社会福祉法人会計基準の運用上の留意事項
厚生労働省令 社会福祉法人会計基準と関係通知をご参考に記載しています。
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区分 | 名 称 | HP上の略称 |
① | 社会福祉法人会計基準 平成二十八年厚生労働省令第七十九号(改正施行日: 令和元年五月七日) | 会計基準 |
② | 社会福祉法人会計基準の運用上の取り扱い (令和2年9月11日付け厚生労働省通知) | 運用上の 取り扱い |
③ | 社会福祉法人会計基準の運用上の留意事項 (平成3 1 年3 月2 9 日付け厚生労働省通知) | 運用上の 留意事項 |
④ | 会計基準の条文ごとに、条文の下に 関係する「運用上の取り扱い」と「留意事項」の項目を記載しています |
社会福祉法人会計基準の運用上の留意事項
平成3 1 年3 月2 9 日付け厚生労働省通知
「社会福祉法人会計基準の運用上の留意事項」
-目次-
1 管理組織の確立
2 予算と経理
3 決算
4 拠点区分及び事業区分について
5 サービス区分について
6 本部会計の区分について
7 作成を省略できる計算書類の様式
8 借入金の扱い
9 寄附金の扱い
10 各種補助金の扱い
11 事業区分間、拠点区分間及びサービス区分間の資金移動
12 事業区分間、拠点区分間及びサービス区分間の貸付金(借入金)残高
13 共通支出及び費用の配分方法
14 基本金について
15 国庫補助金等特別積立金について
16 棚卸資産の会計処理等について
17 減価償却について
18 引当金について
19 積立金と積立資産について
20 リース会計について
21 退職給付について
22 資産価値の下落について
23 内部取引の相殺消去について
24 法人税、住民税及び事業税について
25 計算書類の勘定科目及び注記について
26 関連当事者との取引について
27 固定資産管理台帳について
*本運用指針で使用する略称は、次のとおりとする。
・会計基準省令:社会福祉法人会計基準省令(平成28 年厚生労働省令第79 号)
・運用上の取り扱い :社会福祉法人会計基準の運用上の取り扱い(平成28 年3 月31 日雇児発0331 第15
号、社援発0331 第39 号、老発0331 第45 号、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、厚生労働省社会・援
護局長、厚生労働省老健局長通知)
1 管理組織の確立
(1)法人における予算の執行及び資金等の管理に関しては、あらかじめ運営管理責任者を定める等法人の管理運営に十分配慮した体制を確保すること。
また、内部牽制に配意した業務分担、自己点検を行う等、適正な会計事務処理に努めること。
(2)会計責任者については理事長が任命することとし、会計責任者は取引の遂行、資産の管理及び帳簿その他の証憑書類の保存等会計処理に関する事務を行い、又は理事長の任命する出納職員にこれらの事務を行わせるものとする。
(3)施設利用者から預かる金銭等は、法人に係る会計とは別途管理することとするが、この場合においても内部牽制に配意する等、個人ごとに適正な出納管理を行うこと。
なお、ケアハウス・有料老人ホーム等で将来のサービス提供に係る対価の前受分として利用者から預かる金銭は法人に係る会計に含めて処理するものとする。
(4)法人は、上記事項を考慮し、会計基準省令に基づく適正な会計処理のために必要な事項について経理規程を定めるものとする。
2 予算と経理
(1)法人は、事業計画をもとに資金収支予算書を作成するものとし、資金収支予算書は拠点区分ごとに収入支出予算を編成することとする。
また、資金収支予算書の勘定科目は、資金収支計算書の勘定科目に準拠することとする。
(2)法人は、全ての収入及び支出について予算を編成し、予算に基づいて事業活動を行うこととする。
なお、年度途中で予算との乖離等が見込まれる場合は、必要な収入及び支出について補正予算を編成するものとする。ただし、乖離額等が法人の運営に支障がなく、軽微な範囲にとどまる場合は、この限りではない。
(3)会計帳簿は、原則として、拠点区分ごとに仕訳日記帳及び総勘定元帳を作成し、備え置くものとする。
3 決算
決算に際しては、毎会計年度終了後3か月以内に、計算書類(資金収支計算書(法人単位資金収支計算書、資金収支内訳表、事業区分資金収支内訳表及び拠点区分資金収支計算書)、事業活動計算書(法人単位事業活動計算書、事業活動内訳表、事業区分事業活動内訳表及び拠点区分事業活動計算書)及び貸借対照表(法人単位貸借対照表、貸借対照表内訳表、事業区分貸借対照表内訳表及び拠点区分貸借対照表)。以下同じ。)及びその附属明細書並びに財産目録を作成し、理事会の承認を受け、このうち計算書類及び財産目録については評議員会の承認を受けたのち、計算書類及びその附属明細書並びに財産目録については、所轄庁に提出しなければならない。
4 拠点区分及び事業区分について
(1)拠点区分について
拠点区分は、一体として運営される施設、事業所又は事務所をもって1つの拠点区分とする。
公益事業(社会福祉事業と一体的に実施されているものを除く)若しくは収益事業を実施している場合、これらは別の拠点区分とするものとする。
(2)拠点区分の原則的な方法
ア 施設の取扱い
次の施設の会計は、それぞれの施設ごと(同一種類の施設を複数経営する場合は、それぞれの施設ごと)に独立した拠点区分とするものとする。
(ア) 生活保護法第38 条第1項に定める保護施設
(イ) 身体障害者福祉法第5条第1項に定める社会参加支援施設
(ウ) 老人福祉法第20 条の4に定める養護老人ホーム
(エ) 老人福祉法第20 条の5に定める特別養護老人ホーム
(オ) 老人福祉法第20 条の6に定める軽費老人ホーム
(カ) 老人福祉法第29 条第1 項に定める有料老人ホーム
(キ) 売春防止法第36 条に定める婦人保護施設
(ク) 児童福祉法第7条第1項に定める児童福祉施設
(ケ) 母子及び父子並びに寡婦福祉法第39 条第1項に定める母子・父子福祉施設
(コ) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第11 項に定める障害者支援施設
(サ) 介護保険法第8条第28 項に定める介護老人保健施設
(シ) 医療法第1条の5に定める病院及び診療所(入所施設に附属する医務室を除く)
なお、当該施設で一体的に実施されている(ア)から(シ)まで以外の社会福祉事業又は公益事業については、イの規定にかかわらず、当該施設の拠点区分に含めて会計を処理することができる。
イ 事業所又は事務所の取扱い
上記(ア)から(シ)まで以外の社会福祉事業及び公益事業については、原則として、事業所又は事務所を単位に拠点とする。なお、同一の事業所又は事務所において複数の事業を行う場合は、同一拠点区分として会計を処理することができる。
ウ 障害福祉サービスの取扱い
障害福祉サービスについて、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18 年厚生労働省令第171 号)(以下「指定基準」という。)に規定する一の指定障害福祉サービス事業所若しくは多機能型事業所として取り扱われる複数の事業所又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18 年厚生労働省令第172 号)(以下「指定施設基準」という。)に規定する一の指定障
害者支援施設等(指定施設基準に規定する指定障害者支援施設等をいう。)として取り扱われる複数の施設においては、同一拠点区分として会計を処理することができる。
また、これらの事業所又は施設でない場合があっても、会計が一元的に管理されている複数の事業所又は施設においては、同一拠点区分とすることができる。
エ その他
新たに施設を建設するときは拠点区分を設けることができる。
(3)事業区分について
各拠点区分について、その実施する事業が社会福祉事業、公益事業及び収益事業のいずれであるかにより、属する事業区分を決定するものとする。
なお、事業区分資金収支内訳表、事業区分事業活動内訳表及び事業区分貸借対照表内訳表は、当該事業区分に属するそれぞれの拠点区分の拠点区分資金収支計算書、拠点区分事業活動計算書及び拠点区分貸借対照表を合計し、内部取引を相殺消去して作成するものとする。
5 サービス区分について
(1)サービス区分の意味
サービス区分については、拠点区分において実施する複数の事業について、法令等の要請によりそれぞれの事業ごとの事業活動状況又は資金収支状況の把握が必要な場合に設定する。
(2)サービス区分の方法
ア 原則的な方法
介護保険サービス、障害福祉サービス、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業については、運用上の取り扱い第3に規定する指定サービス基準等において当該事業の会計とその他の事業の会計を区分すべきことが定められている事業をサービス区分とする。
他の事業については、法人の定款に定める事業ごとに区分するものとする。
なお、特定の補助金等の使途を明確にするため、更に細分化することもできる。
イ 簡便的な方法
次のような場合は、同一のサービス区分として差し支えない。
(ア)介護保険関係
以下の介護サービスと一体的に行われている介護予防サービスなど、両者のコストをその発生の態様から区分することが困難である場合には、勘定科目として介護予防サービスなどの収入額のみを把握できれば同一のサービス区分として差し支えない。
・指定訪問介護と第1号訪問事業
・指定通所介護と第1号通所事業
・指定地域密着型通所介護と第1号通所事業
・指定介護予防支援と第1号介護予防ケアマネジメント事業
・指定認知症対応型通所介護と指定介護予防認知症対応型通所介護
・指定短期入所生活介護と指定介護予防短期入所生活介護
・指定小規模多機能型居宅介護と指定介護予防小規模多機能型居宅介護
・指定認知症対応型共同生活介護と指定介護予防認知症対応型共同生活介護
・指定訪問入浴介護と指定介護予防訪問入浴介護
・指定特定施設入居者生活介護と指定介護予防特定施設入居者生活介護
・福祉用具貸与と介護予防福祉用具貸与
・福祉用具販売と介護予防福祉用具販売
・指定介護老人福祉施設といわゆる空きベッド活用方式により当該施設で実施する指定短期入所生活介護事業
(イ)保育関係
子ども・子育て支援法(平成24 年法律第65 号)第27 条第1 項に規定する特定教育・保育施設及び同法第29 条第1 項に規定する特定地域型保育事業(以下「保育所等」という。)を経営する事業と保育所等で実施される地域子ども・子育て支援事業については、同一のサービス区分として差し支えない。
なお、保育所等で実施される地域子ども・子育て支援事業、その他特定の補助金等により行われる事業については、当該補助金等の適正な執行を確保する観点から、同一のサービス区分とした場合においても合理的な基準に基づいて各事業費の算出を行うものとし、一度選択した基準は、原則継続的に使用するものとする。
また、各事業費の算出に当たっての基準、内訳は、所轄庁や補助を行う自治体の求めに応じて提出できるよう書類により整理しておくものとする。
(3)サービス区分ごとの拠点区分資金収支明細書及び事業活動明細書の作成について
拠点区分資金収支明細書はサービス区分を設け、事業活動による収支、施設整備等による収支及びその他の活動による収支について作成するものとし、その様式は運用上の取り扱い別紙3(⑩)のとおりとする。拠点区分事業活動明細書はサービス区分を設け、サービス活動増減の部及びサービス活動外増減の部について作成するものと
し、その様式は運用上の取り扱い別紙3(⑪)のとおりとする。
6 本部会計の区分について
本部会計については、法人の自主的な決定により、拠点区分又はサービス区分とすることができる。
なお、介護保険サービス、障害福祉サービス、子どものための教育・保育給付費並びに措置費による事業の資金使途制限に関する通知において、これらの事業から本部会計への貸付金を年度内に返済する旨の規定があるにも拘わらず、年度内返済が行われていない場合は、サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書(運用上の取り扱い別紙3(⑭))を作成するものとする。
法人本部に係る経費については、理事会、評議員会の運営に係る経費、法人役員の報酬等その他の拠点区分又はサービス区分に属さないものであって、法人本部の帰属とすることが妥当なものとする。
7 作成を省略できる計算書類の様式
(1)事業区分が社会福祉事業のみの法人の場合
拠点区分を設定した結果すべての拠点が社会福祉事業に該当する法人は、会計基準省令第1号第2様式、第2号第2様式及び第3号第2様式の作成を省略できる。
この場合、計算書類に対する注記(法人全体用)「5.法人が作成する計算書類と拠点区分、サービス区分」にその旨を記載するものとする。
(2)拠点区分が1つの法人の場合
拠点区分が1つの法人は、会計基準省令第1号第2様式、第1号第3様式、第2号第2様式、第2号第3様式、第3号第2様式及び第3号第3様式の作成を省略できる。この場合、計算書類に対する注記(法人全体用)「5.法人が作成する計算書類と拠点区分、サービス区分」にその旨を記載するものとする。
(3)拠点区分が1つの事業区分の場合
拠点区分が1つの事業区分は、会計基準省令第1号第3様式、第2号第3様式及び第3号第3様式の作成を省略できる。この場合、計算書類に対する注記(法人全体用)「5.法人が作成する計算書類と拠点区分、サービス区分」にその旨を記載するものとする。
8 借入金の扱い
借入金の借り入れ及び償還にかかる会計処理は、借入目的に応じて、各拠点区分で処理することとする。
なお、資金を借り入れた場合については、借入金明細書(運用上の取り扱い別紙3(①))を作成し、借入先、借入額及び償還額等を記載することとする。その際、独立行政法人福祉医療機構と協調融資(独立行政法人福祉医療機構の福祉貸付が行う施設整備のための資金に対する融資と併せて行う同一の財産を担保とする当該施設整備のための資金に対する融資をいう。)に関する契約を結んだ民間金融機関に対して基本財産を担保に供する場合は、借入金明細書の借入先欄の金融機関名の後に(協調融資)と記載するものとする。
また、法人が将来受け取る債権を担保として供する場合には、計算書類の注記及び借入金明細書の担保資産欄にその旨を記載するものとする。
9 寄附金の扱い
(1)金銭の寄附は、寄附目的により拠点区分の帰属を決定し、当該拠点区分の資金収支計算書の経常経費寄附金収入又は施設整備等寄附金収入として計上し、併せて事業活動計算書の経常経費寄附金収益又は施設整備等寄附金収益として計上するものとする。
(2)寄附物品については、取得時の時価により、経常経費に対する寄附物品であれば経常経費寄附金収入及び経常経費寄附金収益として計上する。土地などの支払資金の増減に影響しない寄附物品については、事業活動計算書の固定資産受贈額として計上するものとし、資金収支計算書には計上しないものとする。
ただし、当該物品が飲食物等で即日消費されるもの又は社会通念上受取寄附金として扱うことが不適当なものはこの限りではない。
なお、寄附金及び寄附物品を収受した場合においては、寄附者から寄附申込書を受けることとし、寄附金収益明細書(運用上の取り扱い別紙3(②))を作成し、寄附者、寄附目的、寄附金額等を記載することとする。
(3)共同募金会からの受配者指定寄附金のうち、施設整備及び設備整備に係る配分金
(資産の取得等に係る借入金の償還に充てるものを含む。)は、施設整備等寄附金収入として計上し、併せて施設整備等寄附金収益として計上する。このうち基本金として組入れすべきものは、基本金に組入れるものとする。
また、受配者指定寄附金のうち経常的経費に係る配分金は、経常経費寄附金収入として計上し、併せて経常経費寄附金収益として計上する。
一方、受配者指定寄附金以外の配分金のうち、経常的経費に係る配分金は、補助金事業収入及び補助金事業収益に計上する。
また、受配者指定寄附金以外の配分金のうち、施設整備及び設備整備に係る配分金は、施設整備等補助金収入及び施設整備等補助金収益に計上し、国庫補助金等特別積立金を積立てることとする。
10 各種補助金の扱い
施設整備等に係る補助金、借入金元金償還補助金、借入金利息補助金及び経常経費補助金等の各種補助金については、補助の目的に応じて帰属する拠点区分を決定し、当該区分で受け入れることとする(運用上の取り扱い別紙3(③)「補助金事業等収益明細書」参照)。
11 事業区分間、拠点区分間及びサービス区分間の資金移動
社会福祉事業、公益事業及び収益事業における事業区分間及び拠点区分間の繰入金収入及び繰入金支出を記載するものとする(運用上の取り扱い別紙3(④)「事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書」参照)。
また、拠点区分資金収支明細書(運用上の取り扱い別紙3(⑩))を作成した拠点においては、サービス区分間の繰入金収入及び繰入金支出を記載するものとする(運用上の取り扱い別紙3(⑬)「サービス区分間繰入金明細書」参照)。
12 事業区分間、拠点区分間及びサービス区分間の貸付金(借入金)残高
社会福祉事業、公益事業及び収益事業における事業区分間及び拠点区分間の貸付金(借入金)の残高を記載するものとする(運用上の取り扱い別紙3(⑤)「事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書」参照)。
また、拠点区分資金収支明細書(運用上の取り扱い別紙3(⑩))を作成した拠点区分においては、サービス区分間の貸付金(借入金)の残高を記載するものとする(運用上の取り扱い別紙3(⑭)「サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書」参照)。
13 共通支出及び費用の配分方法
(1)配分方法について
共通支出及び費用の具体的な科目及び配分方法は別添1のとおりとするが、これによりがたい場合は、実態に即した合理的な配分方法によることとして差し支えない。
また、科目が別添1に示すものにない場合は、適宜、類似の科目の考え方を基に配分して差し支えない。
なお、どのような配分方法を用いたか分かるように記録しておくことが必要である。
(2)事務費と事業費の科目の取扱について
「水道光熱費(支出)」、「燃料費(支出)」、「賃借料(支出)」、「保険料(支出)」については原則、事業費(支出)のみに計上できる。ただし、措置費、保育所運営費の弾力運用が認められないケースでは、事業費(支出)、事務費(支出)双方に計上するものとする。
14 基本金について
(1)基本金
会計基準省令第6条第1項及び運用上の取り扱い第11 に規定する基本金として計上する額とは、次に掲げる額をいう。
ア 運用上の取り扱い第11(1)に規定する基本金について
運用上の取り扱い第11(1)に規定する社会福祉法人の設立並びに施設の創設及び増築等のために基本財産等を取得すべきものとして指定された寄附金の額とは、土地、施設の創設、増築、増改築における増築分、拡張における面積増加分及び施設の創設及び増築時等における初度設備整備、非常通報装置設備整備、屋内消火栓設備整備等の基本財産等の取得に係る寄附金の額とする。
さらに、地方公共団体から無償又は低廉な価額により譲渡された土地、建物の評価額(又は評価差額)は、寄附金とせずに、国庫補助金等に含めて取り扱うものとする。
なお、設備の更新、改築等に当たっての寄附金は基本金に含めないものとする。
イ 運用上の取り扱い第11(2)に規定する基本金について
運用上の取り扱い第11(2)に規定する資産の取得等に係る借入金の元金償還に充てるものとして指定された寄附金の額とは、施設の創設及び増築等のために基本財産等を取得するにあたって、借入金が生じた場合において、その借入金の返済を目的として収受した寄附金の総額をいう。
ウ 運用上の取り扱い第11(3)に規定する基本金について
運用上の取り扱い第11(3)に規定する施設の創設及び増築時等に運転資金に充てるために収受した寄附金の額とは、平成12 年12 月1日障企第59 号、社援企第35 号、老計第52 号、児企第33 号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長、厚生省社会・援護局企画課長、厚生省老人保健福祉局計画課長、厚生省児童家庭局企画課長連名通知「社会福祉法人の認可について」別紙社会福祉法人審査要領第2(3)に規定する、当該法人の年間事業費の12 分の1以上に相当する寄附金の額及び増築等の際に運転資金に充てるために収受した寄附金の額をいう。
(2)基本金の組入れ
会計基準省令第6条第1項及び運用上の取り扱い第11 に規定する基本金への組み入れについては、複数の施設に対して一括して寄附金を受け入れた場合には、最も合理的な基準に基づいて各拠点区分に配分することとする。
なお、基本金の組み入れは会計年度末に一括して合計額を計上することができるものとする。
(3)基本金の取崩し
運用上の取り扱い第12 に規定する基本金の取崩しについても各拠点区分において取崩しの処理を行うこととする。
なお、基本金を取り崩す場合には、基本財産の取崩しと同様、事前に所轄庁に協議し、内容の審査を受けなければならない。
(4)基本金明細書の作成
基本金の組入れ及び取崩しに当たっては、基本金明細書(運用上の取り扱い別紙3(⑥))を作成し、それらの内容を記載することとする。
15 国庫補助金等特別積立金について
(1)国庫補助金等
会計基準省令第6条第2項及び運用上の取り扱い第10 に規定する国庫補助金等とは、「社会福祉施設等施設整備費の国庫負担(補助)について」(平成17 年10 月5 日付厚生労働省発社援第1005003 号)に定める施設整備事業に対する補助金など、主として固定資産の取得に充てられることを目的として、国及び地方公共団体等から受領
した補助金、助成金及び交付金等をいう。
また、国庫補助金等には、自転車競技法第24 条第6 号などに基づいたいわゆる民間公益補助事業による助成金等を含むものとする。
なお、施設整備及び設備整備の目的で共同募金会から受ける受配者指定寄附金以外の配分金も国庫補助金等に含むものとする。
また、設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金等のうち、施設整備時又は設備整備時においてその受領金額が確実に見込まれており、実質的に施設整備事業又は設備整備事業に対する補助金等に相当するものは国庫補助金等とする。
(2)国庫補助金等特別積立金の積立て
ア 国庫補助金等特別積立金の積立て
会計基準省令第6条第2項及び運用上の取り扱い第10 に規定する国庫補助金等特別積立金については、国又は地方公共団体等から受け入れた補助金、助成金及び交付金等の額を各拠点区分で積み立てることとし、合築等により受け入れる拠点区分が判明しない場合、又は複数の施設に対して補助金を受け入れた場合には、最も合理的な基準に基づいて各拠点区分に配分することとする。
設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金等のうち、施設整備時又は設備整備時においてその受領金額が確実に見込まれており、実質的に施設整備事業又は設備整備事業に対する補助金等に相当するものとして国庫補助金等とされたものは、実際に償還補助があったときに当該金額を国庫補助金等特別積立金に積立てるものとする。
また、当該国庫補助金等が計画通りに入金されなかった場合については、差額部分を当初の予定額に加減算して、再度配分計算を行うものとする。ただし、当該金額が僅少な場合は、再計算を省略することができるものとする。さらに、設備資金借入金の償還補助が打ち切られた場合の国庫補助金等については、差額部分を当初の予定額に加減算して、再度配分計算をし、経過期間分の修正を行うものとする。当該修正額は原則として特別増減の部に記載するものとするが、重要性が乏しい場合はサービス活動外増減の部に記載できるものとする。
イ 国庫補助金等特別積立金の取崩し
運用上の取り扱い第9に規定する国庫補助金等特別積立金の減価償却等による取り崩し及び国庫補助金等特別積立金の対象となった基本財産等が廃棄又は売却された場合の取り崩しの場合についても各拠点区分で処理することとする。
また、国庫補助金等はその効果を発現する期間にわたって、支出対象経費(主として減価償却費をいう)の期間費用計上に対応して国庫補助金等特別積立金取崩額をサービス活動費用の控除項目として計上する。
なお、非償却資産である土地に対する国庫補助金等は、原則として取崩しという事態は生じず、将来にわたっても純資産に計上する。
さらに、設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金のうち、施設整備時又は設備整備時においてその受領金額が確実に見込まれており、実質的に施設整備事業又は設備整備事業に対する補助金等に相当するものとして積み立てられた国庫補助金等特別積立金の取崩額の計算に当たっては、償還補助総額を基礎として支出対象経費(主として減価償却費をいう)の期間費用計上に対応して国庫補助金等特別積立金取崩額をサービス活動費用の控除項目として計上する。
ウ 国庫補助金等特別積立金明細書の作成
国庫補助金等特別積立金の積み立て及び取り崩しに当たっては、国庫補助金等特別積立金明細書(運用上の取り扱い別紙3(⑦))を作成し、それらの内容を記載することとする。
16 棚卸資産の会計処理等について
棚卸資産については、原則として、資金収支計算書上は購入時等に支出として処理するが、事業活動計算書上は当該棚卸資産を販売等した時に費用として処理するものとする。
17 減価償却について
(1)減価償却の対象と単位
減価償却は耐用年数が1年以上、かつ、原則として1個若しくは1組の金額が10万円以上の有形固定資産及び無形固定資産を対象とする。減価償却計算の単位は、原則として資産ごととする。
(2)残存価額
ア 平成19 年3 月31 日以前に取得した有形固定資産
有形固定資産について償却計算を実施するための残存価額は取得価額の10%とする。耐用年数到来時においても使用し続けている有形固定資産については、さらに、備忘価額(1円)まで償却を行うことができるものとする。
イ 平成19 年4 月1 日以降に取得した有形固定資産
有形固定資産について償却計算を実施するための残存価額はゼロとし、償却累計額が当該資産の取得価額から備忘価額(1円)を控除した金額に達するまで償却するものとする。
ウ 無形固定資産
無形固定資産については、当初より残存価額をゼロとして減価償却を行うものとする。
(3)耐用年数
耐用年数は、原則として「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和40 年大蔵省令第15 号)によるものとする。
(4)償却率等
減価償却の計算は、原則として、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の定めによるものとし、適用する償却率等は別添2(減価償却資産の償却率、改定償却率及び保証率表)のとおりとする。
(5)減価償却計算期間の単位
減価償却費の計算は、原則として1年を単位として行うものとする。ただし、年度の中途で取得又は売却・廃棄した減価償却資産については、月を単位(月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じた時はこれを1か月とする)として計算を行うものとする。
(6)減価償却費の配分の基準
ア 複数の拠点区分又はサービス区分に共通して発生する減価償却費のうち、国庫補助金等により取得した償却資産に関する減価償却費は、国庫補助金等の補助目的に沿った拠点区分又はサービス区分に配分する。
イ ア以外の複数の拠点区分又はサービス区分に共通して発生する減価償却費については、利用の程度に応じた面積、人数等の合理的基準に基づいて毎期継続的に各拠点区分又はサービス区分に配分する。
18 引当金について
(1)徴収不能引当金について
ア 徴収不能引当金の計上は、原則として、毎会計年度末において徴収することが不可能な債権を個別に判断し、当該債権を徴収不能引当金に計上する。
イ ア以外の債権(以下「一般債権」という。)については、過去の徴収不能額の発
生割合に応じた金額を徴収不能引当金として計上する。
(2)賞与引当金について
賞与引当金の計上は、法人と職員との雇用関係に基づき、毎月の給料の他に賞与
を支給する場合において、翌期に支給する職員の賞与のうち、支給対象期間が当期
に帰属する支給見込額を賞与引当金として計上する。
(3)退職給付引当金について
21 を参照のこと。
19 積立金と積立資産について
(1)積立資産の積立て
運用上の取り扱い第19 において積立金を計上する際は同額の積立資産を積み立てることとしているが、資金管理上の理由等から積立資産の積立てが必要とされる場合には、その名称・理由を明確化した上で積立金を積み立てずに積立資産を計上できるものとする(運用上の取り扱い別紙3(⑫)「積立金・積立資産明細書」参照)。
(2)積立資産の積立ての時期
積立金と積立資産の積立ては、増減差額の発生した年度の計算書類に反映させるものであるが、専用の預金口座で管理する場合は、遅くとも決算理事会終了後2か月を越えないうちに行うものとする。
(3)就労支援事業に関する積立金
就労支援事業については、指定基準において「就労支援事業収入から就労支援事業に必要な経費を控除した額に相当する金額を工賃として支払わなければならない」としていることから、原則として剰余金は発生しないものである。
しかしながら、将来にわたり安定的に工賃を支給し、又は安定的かつ円滑に就労支援事業を継続するため、また、次のような特定の目的の支出に備えるため、理事会の議決に基づき就労支援事業別事業活動明細書の就労支援事業活動増減差額から一定の金額を次の積立金として計上することができるものとする。
また、積立金を計上する場合には、同額の積立資産を計上することによりその存在を明らかにしなければならない。
なお、次の積立金は、当該年度の利用者賃金及び利用者工賃の支払額が、前年度の利用者賃金及び利用者工賃の支払実績額を下回らない場合に限り、計上できるものとする。
ア 工賃変動積立金
毎会計年度、一定の工賃水準を利用者に保障するため、将来の一定の工賃水準を下回る工賃の補填に備え、次に掲げる各事業年度における積立額及び積立額の上限額の範囲内において、「工賃変動積立金」を計上できるものとする。
・各事業年度における積立額:過去3年間の平均工賃の10%以内
・積立額の上限額:過去3年間の平均工賃の50%以内
なお、保障すべき一定の工賃水準とは、過去3年間の最低工賃(天災等により工賃が大幅に減少した年度を除く。)とし、これを下回った年度については、理事会の議決に基づき工賃変動積立金及び工賃変動積立資産を取り崩して工賃を補填し、補填された工賃を利用者に支給するものとする。
イ 設備等整備積立金
就労支援事業を安定的かつ円滑に継続するため、就労支援事業に要する設備等の更新、又は新たな業種への展開を行うための設備等の導入のための資金需要に対応するため、次に掲げる各事業年度における積立額及び積立額の上限額の範囲内において、設備等整備積立金を計上できるものとする。
・各事業年度における積立額:就労支援事業収入の10%以内
・積立額の上限額:就労支援事業資産の取得価額の75%以内
なお、設備等整備積立金の積み立てに当たっては、施設の大規模改修への国庫補助、高齢・障害者雇用支援機構の助成金に留意することとし、設備等整備積立金により就労支援事業に要する設備等の更新、又は新たな業種への展開を行うための設備等を導入した場合には、対応する積立金及び積立資産を取り崩すものとする。
ウ 積立金の流用及び繰替使用
積立金は、上述のとおり、一定の工賃水準の保障、就労支援事業の安定的かつ円滑な継続という特定の目的のために、一定の条件の下に認められるものであることから、その他の目的のための支出への流用(積立金の流用とは、積立金の取り崩しではなく、積立金に対応して設定した積立資産の取崩しをいう。)は認められない。
しかしながら、就労支援事業に伴う自立支援給付費収入の受取時期が、請求及びその審査等に一定の時間を要し、事業の実施月から見て2か月以上遅延する場合が想定されることから、このような場合に限り、上述の積立金に対応する資金の一部を一時繰替使用することができるものとする。
ただし、繰替えて使用した資金は、自立支援給付費収入により必ず補填することとし、積立金の目的の達成に支障を来さないように留意すること。
(4)授産事業に関する積立金
授産施設は、最低基準において「授産施設の利用者には、事業収入の額から、事業に必要な経費の額を控除した額に相当する額の工賃を支払わなければならない。」と規定していることから、原則として剰余金は発生しないものである。
しかしながら、会計基準省令第6条第3項に規定する「その他の積立金」により、人件費積立金、修繕積立金、備品等購入積立金、工賃平均積立金等の積立金として処理を行うことは可能である。
なお、積立金を計上する場合には、同額の積立資産を計上することによりその存在を明らかにしなければならない。
20 リース会計について
(1) リース会計処理について
企業会計においてはリース取引の会計処理はリース会計基準に従って行われる。
社会福祉法人においてもリース取引の会計処理はこれに準じて行うこととなる。土地、建物等の不動産のリース取引(契約上、賃貸借となっているものも含む。)についても、ファイナンス・リース取引に該当するか、オペレーティング・リース取引に該当するかを判定する。ただし、土地については、所有権の移転条項又は割安購入選択権の条項がある場合等を除き、オペレーティング・リース取引に該当するものと推定することとなる。
なお、リース契約1件当たりのリース料総額(維持管理費用相当額又は通常の保守等の役務提供相当額のリース料総額に占める割合が重要な場合には、その合理的見積額を除くことができる。)が300 万円以下のリース取引等少額のリース資産や、リース期間が1年以内のリース取引についてはオペレーティング・リース取引の会計処理に準じて資産計上又は運用上の取り扱い第8に記載されている注記を省略することができる等の簡便的な取扱いができるものとする。
(2) 利息相当額の各期への配分について
リース資産総額に重要性が乏しいと認められる場合は、次のいずれかの方法を適用することができる。
ア 運用上の取り扱い第8の定めによらず、リース料総額から利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法によることができる。この場合、リース資産及びリース債務は、リース料総額で計上され、支払利息は計上されず、減価
償却費のみが計上される。
イ 運用上の取り扱い第8の定めによらず、利息相当額の総額をリース期間中の各期に配分する方法として、定額法を採用することができる。
なお、リース資産総額に重要性が乏しいと認められる場合とは、未経過リース料の期末残高(運用上の取り扱い第1で通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととしたものや、運用上の取り扱い第8に従い利息相当額を利息法により各期に配分しているリース資産に係るものを除く。)が、当該期末残高、有形固定資産及び無形固定資産の期末残高の法人全体の合計額に占める割合が10 %未満である場合とする。
21 退職給付について
(1) 期末要支給額による算定について
退職給付会計の適用に当たり、退職給付の対象となる職員数が300 人未満の社会福祉法人のほか、職員数が300 人以上であっても、年齢や勤務期間に偏りがあるなどにより数理計算結果に一定の高い水準の信頼性が得られない社会福祉法人や原則的な方法により算定した場合の額と期末要支給額との差異に重要性が乏しいと考えられる社会福祉法人においては、退職一時金に係る債務について期末要支給額により算定することができるものとする。
(2) 独立行政法人福祉医療機構の実施する社会福祉施設職員等退職手当共済制度の会計処理
独立行政法人福祉医療機構の実施する社会福祉施設職員等退職手当共済制度及び確定拠出年金制度のように拠出以後に追加的な負担が生じない外部拠出型の制度については、当該制度に基づく要拠出額である掛金額をもって費用処理する。
(3) 都道府県等の実施する退職共済制度の会計処理
ア 共済契約者である社会福祉法人
退職一時金制度等の確定給付型を採用している場合は、約定の額を退職給付引当金に計上する。ただし被共済職員個人の拠出金がある場合は、約定の給付額から被共済職員個人が既に拠出した掛金累計額を差し引いた額を退職給付引当金に計上する。
なお、簡便法として、期末退職金要支給額(約定の給付額から被共済職員個人が既に拠出した掛金累計額を差し引いた額)を退職給付引当金とし同額の退職給付引当資産を計上する方法や、社会福祉法人の負担する掛金額を退職給付引当資産とし同額の退職給付引当金を計上する方法を用いることができるものとする。
イ 退職共済事業実施者である社会福祉法人
退職共済事業実施者である社会福祉法人が、共済契約者である法人及び加入者から受領した掛金は資産に計上し、同額を負債として認識する。資産は、会計基準省令第4条に規定する資産の評価の方法に従って評価する。負債は、資産の増減額と同額を負債に加減し、会計基準省令第5条の債務額とする。
なお、拠点区分又はサービス区分を適切に設定して管理すること。
22 資産価値の下落について
会計基準省令第4条第3項に規定する会計年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産とは、時価が帳簿価額から概ね50%を超えて下落している場合をいうものとする。
23 内部取引の相殺消去について
運用上の取り扱い第4に規定する内部取引の相殺消去には、ある事業区分、拠点区分又はサービス区分から他の事業区分、拠点区分又はサービス区分への財貨又はサービスの提供を外部との取引と同様に収益(収入)・費用(支出)として処理した取引も含むものとする。
例えば、就労支援事業のある拠点区分において製造した物品を他の拠点区分で給食として消費した場合には、就労支援事業収益(収入)と給食費(支出)を、内部取引消去欄で相殺消去する取扱いをするものとする。
24 法人税、住民税及び事業税について
(1) 事業活動計算書への記載
法人税、住民税及び事業税を納税する法人は、事業活動計算書等の特別増減差額と当期活動増減差額の間に以下の欄を追加するものとする。
勘定科目 当年度決算(A) 前年度決算(B) 増減(A)-(B)
特別増減の部 特別増減差額(10)=(8)-(9)
税引前当期活動増減差額(11)=(7)+(10)
法人税、住民税及び事業税(12)
法人税等調整額(13)
当期活動増減差額(14)=(11)-(12)-(13)
なお、重要性の原則により税効果会計を適用しない法人は、「法人税等調整額」欄の追加は不要となる。「繰越活動増減差額の部」の各項目に右記した番号は順次繰り下げるものとする。
(2) 資金収支計算書への記載
法人税、住民税及び事業税を納税する法人は、拠点区分資金収支計算書の事業活動支出の「その他の支出」に中区分科目として「法人税、住民税及び事業税支出」を追加するものとする。
(3) 貸借対照表への記載
法人税、住民税及び事業税のうちの未払額については、流動負債の部に「未払法人税等」の科目を設けて記載するものとする。
また、税効果会計を適用する場合に生じる繰延税金資産及び繰延税金負債は、当該科目名をもって固定資産又は固定負債に区分して記載するものとする。
25 計算書類の勘定科目及び注記について
(1)計算書類の勘定科目
勘定科目は別添3に定めるとおりとする。
会計基準省令第1号第1~第3様式、第2号第1~第3様式は、勘定科目の大区分のみを記載するが、必要のない勘定科目は省略することができる。ただし、追加・修正はできないものとする。会計基準省令第1号第4様式、第2号第4様式は、勘定科目の小区分までを記載し、必要のない勘定科目は省略できるものとする。
また、会計基準省令第3号第1~第4様式は、勘定科目の中区分までを記載し、必要のない中区分の勘定科目は省略できるものとする。
運用上の取り扱い別紙3(⑩)及び別紙3(⑪)については、勘定科目の小区分までを記載し、必要のない勘定科目は省略できるものとする。
勘定科目の中区分についてはやむを得ない場合、小区分については適当な勘定科目を追加できるものとする。
なお、小区分を更に区分する必要がある場合には、小区分の下に適当な科目を設けて処理することができるものとする。
また、計算書類の様式又は別添3に規定されている勘定科目においても、該当する取引が制度上認められていない事業種別では当該勘定科目を使用することができないものとする。
(2)計算書類に対する注記
計算書類に対する注記は、法人全体又は拠点区分で該当する内容がない項目についても、会計基準省令第29 条第1項第1号、第3号、第9号及び第10 号を除いては、項目名の記載は省略できない。この場合は当該項目に「該当なし」などと記載するものとする。
26 関連当事者との取引について
運用上の取り扱い第21における関連当事者との取引の内容について計算書類に注記を付す場合の関連当事者の範囲及び重要性の基準は、以下のとおりである。
(1)関連当事者の範囲
ア 当該社会福祉法人の常勤の役員又は評議員として報酬を受けている者及びそれらの近親者(3親等内の親族及びこの者と特別の関係にある者。なお、「親族及びこの者と特別の関係にあるもの」とは例えば以下を指すこととする。)
① 当該役員又は評議員とまだ婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻と同様の事情にある者
② 当該役員又は評議員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者
①又は②の親族で、これらの者と生計を一にしている者
イ 当該社会福祉法人の常勤の役員又は評議員として報酬を受けている者及びそれらの近親者が議決権の過半数を有している法人
ウ 支配法人(当該社会福祉法人の財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している他の法人、以下同じ。)
次の場合には当該他の法人は、支配法人に該当するものとする。
・ 他の法人の役員、評議員若しくは職員である者が当該社会福祉法人の評議員会の構成員の過半数を占めていること。
エ 被支配法人(当該社会福祉法人が財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している他の法人、以下同じ。)
次の場合には当該他の法人は、被支配法人に該当するものとする。
・ 当該社会福祉法人の役員、評議員若しくは職員である者が他の法人の評議員会の構成員の過半数を占めていること。
オ 当該社会福祉法人と同一の支配法人を持つ法人
当該社会福祉法人と同一の支配法人を持つ法人とは、支配法人が当該社会福祉法人以外に支配している法人とする。
(2)関連当事者との取引に係る開示対象範囲
ア 上記(1)ア及びイに掲げる者との取引については、事業活動計算書項目及び貸借対照表項目いずれに係る取引についても、年間1,000 万円を超える取引については全て開示対象とするものとする。
イ 支配法人、被支配法人又は同一の支配法人を持つ法人との取引
① 事業活動計算書項目に係る関連当事者との取引
サービス活動収益又はサービス活動外収益の各項目に係る関連当事者との取引については、各項目に属する科目ごとに、サービス活動収益とサービス活動外収益の合計額の100 分の10 を超える取引を開示する。
サービス活動費用又はサービス活動外費用の各項目に係る関連当事者との取引については、各項目に属する科目ごとに、サービス活動費用とサービス活動外費用の合計額の100 分の10 を超える取引を開示する。
特別収益又は特別費用の各項目に係る関連当事者との取引については、各項目に属する科目ごとに1,000 万円を超える収益又は費用の額について、その取引総額を開示し、取引総額と損益が相違する場合は損益を併せて開示する。ただし、各項目に属する科目の取引に係る損益の合計額が当期活動増減差額の100 分の10 以下となる場合には、開示を要しないものとする。
② 貸借対照表項目に係る関連当事者との取引
貸借対照表項目に属する科目の残高については、その金額が資産の合計額の100 分の1 を超える取引について開示する。
27 固定資産管理台帳について
基本財産(有形固定資産)及びその他の固定資産(有形固定資産及び無形固定資産)は個々の資産の管理を行うため、固定資産管理台帳を作成するものとする。
勘定科目の説明
計算書類の様式
社会福祉法人会計基準の計算書類の様式を参考に記載しています(e-gov 法令検索)
区 分 | 法人単位 | 事業別内訳書 | 拠点別内訳書 | 拠点区分 |
資金収支計算書 | 第一号第一様式 | 第一号第二様式 | 第一号第三様式 | 第一号第四様式 |
事業活動計算書 | 第二号第一様式 | 第二号第二様式 | 第ニ号第三様式 | 第二号第四様式 |
貸借対照表 | 第三号第一様式 | 第三号第二様式 | 第一号第三様式 | 第三号第四様式 |
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第2巻 | 事業活動計算書 |
第3巻 | 貸借対照表 |
第4巻 | 経営組織(理事・監事や理事会・評議員会について) |
第5巻 | 随意契約 |
第6巻 | 注記と附属明細書 |
第7巻 | 社会福祉法人会計簿記の特徴『大切なのは、1行増えること』 |
第8巻 | 管理職のための社会福祉法人会計基準の逐条解説 |
第9巻 | 利益と増減差額 ~その違いからわかること~ |
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第3巻 | 貸借対照表 (第3版) | 81 | 1980円 |
第4巻 | 経営組織(理事・監事や理事会・評議員会について) | 57 | 1760円 |
第5巻 | 随意契約 | 45 | 1650円 |
第6巻 | 注記と附属明細書 | 109 | 1980円 |
第7巻 | 社会福祉法人会計簿記の特徴 『大切なのは、1行増えること』 | 52 | 1870円 |
第8巻 | 管理職のための 社会福祉法人会計基準の逐条解説 | 83 | 1980円 |
第9巻 | 利益と増減差額 ~その違いからわかること~ | 47 | 1815円 |
(第4巻 経営組織は、法人の理事・監事や評議員について解説しています)
よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。