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社会福祉法人会計の勘定科目の解説

商品・製品/仕掛品/原材料          社会福祉法人会計でおさえておきたい基本と実務の考え方

はじめに

商品・製品、仕掛品、原材料は、
社会福祉法人会計において 棚卸資産 に分類される勘定科目です。

就労支援事業や授産事業を行っている法人では、
これらの科目が日常的に登場しますが、
事業内容によっては、あまり馴染みのない法人もあります。

いずれの場合でも、
「何を目的に保有している在庫か」
という視点で整理しておくことが大切です。

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厚生労働省の勘定科目の説明

商品・製品
売買又は製造する物品の販売を目的として所有するものをいう。

仕掛品
製品製造又は受託加工のために現に仕掛中のものをいう。

原材料
製品製造又は受託加工の目的で消費される物品で、
消費されていないものをいう。

出典
「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

これらはいずれも、
販売や製造を目的として保有している在庫を表す科目です。


棚卸資産としての位置づけ

棚卸資産とは、
決算日などの一定時点において、
法人が保有している 在庫の数量や状態を確認し、その価値を算定する対象 をいいます。

商品・製品、仕掛品、原材料も、
この棚卸資産の考え方に基づいて管理されます。

決算時には、

  • 実際にどれだけ残っているか
  • 販売や使用が可能な状態か
  • 評価に問題がないか

といった点を確認することになります。


商品と製品の考え方

商品・製品は、
販売を目的として保有している在庫です。

会計上は、
次のように区分して整理します。

  • 商品
    他から仕入れてきた物品で、販売を目的として保有しているもの
  • 製品
    法人自身が製造・加工し、販売できる状態になっているもの

就労支援事業や授産事業では、
製作した物品が完成し、販売可能な状態になった時点で、
製品として整理されます。


原材料の考え方

原材料は、
製品を製造するために購入し、
まだ消費されていない材料の在庫です。

製作に使用される前の段階であるため、
販売目的ではなく、
製造のために保有している在庫という点が特徴です。

原材料は、
製造の進行に伴い、
仕掛品や製品へと姿を変えていきます。


仕掛品の考え方

仕掛品は、
製造途中で、
まだ完成していない状態のものを指します。

一日で完成しない製品の場合、
決算日などの時点では、

  • 原材料はすでに投入されている
  • 作業も一部進んでいる
  • しかし、販売できる状態には至っていない

という段階のものが存在します。

こうしたものを、
仕掛品として整理します。

評価にあたっては、
これまでに投入された原材料費や作業量などを踏まえて、
合理的に金額を算定します。


実務で押さえておきたい整理の視点

商品・製品、仕掛品、原材料を整理する際には、
次の視点が重要になります。

  • 販売目的か、製造目的か
  • 完成しているか、途中段階か
  • 決算日時点でどの段階にあるか

これらを整理することで、
どの勘定科目に該当するかを判断しやすくなります。


まとめ

商品・製品、仕掛品、原材料は、
社会福祉法人会計における 棚卸資産の代表的な科目です。

  • 商品・製品:販売目的で保有している完成品
  • 仕掛品:製造途中の未完成品
  • 原材料:製造のために保有している未使用の材料

それぞれの性質を整理して理解しておくことで、
決算や監査の場面でも、
落ち着いて対応しやすくなります。

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記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

社会福祉法人会計・監査、企業主導型保育事業の専門的財務監査を専門にする公認会計士・税理士 松岡洋史の顔写真。元地方公務員(京都市・上級事務職)として行政事務経験を11年有する

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