勘定科目の解説「１年以内返済予定設備資金借入金」社会福祉法人会計
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厚生労働省の勘定科目の説明 １年以内返済予定設備資金借入金
１年以内返済予定設備資金借入金
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
設備資金借入金のうち、貸借対照表日の翌日から起算して１年以内に支払の期限が到来するものをいう。
勘定科目説明の解説 １年以内科目
設備資金借入金
設備資金借入金は、施設整備のために行う借入になります。
建設工事など高額な工事や固定資産の取得の際に、支払代金を借入金で賄うことことがありますね。
固定資産の取得のための借入金は、返済期間も長期になる形が一般的です。
個人の住宅ローンの返済期間をイメージすると分かりやすいかもしれません。
流動・固定分類
貸借対照表の資産、負債は、流動資産・負債と固定資産・負債とに区分されています。
流動負債と固定負債を区分する際に基本となる大きな考え方が
一年基準と呼ばれるものです。
区分、分類のやり方の中心となるのは、１年以内か１年を超えるかということになります。
これだけでもある程度、想像できますね。
負債の分類のイメージは、このようになります。
| 区 分 | 流動負債 | 固定負債 |
|---|---|---|
| お金の場合 | １年以内に お金が出ていく | １年より先に お金が出ていく |
| サービスの場合 | １年以内に サービスの提供を行う | １年を超えて サービスの提供を行う |
設備資金借入金と１年以内返済予定設備資金借入金の会計処理
上のように分類された固定負債の中に、
設備資金借入金があります。
設備資金借入金は、施設整備のために１年を超えて返済を行う借入金です。
社会福祉法人の場合、設備資金借入金の借入先としては、まず、福祉医療機構が考えられます。また、福祉医療機構と協調融資の形で、金融機関から借り入れることもありますね。
福祉医療機構を利用せずに、金融機関だけから借り入れることもあるでしょう。
設備資金借入金の返済については、借入先から返済計画表や償還予定表などという名称で、毎月や毎年の返済の予定を記した書類を受け取ることが多いでしょう。
返済計画表を基に、決算日から１年以内に返済を行う金額と１年を超えて返済していく金額を計算して、１年以内設備資金借入金と設備資金借入金それぞれ計上していきます。
例
会計処理の前
| 固定負債 | 設備資金借入金 | 100円 （うち１年以内 10） |
会計処理の後
| 流動負債 | １年以内返済予定設備資金借入金 | 10円 |
| 固定負債 | 設備資金借入金 | 90円 |
１年以内〇〇の科目
これが、「１年以内〇〇」なっている科目に共通する会計処理の方法になります。
契約などに基づいて、返済金額やサービスの金額を、
１年以内の金額と１年を超える金額に分けて、
固定資産・負債に計上している金額から、
１年以内の金額を抽出して、
流動資産・負債の金額として計上していきます。
支払資金との関係
「１年以内〇〇」の科目は、流動資産・負債に計上されますが、支払資金に含まれません。
支払資金に含まれないということは、固定資産・負債から、１年以内〇〇として、流動資産・負債への振り替える会計処理は、資金収支計算書に反映されません。
１年以内の起算日
「１年以内」や「１年を超える」を分類する時の基準となる日は、
決算日の翌日（4月1日）になります。
簡単な説明です
１年以内返済予定設備資金借入金
施設の建設などの大規模な工事や固定資産の購入のために借りたお金を、長い期間で返していくものの中で、決算日から１年以内に返す金額。返済予定表などで確認していきます。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
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マツオカ会計事務所のストーリー
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事（在任中）
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として１１年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成１４年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。
