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企業主導型保育事業 専門的財務監査

企業主導型保育事業 専門的財務監査のポイント⑮ 「4 支出(2)運営費 ②人件費以外の経費  2)人件費以外の経費テストについて

企業主導型保育事業の専門的財務監査

令和3年度から、企業主導型保育事業に対して専門的財務監査が行われています。
専門的財務監査は、監査法人(公認会計士等)によって行われることになります。

児童育成協会が公表している専門的財務監査の評価基準のポイントを確認していきましょう。

今回は、4 支出(2)運営費 ②人件費以外の経費 2)人件費以外の経費テストになります。

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専門的財務監査の評価基準の内容とポイント
4 支出(2)運営費
  ②人件費以外の経費 
   2)人件費以外の経費テスト

専門的財務監査の評価基準の内容の横に、ポイントとなるところを記載していきます。

区分監査事項評価事項社会福祉法人のポイント
人件費以外の計上経費については、その勘定科目名だけでなく、その内容について
「運営費・施設利用給付費年度報告並びに処遇改善加算の実績報告手続きについて(修正    令和2年4月8日)」に従ったものであるか、その計上支出内容について補助簿を閲覧して検証する。


非経常的に計上されたものや金額的重要性が高いと思われたものについては請求書等と突合し、計上の妥当性を確かめる。


※対象外経費の例
法人役員人件費、理事会開催経費、役員への贈答品、その他保育所運営とは無関係な事業の人件費、事務費等
・その内容が運営費として計上するには不適切


・計上額の根拠資料が確認できない


・計上額の説明や根拠資料に不十分な面がある。

○対象外経費の例のものが計上されていないか

○保育拠点に関係しない経費が計上されていないか。

○請求書、領収書等の根拠資料は、分かりやすく保管されているか。

○根拠資料に漏れはないか。

○大きな金額の取引、日常的に発生しない臨時の取引は、充分確認し、説明できるように準備しておく。


○本部で一括で支払っている経費については、保育事業に係る金額が明確に分かる根拠資料があることを確認する。
 購買関連経費については、
先の「2会計一般(5)発注」で確かめた発注書と、
財またはサービスの納品書、請求書及び支払い関連証拠書類との照合を行う。
・発注書等関連書類と照合できない。
○請求書、領収書等と会計帳簿の記載金額は一致しているか。

「2会計一般(5)発注」の記事はこちら

企業主導型保育園(保育所)の人件費以外の経費テスト

対象外経費

経費についてのポイントの一つは、対象外経費が企業主導型保育事業の経費に含まれていないことです。

保育事業に直接的に関連しない経費ですね。

他施設の運営経費はもちろんですが、法人本部に係る経費が挙げられています。

対象外経費の例

法人役員人件費、理事会開催経費、役員への贈答品、その他保育所運営とは無関係な事業の人件費、事務費等

計上経費に掛かる根拠資料

計上された経費の根拠資料がきちんと残されているとともに、総勘定元帳など帳簿に記載されている金額と一致している必要があります。

大まかには、下のような流れになります。

① 証憑書類
領収書や請求書、契約書、見積書などが保管されている
② 振替伝票
①の証憑書類を基に伝票が起票されている(金額が一致している)
③ 仕訳日記帳
② 振替伝票の仕訳が、日付順に正しく転記されている
④ 総勘定元帳や補助元帳
③ 仕訳日記帳を基に、各科目の帳簿に正しく転記されている
⑤ 試算表
④ 総勘定元帳から試算表に正しく転記されている
⑥ 計算書類(決算書)
⑤ 試算表を基に、企業主導型保育事業拠点の計算書類が正しく作成されている

ポイント

会計ソフトを使用している場合には、②→⑥は、自動で処理されることが多いでしょう。

  • ①について、明瞭に保管されていること
  • ②について ①と金額が一致した上で、適正な科目に仕訳がされいること
  • ②→⑥について 会計ソフトで正しく設定がされていること

が大切になります。

対象外経費と調整金額の入力

企業主導型保育事業の運営費の完了報告では、調整金額の入力が必要になります。

社会福祉法人会計において適正に計上された内容、取引であっても

企業主導型保育事業の運営費の助成の対象とならない費用などがありますので、注意が必要です。

調整金額は、費用にマイナスする調整と、プラスする調整があります。

マイナスの例

  • 対象外経費(職員の慰安旅行費など)
  • 非資金支出の取引(減価償却費、賞与引当金繰入など)
  • 実費徴収した収入を基に支出した費用

プラスの例

  • 人件費積立資産の積立金額
  • 前期の賞与引当金を取崩して支給した賞与支出

購買関連経費の発注手続きについて

領収書、請求書などの証憑書類の確認とともに、発注手続きが適正に行われたかどうかを合わせて、確認しておきましょう。

「2会計一般(5)発注」の記事はこちら


企業主導型保育事業

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マツオカ会計事務所 松岡洋史
公認会計士 税理士
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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史 松岡弘巳

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、
平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。


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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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