未収金|社会福祉法人会計で押さえておきたい基本と実務のポイント
はじめに
未収金は、社会福祉法人の会計において
「すでに発生しているが、まだ入金されていない収益」 を整理するための勘定科目です。
日々の業務では事業未収金ほど件数が多くない場合もありますが、
内容が多様である分、
性質を整理して把握しておかないと分かりにくくなりやすい科目でもあります。
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厚生労働省の勘定科目の説明
未収金
事業収益以外の収益に対する未収入金をいう。
未収金は、
法人の主たる事業から生じる収益ではないもの に対応する未収入金です。
この点が、
「事業未収金」との最も大きな違いになります。
事業未収金との区分について
介護保険制度が始まった当初の旧会計基準では、
現在「事業未収金」として扱われているものも
すべて未収金に含めて処理されていました。
現在の会計基準では、
- 法人の主たる事業によって生じる未収分 → 事業未収金
- 事業以外の取引・事象による未収分 → 未収金
というように、
発生原因や性質の違いに応じて科目を区分することになっています。
同じ「まだ入っていないお金」であっても、
どこから生じたものかによって、
整理の仕方が変わる点がポイントです。
未収金に計上される代表的な例
実務上、未収金に計上されるものとしては、
次のようなものが考えられます。
- 固定資産や有価証券を売却した際の売却代金の未収分
- 保険金の入金予定額
- 事業収益には該当しない取引に関する未収分
これらはいずれも、
事業活動そのものから生じた収益ではないという点が共通しています。
旧通知にみる未収金の考え方
昭和51年に通知された
「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則」では、
未収金について次のように説明されています。
不用品、土地、建物、有価証券等の売却代金を受領していない場合の債権額及び
その他の債権が発生しているが、入金されていない場合の債権額を整理する科目である。
現在の会計基準でも、
「事業以外で発生した未収分を整理する科目」
という基本的な考え方は引き継がれています。
実務で気をつけたいポイント
未収金は、金額が大きくない場合でも、
内容を把握しないまま残っていると、
後から確認が難しくなることがあります。
実務では、
- 何に関する未収なのか
- 入金予定はいつか
- 一時的な未収なのか、定期的に発生するものか
- 入金までの期間が長期化しているものか
といった点を、
簡単に説明できる状態にしておくことが大切です。
現場でよく見かける状況
月次資料を確認していると、
未収金が前月からそのまま残っていることがあります。
金額自体は問題がなくても、
発生原因や入金予定を整理していないと、
確認作業に時間がかかることがあります。
一方で、
内容ごとに整理されている法人では、
月次や決算の確認が落ち着いて進み、
担当者さんの負担も小さくなる印象があります。
まとめ
未収金は、
事業収益以外の取引から生じた未収分を整理する科目です。
- 事業未収金との違いを意識すること
- 発生原因を把握しておくこと
- 入金予定を確認できる状態にしておくこと
こうした基本を押さえておくことで、
月次・決算・監査のいずれの場面でも、
実務が安定しやすくなります。

記事の執筆者のご紹介
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

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