専門的財務監査のポイント㉜ 消費税仕入控除税額報告まとめ(2025版) ~企業主導型保育事業~
企業主導型保育事業の専門的財務監査
令和3年度から、企業主導型保育事業に対して専門的財務監査が行われています。
専門的財務監査は、監査法人(公認会計士等)によって行われることになります。
【令和7年度版】企業主導型保育事業の消費税仕入控除税額報告まとめになります。
「ホームページのご利用上の注意」をお読み下さり、ご了承の上、お読みください。報告手続きについては、顧問の税理士(または、税理士法人)にご相談の上、手続きを進めてください。
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【令和7年度版】企業主導型保育事業の消費税仕入控除税額報告まとめ
企業主導型保育事業を実施している法人が、確定申告後に行う必要のある「消費税仕入控除税額報告」。
公益財団法人児童育成協会の最新資料(令和7年度版)に基づき、報告の目的・時期・手順をまとめました。
助成金の対象経費に含まれる消費税を確定申告で控除している場合、実際には負担していない税額分を協会に報告・返還する必要があります。
報告は法人単位で行い、ピムスを通じて提出します。
📘 制度の全体像と提出手順はこちら
報告の対象となる決算期の考え方、返還額0円となる条件、積算内訳の作成方法などを詳しくまとめた解説ページを公開しています。
ぜひこちらもあわせてご覧ください。
🔍 ポイントだけ先にチェック
- 助成金は消費税法上「不課税取引」
- 助成金で購入した経費の仕入税額控除分は、協会に報告・返還
- 報告は法人単位で実施(施設単体ではない)
- 報告区分:返還額0円(免税・簡易課税・初年度 等)/返還あり(一般課税)
- 提出はピムス(公金管理システム)から
負担していない)税額を公益財団法人児童育成協会へ報告・返還し、協会は国庫へ返納します。未報告は交付条件違反になり得ます。
報告のタイミングと対象決算期
- いつ:消費税の確定申告が完了し、仕入控除税額が確定したら速やかに。
- だれ:運営委託先ではなく、助成決定事業者(法人)として。
- どの期:助成金入金期ではなく、補助対象期間の末日以前に到来する直前の決算期。
まず判定:返還額0円か、返還ありか
協会のフローチャート判定で、次のいずれかに分かれます。
| 区分 | 概要 | 主な必要書類 |
|---|---|---|
| 返還額0円(ア〜オ) | 助成金の対象経費に係る仕入控除が発生しないケース | 積算内訳(0円報告)+消費税確定申告書・付表等 |
| 返還あり(カ) | 一般課税で控除が発生しているため返還が必要 | 積算内訳(返還あり)+申告書・付表・決算書 等 |
返還額0円の報告に該当するケース
| 区分 | 内容 | 主な添付書類 |
|---|---|---|
| ア:免税事業者 | 消費税の納税義務がない | 決算書類、免税事業者届出書 |
| イ:初年度 | 施設開園が決算期より後 | 消費税確定申告書・受信通知 |
| ウ:簡易課税または2割特例 | 小規模事業者の特例申告 | 確定申告書(第3-(1)号or第3-(3)号) |
| エ:公益法人等で特定収入割合5%超 | 社会福祉法人など公益法人 | 確定申告書・付表2・特定収入割合計算書 |
| オ:非課税・不課税・個別対応方式 | 対象経費が非課税仕入等 | 確定申告書・付表2・税区分資料 |
返還あり報告の場合
上記ア〜オのいずれにも該当しない課税事業者(本則(原則)課税)は、助成金で賄った経費の消費税額のうち、
控除した金額を計算して協会に返還します。
- 法人の決算期(3月決算/それ以外)に応じた「積算内訳(返還あり報告)」を作成
- ピムスで「要返還額」を入力
- 必要書類(積算内訳・確定申告書・付表・決算書など)を添付
- 協会の承認後、「返還額決定通知書」に基づき納付
提出手順(ピムス)
- 積算内訳(PDF)を作成(0円/返還あり いずれかの様式に沿って)
- ピムス「申請情報」から要返還額など必要項目を入力
- 「添付書類」タブに積算内訳と必要書類一式をPDFで添付
- 審査で差戻しがあれば修正・再申請(ファイル差替え可)
- 承認後、通知に基づいて返還金を期日内納付
🗓 更新情報
- 令和7年度版フローチャートおよび様式の整理(2025年10月時点)
- ピムス提出書類の添付区分に関する補足
※本記事は公益財団法人児童育成協会が公表する「企業主導型保育事業(運営費等)に係る消費税及び地方消費税仕入控除税額報告」に基づき作成しています。実務対応は法人の状況により異なります。
企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和4年度~令和5年度
下のリンクから指摘事項のページに進みます。
企業主導型保育事業に関する4コマ漫画
「まんがの部屋」コーナーでは、内容ごとに4コマ漫画で説明しています。
20年間の社会福祉法人・福祉事業者の支援と、11年間の地方公務員の行政事務で培ったノウハウを 書籍・動画・規程 として公開しています。
ご自身で学び、法人内で活かせるコンテンツをご用意していますので、ぜひご覧ください。

よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。











