賞与引当金|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方
はじめに
社会福祉法人では、
職員との雇用契約に基づき、
給与とは別に 定期的に賞与を支給する制度 を設けている場合があります。
賞与引当金 は、
このような賞与のうち、
翌期に支給する予定であっても、
支給対象期間が当期に帰属する部分 について、
当期の費用として整理するための勘定科目です。
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厚生労働省による勘定科目の説明
賞与引当金
支給対象期間に基づき定期に支給する
職員賞与に係る引当金をいう。出典
「社会福祉法人会計基準の制定に伴う
会計処理等に関する運用上の留意事項について」
この定義から、
賞与引当金は
支給日ではなく、支給対象期間に着目して計上される引当金
であることが分かります。
勘定科目としての位置づけ
賞与引当金は、
流動負債 に区分して表示されます。
これは、
賞与引当金が
通常1年以内に支給されることが見込まれる引当金
であるためです。
引当金として計上される要件
社会福祉法人会計基準では、
引当金について、
次のような考え方が示されています。
- 将来の特定の費用であること
- その発生が当期以前の事象に起因していること
- 発生の可能性が高いこと
- 金額を合理的に見積もることができること
賞与引当金は、
これらの要件を満たす場合に計上されます。
支給対象期間との関係
賞与引当金の計上において重要なのは、
賞与の支給対象期間(算定期間) です。
翌期に支給される賞与であっても、
その支給対象期間の一部が
当期に帰属している場合には、
当該当期分について
賞与引当金を計上します。
会計処理の考え方
賞与引当金は、
当期の負担に属する金額を当期の費用として計上 し、
対応する負債として認識します。
支給額が決算日時点で確定していない場合には、
給与規程等に基づき、
合理的な方法により見積もった金額 を用います。
退職給付引当金との区別
賞与引当金は、
通常1年以内に使用される見込みの引当金 であるため、
流動負債に区分されます。
一方、
退職給付引当金は、
長期間にわたって使用される見込みの引当金であるため、
固定負債として区分されます。
この点は、
引当金の区分を判断する際の重要な基準となります。
まとめ
賞与引当金は、
- 定期に支給される職員賞与に係る引当金であること
- 支給日ではなく、支給対象期間に基づいて計上されること
- 当期に帰属する部分を当期の費用として認識すること
- 流動負債として区分して表示されること
これらを整理して理解しておくことで、
賞与に係る費用と負債を、
社会福祉法人会計の制度に沿って
適切に処理しやすくなります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

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