。必ず、加入する共済会からの通知その他で会計処理の方法を確認してください。


簡便法による会計処理

簡便法では、
次のいずれかの方法を用いることが認められています。

  • 期末退職金要支給額を
    退職給付引当金とし、
    同額の退職給付引当資産を計上する方法
  • 法人が負担する掛金額を
    退職給付引当資産とし、
    同額の退職給付引当金を計上する方法

いずれの場合も、
退職給付引当資産と退職給付引当金は同額 となります。


貸借対照表上の位置づけ

退職給付引当資産は、
固定資産(その他固定資産) に区分され、
退職給付引当金は、
固定負債 に区分されます。

このように、
資産と負債を対応させて計上することで、
退職給付に関する将来負担の状況を
貸借対照表上で把握できるようになります。


管理上の留意点

退職給付引当資産については、

  • 拠点ごとの残高が適切に管理されているか
  • 共済会等から送付される通知書と整合しているか
  • 入退職や法人内異動による影響が反映されているか
  • 加入する共済会が指示する会計処理の方法にしたがい計上しているか

といった点を、
定期的に確認しておくことが重要です。


まとめ

退職給付引当資産は、

  • 退職給付引当金に対応して積み立てた資産であること
  • 主に都道府県等の退職共済制度において計上されること
  • 簡便法では引当金と同額が計上されること
  • 拠点別の管理と残高確認が重要であること

これらを整理して理解しておくことで、
退職給付に関する会計処理や決算説明を、
制度に沿って落ち着いて行いやすくなります。

記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

社会福祉法人会計・監査、企業主導型保育事業の専門的財務監査を専門にする公認会計士・税理士 松岡洋史の顔写真。元地方公務員(京都市・上級事務職)として行政事務経験を11年有する

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