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勘定科目の解説 マツオカ事務所オリジナル

勘定科目の解説「退職給付引当資産」社会福祉法人会計

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説明の内容

管理職になり、初めて社会福祉法人の会計に接することになったお客様へ、
「自分は会計の初心者だ」と思っておられる方々へ、
社会福祉法人会計で用いる勘定科目のイメージを持ってもらうための簡単な説明になります。始めたきっかけはこちら

厚生労働省の勘定科目の説明  退職給付引当資産

(その他固定資産)退職給付引当資産
退職金の支払に充てるために退職給付引当金に対応して積み立てた現金預金等をいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

退職給付引当資産の簡単な説明をしてみましょう 

マツオカ
マツオカ

退職給付引当資産
法人の退職金制度で、外部に退職金を積み立てているときに、積み立てたところから職員さんが受け取れる金額相当分(年度末現在)。都道府県の共済会制度への積み立てが多いが、加入している共済会ごとに、制度が異なるところがあるので、取扱いは共済会の書類で確認しておこう。

勘定科目説明の解説

社会福祉法人の退職金制度

社会福祉法人さんの退職金制度は、大きくは3つの方法が採用されていますね。

独立行政法人福祉医療機構の実施する社会福祉施設職員等退職手当共済制度に加入する
都道府県等の実施する退職共済制度に加入する
法人独自の退職金制度を設けている
退職

どのような退職金制度を用いるか、法人ごとに検討がされていますね。

退職給付引当資産が計上される退職金制度

社会福祉法人が採用する退職金制度のうち、退職給付引当資産が計上されることになる制度は、
②の都道府県等が実施する退職共済制度に加入した場合が中心になってきます。

ただし、都道府県等ごとに制度の細かい内容が異なっています。
法人が加入する退職共済制度の案内やしおりなどで、会計処理の方法を確認していきましょう。

都道府県等の実施する退職共済制度で、退職給付引当資産を計上するのは、退職給付に係る会計処理を「簡便法」を採用した場合になります。

厚生労働省の規定では、以下のようになっています。

21 退職給付について
(3) 都道府県等の実施する退職共済制度の会計処理

ア 共済契約者である社会福祉法人

なお、簡便法として、期末退職金要支給額(約定の給付額から被共済職員個人が既に拠出した掛金累計額を差し引いた額)を退職給付引当金とし同額の退職給付引当資産を計上する方法や、社会福祉法人の負担する掛金額を退職給付引当資産とし同額の退職給付引当金を計上する方法を用いることができるものとする。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

簡便法での会計処理

上の規定にしたがうと

退職給付引当資産は、退職引当金の計上額と同額が計上されることになります。

また、退職引当金=期末の退職金要支給額となります。

こんな感じですね。

退職給付引当資産(固定資産) = 退職引当金(固定負債) = 期末の退職金要支給額

退職給付引当資産は、拠点ごとに貸借対照表に計上されていきます。
拠点ごとの科目の残高と共済会から送られる通知書との整合を確認しておきましょう。入退職による積立や取崩、法人内部の異動による退職給付引当資産を計上する拠点の変更などに注意しましょう。

社会福祉法人会計では、退職給付引当資産とともに、固定負債の「退職給付引当金」を確認をすることお勧めします。

簡単な説明をもう一度

マツオカ
マツオカ

退職給付引当資産
法人の退職金制度で、外部に退職金を積み立てているときに、積み立てたところから職員さんが受け取れる金額相当分(年度末現在)。都道府県の共済会制度への積み立てが多いが、加入している共済会ごとに、制度が異なるところがあるので、取扱いは共済会の書類で確認しておこう。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

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この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 スマート介護士

マツオカ会計事務所 代表

平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
約20年間、社会福祉法人と一緒になり、法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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