1. HOME
  2. ブログ
  3. 勘定科目の解説|社会福祉法人会計
  4. 無形リース資産|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方

会計・法人運営の記事ブログ

会計・法人運営を支えるブログ

勘定科目の解説|社会福祉法人会計

無形リース資産|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方

はじめに

社会福祉法人では、
固定資産を購入するだけでなく、
リース契約によって利用するケース もあります。

このうち、
リース契約により利用している
形のない固定資産 を整理するための勘定科目が、
無形リース資産 です。

「ホームページ利用上のご注意について」をお読み頂き、これらの条件にご同意の上ご利用ください。

🟦 「ホームページ利用上のご注意について」
https://office-matsuoka.net/goriyouchui


本のご案内バナー 書籍版1から学べる社会福祉法人会計 全11巻をなのなのながご紹介

有料動画のご案内バナー 社会福祉法人の全体像を10分で学べるシリーズ なのなのながご紹介


厚生労働省の勘定科目の説明

無形リース資産
無形固定資産のうちリースに係る資産をいう。

出典
「社会福祉法人会計基準の制定に伴う
会計処理等に関する運用上の留意事項について」

この定義のとおり、
無形リース資産は、
無形固定資産のうち、リース契約に基づいて利用しているもの を指します。


無形リース資産に該当するもの

社会福祉法人において、
無形リース資産として代表的なものは、
ソフトウェア です。

たとえば、

  • 会計ソフト
  • 給与計算ソフト
  • 請求管理ソフト
  • 業務システム

などを、
リース契約により利用している場合には、
契約内容に応じて無形リース資産として整理されます。


有形リース資産との違い

リース契約の対象が、

  • パソコン本体や複合機など
    有形リース資産
  • ソフトウェアなど形のないもの
    無形リース資産

というように、
リース物件の性質 によって区分されます。


リース取引の区分

無形リース資産の会計処理においても、
リース取引は次の2つに区分されます。

  • ファイナンス・リース取引
  • オペレーティング・リース取引

この区分は、
契約名称ではなく、
契約内容と実態 に基づいて判断します。


ファイナンス・リース取引

次の2つの要件を満たすリース取引は、
ファイナンス・リース取引に該当します。

  • リース期間の途中で解約できない、
    またはこれに準ずる取引であること
  • リース物件から得られる経済的利益を実質的に享受し、
    使用に伴うコストを実質的に負担すること

この場合には、
通常の売買取引に準じた会計処理 を行い、
無形リース資産として計上します。


オペレーティング・リース取引

ファイナンス・リース取引に該当しないものは、
オペレーティング・リース取引として整理されます。

この場合には、

  • リース料を
  • 賃借料や利用料などの費用として処理し

無形リース資産としては計上しません。


簡便な取扱い(重要性の原則)

会計基準では、
重要性の原則に基づき、
一定のファイナンス・リース取引について、
簡便な会計処理 を認めています。

簡便な処理が認められるのは、
次のいずれかに該当する場合です。

  • リース契約1件当たりのリース料総額が 300万円以下
  • リース期間が 1年以内

この場合には、
ファイナンス・リース取引であっても、
賃借料等として処理することができます。


無形リース資産として計上する場合

ファイナンス・リース取引として
無形リース資産を計上する場合には、

  • リース開始時に資産を計上
  • 同時にリース債務を負債として計上
  • 使用期間にわたり減価償却を行う

といった会計処理を行います。


管理上の留意点

無形リース資産は、
形のない資産であるため、

  • 契約内容の把握
  • 契約期間や更新条件の管理
  • 固定資産台帳との整合確認

といった点を、
継続的に確認しておくことが重要です。


まとめ

無形リース資産は、

  • 無形固定資産のうち、リースに係る資産を整理する科目であること
  • ソフトウェアが代表例であること
  • 契約内容により会計処理が異なること
  • 簡便な取扱いが認められる場合があること

これらを整理して理解しておくことで、
リース取引に関する会計処理を、
制度に沿って落ち着いて進めやすくなります。

記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

社会福祉法人会計・監査、企業主導型保育事業の専門的財務監査を専門にする公認会計士・税理士 松岡洋史の顔写真。元地方公務員(京都市・上級事務職)として行政事務経験を11年有する

ホームページの各記事や事務所サービスのご案内

よく読まれている人気の記事(カテゴリー別)


マツオカ会計事務所作成の書籍・動画・規程

20年間の社会福祉法人・福祉事業者の支援と、11年間の地方公務員の行政事務で培ったノウハウを 書籍・動画・規程 として公開しています。
ご自身で学び、法人内で活かせるコンテンツをご用意していますので、ぜひご覧ください。

▶ マツオカ会計事務所が提供する書籍・動画・規程まとめページを見る

出版中の書籍


本のご紹介 1から学べる社会福祉法人会計の執筆者 社会福祉法人会計専門 公認会計士・税理士 松岡洋史の写真

社会福祉法人専門 公認会計士・税理士による書籍のご案内

Amazonのページはこちら(試し読み機能あり)

Amazonの試し読み機能で、本の一部ご覧いただくことができます。

  1. 資金収支計算書 (第5版) 58ページ 1870円
  2. 事業活動計算書(第3版) 73ページ 1925円
  3. 貸借対照表 (第3版) 81ページ 1980円
  4. 経営組織(理事・監事や理事会・評議員会について) 57ページ 1760円
  5. 随意契約 45ページ 1650円
  6. 注記と附属明細書 109ページ 1980円
  7. 社会福祉法人会計簿記の特徴 52ページ 1870円
  8. 社会福祉法人会計基準の逐条解説 83ページ 1980円
  9. 利益と増減差額 ~その違いからわかること~ 47ページ 1815円
  10. 現金主義と発生主義、実現主義 67ページ 1980円
  11. 社会福祉法人の減価償却 58ページ 1870円

よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。

関連記事


福祉の現場を知る会計士だからこそ
誰にも真似できない実務支援を

企業主導型保育園の経理規程案の説明書の紹介画像6ページ分を記載

有料動画のご案内・社会福祉法人会計
補助金審査員経験者が伝える補助金採択されたいならこれをみて!基本編

使命を守るための戦略シリーズ(大人気シリーズ)

使命を守るための戦略シリーズ 第1回なぜ今戦略が必要とされているのか
有料動画講座 受講者の声まとめページ|補助金・会計・研修の感想を紹介
書籍型1から学べる社会福祉法人会計を説明している画像

現在の顧問公認会計士・税理士との契約はそのままに

福祉の会計・監査の対応に安心を

error: Content is protected !!