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企業主導型保育事業 専門的財務監査

専門的財務監査のポイント⑯ 「4 支出(2)運営費 ②人件費以外の経費  3)運営委託費運営委託費・その他業務委託費全般(コンサルタント契約等)」について ~企業主導型保育事業~

企業主導型保育事業の専門的財務監査

令和3年度から、企業主導型保育事業に対して専門的財務監査が行われています。
専門的財務監査は、監査法人(公認会計士等)によって行われることになります。

児童育成協会が公表している専門的財務監査の評価基準のポイントを確認していきましょう。

今回は、4 支出(2)運営費 ②人件費以外の経費 3)運営委託費・その他業務委託費全般(コンサルタント契約等)になります。

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専門的財務監査の評価基準の内容とポイント
4 支出(2)運営費
  ②人件費以外の経費 
   3)運営委託費(運営委託する事業者に限る)

専門的財務監査の評価基準の内容の横に、ポイントとなるところを記載していきます。

NO. 監査事項 評価事項 社会福祉法人のポイント
保育施設の運営やその他の業務を外部に委託している場合は、

まず、その委託が保育事業遂行上、合理的必要性があるか、質問や関係資料等の閲覧等によって確かめる。
・その委託に保育事業遂行上の合理的必要性がない。または、乏しい。業務委託の理由(必要性)を説明できるようにしておく
業務委託契約書が必ず作成されているか確かめる。また、その内容が他の契約者との取引条件と比較して妥当であるか確かめる。・外部に運営委託やその他の業務委託を行っているが、契約書を作成していない。

・その内容が他の契約者との取引条件と比較して妥当でない。
(例:特に委託先にとって有利な取引条件になっている等)

・契約内容が不十分で不備がある。
○委託先との契約書の締結と保管状況の確認

○業務委託の内容について、理事会等の承認が得られているか、議事録で確認する
運営委託先との契約書を閲覧し、また毎月の運営費請求に対して明細表が作成され、その内容について社内で検証、承認しているか確かめる。・契約書内の運営委託内容、金額等について、社内で十分検討し、承認している形跡がない。 ○業務委託の内容について、理事会等の承認が得られているか、議事録で確認する

○毎月の運営費の請求に対して明細表があり、内容の精査、確認が行われている
運営委託費の内容及び金額が、同規模の他の保育施設の運営費と比較して妥当であるか検証する。運営委託費金額が合理的な理由がなく適正な金額でない。 ○運営委託費の金額の算出根拠資料の確認

○他の事例等で契約金額の合理性を確認した資料を準備しておく

業務委託全般の注意事項

専門的財務監査だけでなく、社会福祉法人の指導監査においても業務委託費(業務委託契約)は監査上の重要な論点になります。

業務委託に関して確認しておきたい事項

  • 契約書の締結・保管
  • 契約内容の妥当性
  • 契約金額の妥当性
  • 適切な承認手続き
  • 委託業務の執行状況の確認

3)運営委託費(運営委託する事業者に限る)

運営委託契約の締結

社会福祉法人が企業主導型保育事業を運営する場合に、運営を他の事業者(他の法人)に委託するケースはまれではないかと考えます。

他の事業者に運営を委託する場合には、適正な手続きが行わなれているか確認が必要になります。

理事会決議

運営の委託契約の締結は、法人の業務執行の意思決定になり、原則として理事会の承認(決議)が必要になります。

(企業主導型保育事業の運営委託は、法人の重要な業務執行の意思決定になってくるため、理事長の専決は難しいのではないかと考えます。不明な場合には、予め所轄庁に相談し、指示を受けましょう)

議事録

理事会で慎重な審議の状況が分かるように、議事録に適切に記録していきましょう。


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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士 
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表  松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。



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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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