○○積立資産|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と考え方
はじめに
社会福祉法人では、
将来の特定の目的に備えて、
資金をあらかじめ確保しておくことがあります。
○○積立資産 は、
このような将来目的のために積み立てた
現金預金等を整理するための勘定科目です。
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厚生労働省の勘定科目の説明
(その他固定資産)○○積立資産
出典:「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
将来における特定の目的のために積み立てた現金預金等をいう。
なお、積立資産の目的を示す名称を付した科目で記載する。
この定義から、
積立資産は、
目的を明確にしたうえで管理される資産 であることが分かります。
「○○」は例示であり、実際に積立資産を計上する場合には、名前を付して行います。
例:施設整備等積立資産
積立資産の性格
○○積立資産は、
日常的な支出に充てる資金とは区別して管理される資産です。
将来の施設整備、修繕、
職員処遇や資金需要に備えるなど、
特定の目的に基づいて積み立てられる点 に特徴があります。
積立金との関係
社会福祉法人会計では、
積立資産と対応関係にある
○○積立金(純資産) が設けられる場合があります。
運用上の留意事項では、
次のように整理されています。
- 積立金を計上する場合には、
同額の積立資産を積み立てる - 積立資産を取り崩す場合には、
対応する積立金も同額取り崩す
このように、
積立金と積立資産は原則として対応関係 にあります。
積立資産のみを計上する場合
一方で、
資金管理上の目的などから、
積立資産のみを計上する場合 もあります。
この場合には、
必ずしも積立金の計上は求められておらず、
法人の資金管理方針に基づいて処理されます。
ただし、
積立の目的や管理方法については、
内部で整理しておくことが重要です。
貸借対照表上の区分
○○積立資産は、
その他固定資産 に区分して表示されます。
積立金を伴う場合には、
純資産の部に
対応する積立金が計上され、
資産と純資産の関係が
貸借対照表上で確認できる形になります。
管理上の留意点
○○積立資産については、
- 積立の目的が明確になっているか
- 積立金との対応関係が整理されているか
- 残高や取崩し状況が適切に管理されているか
といった点を、
定期的に確認しておくことが重要です。
まとめ
○○積立資産は、
- 将来の特定目的のために積み立てた現金預金等であること
- 目的を示す名称を付して管理すること
- 積立金と対応する場合があること
- その他固定資産として表示されること
これらを整理して理解しておくことで、
積立金との関係や資金管理の考え方を、
制度に沿って落ち着いて説明しやすくなります。
記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

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