勘定科目の解説 事業活動計算書 事務費 通信運搬費 社会福祉法人会計
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厚生労働省の勘定科目の説明 通信運搬費
通信運搬費
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
電話、電報、ファックスの使用料、インターネット接続料及び切手代、葉書代その他通信・運搬に要する費用をいう。
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勘定科目説明の解説
費用科目の解説について
事業活動計算書の費用科目については、中区分の分類を用いながら小区分の科目を解説していきます。
通信運搬費
今回、解説する勘定科目の体系は下のようになっています。
大区分 | 中区分 | 小区分 |
事務費 | 通信運搬費 | - |

大区分は、「事務費」です。
施設(及び本部)の運営事務に要する費用になります。
平成12年度に制定された(旧)社会福祉法人会計基準の科目説明には
大区分についても説明がありました。
事務費支出
平成12年 社会福祉法人会計基準 事業活動収支計算書勘定科目の説明より
本部及び施設の運営事務に要する人件費以外の費用をいう。

中区分は「通信運搬費」です。
施設・事業所の通信費と運搬費です。
区 分 | 内容の例 |
通信費 | 電話代、インターネット接続料、切手・ハガキ代 |
運搬費 | 荷造運賃、送料、宅急便代 |
運搬とは:(スル)物品を運び移すこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)より
通信運搬費と貯蔵品について
通信運搬費に計上される切手やハガキは、まとめて購入し保管した上で、書類などを送る都度、保管している切手やハガキを使用していく法人さんも多いでしょう。
決算日現在において、
未使用の切手やハガキは、数量や金額を確認して貯蔵品として計上することが原則的な会計処理になります。
計算書類 | 事業活動計算書 | 貸借対照表 |
勘定科目 | 通信運搬費 | 貯蔵品 |
切手やハガキ | 使用(費消)した金額を計上 | 未使用分の金額を計上 |
貯蔵品と重要性の原則
社会福祉法人会計基準には、「重要性の原則」が定められています。
重要性の原則では、重要性の乏しい取引については、原則的な会計処理によらずに、簡便な処理を行うことが認められています。
厚生労働省通知の「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」の中で、
貯蔵品についても、買入時、または払出時に、費用処理を行うことが認められています。
重要性の原則を採用した場合は、このようになります。
区 分 | 原則的な方法 | 重要性の原則を採用した 簡便な方法 |
計算書類 | 貸借対照表 | 事業活動計算書 |
勘定科目 | 貯蔵品 | 通信運搬費 |
切手やハガキ | 未使用分の金額を計上 | 買入時に(まとめて) 通信運搬費として計上 |
重要性の原則に関する社会福祉法人会計基準と社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて
重要性の原則に関する規定について参考に記載します。
社会福祉法人会計基準
(会計原則)
第二条 社会福祉法人は、次に掲げる原則に従って、会計処理を行い、計算書類及びその附属明細書(以下「計算関係書類」という。)並びに財産目録を作成しなければならない。
一~三 省略四 重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法の適用に際して、
社会福祉法人会計基準より
本来の厳密な方法によらず、他の簡便な方法によることができること。
社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて
1 重要性の原則の適用について(会計基準省令第2条第1項第4号関係)
重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
出典:厚生労働省通知「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」
(1)消耗品、貯蔵品等のうち、重要性が乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。
簡単な説明です

通信運搬費
施設や事業所での電話代やインターネット代、切手代などの通信費と、荷造運賃や宅急便代などの運搬費になります。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
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勘定科目の解説の一覧
よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。
マツオカ会計事務所のストーリー
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。
