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役員と役員会・指導監査の準備

評議員選任・解任委員会の開催上の注意|理事会決議・候補者書類・日程設定まで実務で押さえるポイント

はじめに

評議員選任・解任委員会を適正に開催するためには、
事前準備が最も重要です。

委員の任期確認、理事会決議、候補者書類の整備、
日程設定や招集通知など、多くの手続きが関係します。

この記事では、委員会を開催する際に
事前に確認すべき事項を体系的に整理し、
実務担当者が迷わないようポイントをまとめます。


本記事は、社会福祉法人会計を専門とする公認会計士・税理士が、法令や厚生労働省の通知に沿って、実務で起こりやすい論点を解説しています。

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1.評議員選任・解任委員会を開催する前の準備事項(全体像)

委員会開催までに確認すべきことは主に5つあります。

No項目内容実務ポイント
委員会の開催理事会決議定款細則に「委員会は理事会決議で招集」とある法人が多い。必ず理事会で開催を決議する。
評議員候補者の推薦理事会決議「委員会は理事会が推薦した者について選任する」と規定されているケースでは、候補者は理事会で決めておく必要がある。
必要書類の準備評議員候補者全員分「履歴書・誓約書・就任承諾書」などを全員分揃える。新任・再任いずれも必要。
スケジュール調整評議員会との関係原則:委員会→評議員会の順番。同日開催も可能だが、順序に注意。
招集通知開催日の1週間前など規程に従い招集通知を発出。省略時は全委員の同意書を保存。

以下で重要な点を掘り下げて説明します。


2.理事会での決議が必要となるケース

多くの法人の評議員選任・解任委員会の運営に関する規程(定款細則その他)では、委員会の開催には理事会決議が必要 と定められています。

また、厚生労働省のQ&Aでも次のとおり明記されています。

  • 委員会の開催は法人運営に関わる重要事項であり、理事会の責任において行う
  • 評議員候補者の推薦も理事会で決定することが適当

▼実務ポイント

  • 「委員会開催」自体を理事会で決議
  • 「評議員候補者」も理事会で決定(規程による)
  • その後、委員会へ正式に付議する


3.評議員候補者の推薦は“早め”が重要

評議員が欠員となる場合や改選期には、新たな候補者を早めに確保し、理事会で正式に推薦する必要があります。

候補者の選定が遅れると、委員会の日程が組みづらくなり、評議員会までの全体スケジュールがギリギリになるため注意が必要です。


4.必要書類の準備(新任・再任どちらも必要)

委員会で選任される候補者については、次の書類を必ず提出してもらいます。

▼必要書類

  • 履歴書
  • 誓約書(欠格事由・特殊関係の非該当等)
  • 就任承諾書

✔ 再任であっても必ず書類を揃えること。
✔ 全候補者分が揃っていないと委員会で選任できません。


5.委員会と評議員会の「開催日程の設定」上の注意点

委員会と評議員会の開催関係には、次の2パターンがあります。

パターン①:委員会 → 評議員会(原則)

最も一般的な開催順序です。

  • 評議員選任・解任委員会で候補者を選任
  • その後、評議員会で理事・監事選任などの議案を審議

パターン②:同日開催(例外)

  • 委員会を先に開催し、引き続き評議員会を開催
  • 旧評議員の任期は「定時評議員会の終結」まで

▼注意

同日開催の場合、旧評議員の任期中に新評議員を選任する必要があるため、必ず委員会を先に行う。


6.招集通知の発出と省略の取扱い

■ 通常の場合

規程に定められた期限までに招集通知を発出します。
多くの法人では「開催日の1週間前まで」などとしています。

■ 省略する場合

規程により省略が認められているときは、
全委員の同意書 を取得し、必ず保管します。

✔ 省略は全員同意が原則。
✔ 同意を得た証跡が必要。


7.評議員選任・解任委員の手続き(委員自身の任期切れに注意)

委員会を開催するにあたり、委員の任期切れ が最も多い指摘事項のひとつです。

任期が満了している場合は、そのまま委員として議決ができません。

▼必要な対応

  • 任期が切れそうな委員については、理事会で再任・新任を行う
  • 委員候補者から必要書類(履歴書・誓約書・就任承諾書)を取得
  • 外部委員がいる場合は、早めに継続可否を確認する

✔「委員がいつ任期満了するか」を一覧で管理しておくことが重要。


8.実務チェックリスト

  • 委員の任期は有効か
  • 委員会開催・候補者推薦を理事会で決議したか
  • 候補者の書類(履歴書・誓約書・就任承諾書)は揃っているか
  • 委員会と評議員会の開催順序は適切か
  • 招集通知を期限までに発出したか
  • 招集省略時の全員同意書を保管したか
  • 委員の再任・新任が必要な場合は理事会で決議しているか

まんがでポイントを押さえよう

評議員選任解任委員会の決議

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NO.記事のタイトル
「評議員選任・解任委員の任期」
「評議員選任・解任委員の委員の任期が切れていた場合」

次回はこのテーマです。

記事の執筆者のご紹介

著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
元地方公務員

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年の行政事務経験
社会福祉法人会計専門の公認会計士・税理士として20年の実務経験を有する。
専門分野:社会福祉法人会計・指導監査対応、企業主導型保育事業の会計支援・専門的財務監査対応、介護、障がい福祉、保育の各制度に精通。
都道府県・政令指定都市主催の研修講師多数。

社会福祉法人会計・監査、企業主導型保育事業の専門的財務監査を専門にする公認会計士・税理士 松岡洋史の顔写真。元地方公務員(京都市・上級事務職)として行政事務経験を11年有する

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