専門的財務監査のポイント㉞ 専門的労務監査の指摘事項 令和6年度 ~企業主導型保育事業~
企業主導型保育事業の専門的労務監査
令和6年度は、企業主導型保育事業の専門的労務監査が500施設で実施されました。
専門的労務監査は、社会保険労務士によって行われています。
今回は、こども家庭庁の資料から、令和6年度の専門的労務監査の指摘事項を確認していきます。
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専門的労務監査の実施施設数
| 区 分 | 令和6年度 |
|---|---|
| 実施施設 | 500施設 |
| うち改善を要する施設 | 376施設 |
| うち改善不要の施設 | 124施設 |
実施施設の選定基準
こども家庭庁の資料によると、専門的労務監査の実施施設の選定は、下のような基準によって選定されています。
監査実施施設の選定基準
| 区分 | 選定基準 |
|---|---|
| 監査対象施設 | 過去の立入調査で複数回、労務関係の指摘を受けた施設や、処遇改善等加算等の労務に係る加算を取得している施設の中から500施設を選定し、実施 |
監査実施都道府県
| 実施した都道府県 |
|---|
| ・北海道20施設・宮城県20施設・福島県20施設・茨城県20施設・東京都40施設 ・埼玉県30施設・神奈川県30施設・千葉県30施設・静岡県25施設・長野県5施設 ・愛知県30施設・岐阜県20施設・徳島県10施設・大阪府40施設・京都府20施設 ・滋賀県10施設・兵庫県30施設・福岡県30施設・長崎県10施設・熊本県20施設 ・鹿児島県20施設・沖縄県20施設 |
専門的労務監査での指摘事項
| No. | 指摘事項 | 令和6年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|---|
| 1 | ・割増賃⾦について不適切な運用がされている。 | 139 | 127 |
| 2 | ・給与規程等根拠規定に基づき⽀給されていない。または一致していない。 | 138 | 144 |
| 3 | ・職務⼿当等の⼿当の一部を処遇改善等加算とする場合の内訳が不明確であ る。 | 73 | 68 |
| 4 | ・給与規程の⽀給項⽬と実際の⽀給項⽬(⼿当)が一致していない。または⼿ 当名称と実態が一致していない。 | 55 | 138 |
| 5 | ・法定労働時間を超過している労働者または休日に労働している労働者がいるが 適切な割増賃⾦が⽀払われていない。 | 53 | 65 |
| 6 | ・処遇改善等加算を一時⾦で⽀払った際の賞与⽀払い届の提出および社会保険 料控除がなされていない。 | 36 | 37 |
| 7 | ・処遇改善等加算、処遇改善加算の⽀給について労働者が認知していない。 | 35 | 58 |
| 8 | ・計画年休、時季指定による年次有給休暇が年5日以上の取得ができていない。 | 34 | 36 |
| 9 | ・厚⽣年⾦・健康保険の被保険者について、標準報酬⽉額の算定、⽉額変更の届出が適正に行われていない。 | 30 | 33 |
| 10 | ・処遇改善等加算Ⅱの⽀給対象者としての辞令がでていない。 | 28 | 29 |
企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和4年度~令和6年度
下のリンクから指摘事項のページに進みます。
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著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。











