1. HOME
  2. ブログ
  3. 勘定科目の解説 マツオカ事務所オリジナル
  4. 勘定科目の解説 事業活動計算書 人件費 役員退職慰労金 社会福祉法人会計

会計・法人運営の記事ブログ

会計・法人運営を支えるブログ

勘定科目の解説 マツオカ事務所オリジナル

勘定科目の解説 事業活動計算書 人件費 役員退職慰労金 社会福祉法人会計

「ホームページ利用上のご注意について」をお読み頂き、これらの条件にご同意の上ご利用ください。

厚生労働省の勘定科目の説明 役員退職慰労金

役員退職慰労金
役員(評議員を含む)の退職時の慰労金等をいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」

本のご案内 1から学べる社会福祉法人会計

勘定科目説明の解説

費用科目の解説について

事業活動計算書の費用科目については、中区分の分類を用いながら小区分の科目を解説していきます。

役員退職慰労金

今回、解説する勘定科目の体系は下のようになっています。

大区分中区分小区分
人件費役員退職慰労金
退職

大区分は、「人件費」です。
ヒトが資本の社会福祉法人にとって、費用科目の中心になってくる科目ですね。

役員退職慰労金

中区分は「役員退職慰労金」です。役員報酬の次にきます。

法人の役員である理事さん、監事さんや、評議員さんへが退任された場合の慰労金になります。

法人運営、法人の発展に尽くしてきた役員が退任する際に、法人が支給する対価になります。

役員が職員を兼務している場合に、職員として支給を受ける退職金は含みません。

社会福祉法上の役員の範囲と、会計上の役員(退職慰労金)の範囲

社会福祉法では、役員とは、理事と監事を言います。評議員は、役員には含まれていませんね。

勘定科目の「役員退職慰労金」には、「評議員」への退職慰労金を含めます。

両者の違いも確認しておきましょう。

社会福祉法上の役員理事、監事
勘定科目「役員退職慰労金」に含まれる者理事、監事、評議員

(申請)
第三十一条 社会福祉法人を設立しようとする者は、定款をもつて少なくとも次に掲げる事項を定め、厚生労働省令で定める手続に従い、当該定款について所轄庁の認可を受けなければならない。
一 目的
二 名称
三 社会福祉事業の種類
四 事務所の所在地
五 評議員及び評議員会に関する事項
六 役員(理事及び監事をいう。以下この条、次節第二款、第六章第八節、第九章及び第十章において同じ。)の定数その他役員に関する事項

社会福祉法

役員退職慰労金について

役員退職慰労金と職員退職金

役員への退職慰労金と職員への退職金では、法人と役員や職員との関係性の違いがあります。

法人との関係

区 分法人との関係
役  員委任契約
職  員 雇用契約

(社会福祉法人と評議員等との関係)第三十八条 社会福祉法人と評議員、役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

社会福祉法

役員退職慰労金と職員退職金

役員退職慰労金は、雇用契約に基づく労働の対価でなく、委任契約に基づく対価になります。

区 分内  容
役員退職慰労金役員報酬規程、役員退職慰労金規程等に基づき、
役員の退任時に支給されるもの
職員退職金就業規則や退職金規程等に基づき、
職員の退職時に支給されるもの

役員退職慰労金の支給

社会福祉法では、役員報酬等を支給する際には、法人の「(役員)報酬支給基準」を作成し、評議員会で承認を受けた上で、この基準にしたがって支給しなければならないと定められています。

(報酬等)
第四十五条の三十五 社会福祉法人は、理事、監事及び評議員に対する報酬等について、厚生労働省令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該社会福祉法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めなければならない


2 前項の報酬等の支給の基準は、評議員会の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


3 社会福祉法人は、前項の承認を受けた報酬等の支給の基準に従つて、その理事、監事及び評議員に対する報酬等を支給しなければならない

社会福祉法

報酬等の「等」には、退職手当(退職慰労金)」が含まれることに注意しましょう。

評議員、役員(理事及び監事)の報酬等(注)について(以後省略)

(注)「報酬等」とは、報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。また、評議員会の出席等のための交通費は、実費相当額を支給する場合は報酬には該当しないが、実費相当額を超えて支給する場合には、報酬等に含まれるものである。また、理事が職員を兼務している場合に、職員として受ける財産上の利益及び退職手当は含まれない。

厚生労働省 指導監査ガイドライン 「8 評議員、理事、監事及び会計監査人の報酬」

役員退職慰労金の支給基準(役員報酬支給基準)

役員退職慰労金を支給する場合には、

役員報酬規程に、退職慰労金について規定しておくか、「役員慰労金規程」等を定めておく必要があります。

簡単な説明です

マツオカ
マツオカ

役員退職慰労金
法人の理事さん、監事さん、評議員さん等が退任される際に支給する慰労金です。法人の役員として、法人運営に貢献、尽力下さったことに対する慰労金になります。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

社会福祉法人専門 公認会計士・税理士による書籍

Amazonのページはこちら(試し読み機能あり)

Amazonの試し読み機能をぜひご活用ください。本の内容を一部ご覧いただくことができます。

第1巻
資金収支計算書

第1巻 資金収支計算書 表紙

63ページ
1870円

NO.タイトルページ価格
第1巻資金収支計算書 (第5版)581870円
第2巻事業活動計算書(第3版)731925円
第3巻貸借対照表 (第3版)811980円
第4巻経営組織(理事・監事や理事会・評議員会について)571760円
第5巻随意契約 451650円
第6巻注記と附属明細書1091980円
第7巻社会福祉法人会計簿記の特徴
『大切なのは、1行増えること』
521870円
第8巻管理職のための
社会福祉法人会計基準の逐条解説
831980円
第9巻利益と増減差額
 ~その違いからわかること~
471815円
第10巻現金主義と発生主義、実現主義
 ~収益と費用を計上するタイミングはいつ?~
671980円
※ 第4巻 経営組織は、法人の理事・監事や評議員について解説しています

勘定科目の解説の一覧

よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。

マツオカ会計事務所のストーリー

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

Profile Picture

(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

関連記事


1から学べる社会福祉法人会計 第9巻 利益と増減差額

マツオカ会計事務所のストーリー
こちら

error: Content is protected !!