専門的財務監査のポイント㉟ 立入調査の指摘事項 令和6年度 ~企業主導型保育事業~
企業主導型保育事業の立入調査
令和6年度は、企業主導型保育事業の立入調査が4,367施設で実施されました。
うち児童育成協会による実施が4,067施設、委託による実施が300施設となっています。
今回は、こども家庭庁の資料から、令和6年度の立入調査の指摘事項を確認していきます。
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立入調査の実施施設数
| 区 分 | 令和6年度 |
|---|---|
| 実施施設 | 4,367施設 |
| うち改善を要する施設 | 2,875施設 (65.8%) |
| うち改善不要な施設 | 1,492施設 (34.2%) |
監査実施の取組み
こども家庭庁の資料によると、令和6年度の立入調査は、下のように取り組まれました。
| No. | ポイント |
|---|---|
| 1 | 令和6年度の協会の実施分については、令和5年度同様内製化率93.1%であるが、関係部署との連携強化とともに指導監査部内の多様な人材活用により、関西支所の近畿エリア立入調査地域を拡張し、関西支所987施設(拠点構成比率24.3%)の監査を完了した。 |
| 2 | 自治体との合同調査6施設を実施し、監査連携・効率化に取り組んだ。 *香川県高松市役所と1施設(7月)、宮城県仙台市役所と1施設(10月)、沖縄中部広域市町村圏組合事務組合と2施設(11月)、沖縄県庁と2施設(12 月)の同行立入調査実施。 |
| 3 | 研修専任者/監査OJT同行者の設置、調査手順書及びマニュアル等の整備により監査員の育成強化を行うとともに、グループリーダーの育成を図り、監査品質向上と立入調査の均質化、マネジメント強化に努めた。 |
| 4 | 再委託先については、施設数の多い関東圏等に集中実施させることにより、効率化とリスクマネジメントの管理体制強化を行い、立入調査の質を担保した。 |
立入調査での指摘事項
| No. | 指摘事項 | 令和6年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|---|
| 1 | ・開所時間の全てにおいて必要な保育従事者数を配置すること。 | 755 | 884 |
| 2 | ・安全計画に基づく安全確保のための取組を行うこと。 | 290 | 436 |
| 3 | ・乳幼児の利用開始時に健康診断結果等を確認すること。 | 209 | 309 |
| 4 | ・マニュアルに基づく虐待防止対策を適切に行うこと。 | 194 | 294 |
| 5 | ・乳幼児の健康診断を適切に実施すること。 | 144 | 191 |
| 6 | ・食事の提供は自園調理等により適切に行うこと。 | 91 | 124 |
| 7 | ・職員の健康診断を適切に実施すること。(採用時又は定期) | 90 | 138 |
| 8 | ・事業計画に沿って病児保育事業の実施に努めること。 | 81 | 95 |
| 9 | ・開所時間の全てにおいて、必要な保育従事者数の半数以上の保育士を確保すること。 | 67 | 53 |
| 10 | ・ヒヤリハット報告書等を作成し改善策等を職員間で共有すること。 | 65 | 94 |
企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和4年度~令和6年度
下のリンクから指摘事項のページに進みます。
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著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。











